Yahoo!ニュース

元阪神・穴田真規選手もチームMVPの活躍!クラブ選手権出場を決めた和歌山箕島球友会

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
西近畿代表となり、記念撮影中の和歌山箕島球友会。穴田選手は前列右から2人目です。

社会人の『第88回都市対抗野球』は今月14日に東京ドームで開幕しますが、クラブチームは9月1日からメットライフドームで行われる『第42回全日本クラブ野球選手権大会』に向けて予選中。近畿では1次予選を勝ち抜いた大阪・和歌山と兵庫の4チームによる『西近畿2次予選』が、同じく京都、滋賀、奈良の1次を突破した3チームでの『東近畿2次予選』が先週末にあり、それぞれ1チームずつが本大会へ駒を進めました。まだ2か月先のことなので、全陣容が出揃うのは来月中旬でしょう。

そんな中、元阪神の穴田真規選手が所属する和歌山箕島球友会も出場した西近畿2次予選(7月1日)、野原祐也監督のOBC高島が本戦出場を目指す東近畿2次予選(7月2日)を見に行ってきました。きょうはまず西近畿予選の決勝と、穴田選手をはじめ和歌山箕島球友会の皆さんの話をご紹介します。

敬称略で左から(上)寺岡、岸、穴田と川島マネ。(下)北面、西口、林。昼食中です。
敬称略で左から(上)寺岡、岸、穴田と川島マネ。(下)北面、西口、林。昼食中です。

7月1日の西宮市は明け方まで雨が降り続いていたにもかかわらず、一気に天気が回復!大阪ガス今津総合グラウンド野球場での『西近畿2次予選』は予定通り行われました。私はちょうど第1試合で和歌山箕島球友会が兵庫県警公式野球部県警桃太郎に勝った直後の到着で、みんな決勝に備えて昼食中。明るい表情の選手たちを見て、昨年の西近畿予選がよみがえりました。

いろんな借りを返した2試合

阪神を退団した穴田選手は、翌2014年から和歌山箕島球友会に所属しています。このときは前年にクラブチャンピオンとなったため、西近畿からは2チームが本大会代表となり、箕島も3年連続で出場したのですが…本大会は2回戦の準々決勝で敗退。その時の記事はこちらです。→<2014年>

悔しさをバネに挑んだ2015年は、みごと優勝!2年ぶり3度目の日本一になりました。穴田選手もしっかり仕事をして、晴れやかな笑顔を見せていたのを覚えています。→<2015年>

優勝して出場権を得た11月の社会人日本選手権は残念ながら予選敗退。今度こそ日本選手権での1勝を!と臨んだ2016年のシーズンだったのです。ところが…

前年優勝チームのため1次予選を免除され、2次の西近畿予選は7月2日に今回と同じ大阪ガス今津グラウンドで行われました。その1回戦(準決勝)で、県警桃太郎に6対12で敗れるという波乱!前年に箕島が優勝したので西近畿からは2チームが出られます。翌3日に敗者復活戦が行われ、まずは関メディベースボール学院に5対3で勝った箕島。しかし決勝は再び県警桃太郎と対戦し、また2ケタ失点で負けて、5年連続出場はならず。その1か月後に記事です。→<2016年>

優勝旗を必ず取り返してくる、と西川監督。
優勝旗を必ず取り返してくる、と西川監督。

選手や関係者の皆さんが「2次は大阪ガスのグラウンドかぁ…」と苦い表情だったのは、2日続けて同じチームに負け、まさかの予選敗退となった嫌な記憶が残る場所だからでしょう。ちなみに本大会で優勝した2015年の西近畿予選は、枚方市のパナソニックベースボールスタジアムだったんですね。それともう1つ、ことしの4月15日に都市対抗野球1次予選の決勝でNSBベースボールクラブに敗れたのも、大阪ガス今津総合グラウンドだったのは記憶に新しいところ。→<都市対抗1次予選敗退…>

でも負のイメージを払拭すべく、まず県警桃太郎に昨年の借りを返し、ついでNSBには都市対抗のリベンジを果たした和歌山箕島球友会。2年ぶりに、あの喜びと感動を味わえる場所へ戻ります。

【西近畿2次予選】準決勝

前置きが長くなってすみません。では1回戦(準決勝)のスコアと試合経過です。

兵庫県警硬式野球部県警桃太郎-和歌山箕島球友会

県警 001 001 000 = 2

箕島 004 100 00X = 5

◆バッテリー

【県警】石倉(8回) / 三角

【箕島】和田(9回) / 水田

◆二塁打 県警:栃岡、三角 箕島:穴田、岸

<試合経過>

箕島の先発・和田が3回に、2死一塁から先制のタイムリーを許したものの、その裏に3番・岸の死球と盗塁などで2死二塁として、まず5番・穴田が右前に同点のタイムリー!送球の間に二塁へ進み、水田の右前打と相手エラーで勝ち越しのホームを踏みます。水田は二盗、富樫の四球で2死一、二塁となり、8番・西口が左前タイムリー!さらに盗塁で二、三塁とし、森下のタイムリー内野安打。この回4点を奪いました。

5回にも2死から右前打(とエラー)の林を二塁に置き、穴田が左翼線へタイムリー二塁打!5対1とします。和田は5回に二塁打とヒットなどで1死二、三塁とするも無失点。6回は先頭に二塁打を浴び、2四死球で2死満塁となって押し出しの四球で1点を返されましたが、それ以降は7回に穴田のエラーで1人走者を出しただけ。6安打2失点の完投勝利です。

穴田選手3安打で和田投手が完投!

決勝までの間にお会いしたら「穴田が3安打しましたよ!」と和歌山箕島球友会・西川忠宏監督。そんなこともあるんですねと言ったら「ほんまにね(笑)」と。監督だけでなく、第1試合を見ていない私に、他の選手やご家族の皆さんが「穴田くん、大活躍ですよ。3安打に、自打球に、エラーも(笑)」と教えてくださいました。穴田選手のお父さんまで「3本打つとこ、初めて見たんちゃうかなあ」と笑顔。そういえば私も?

「投げ切れてよかった」「勝ってよかった」と繰り返す和田投手です。
「投げ切れてよかった」「勝ってよかった」と繰り返す和田投手です。

ではここで、完投勝利の和田拓也投手の話をご紹介しておきます。まず「嬉しいです!勝ててよかった!」と笑顔があふれて止まらないほどの喜びと、ホッとした感じ。「5回まではよかったけど、6回や7回はあんまり…。体がちょっとバテました」と苦笑いです。「でもそれなりに抑えられてよかったです。穴田さんがメッチャ打ってくれたから。3安打ですよ!」。なかなかないことですもん(笑)

「公式戦でも、クラブ選手権とか都市対抗とかの予選で先発するのは初めてでした。緊張はそんなにしなかったかな。投げ切れてよかったです」という和田投手。故障明けだったんですね。「肩のケガで全然投げてなくて、1年間ずっとベンチメンバーでした。去年、ここで負けるところも見ていたから何がなんでも勝ちたかった!」。なおさら嬉しい気持ち、よくわかります。

【西近畿2次予選】決勝

決勝は、第2試合で全播磨公式野球団を11対1の7回コールドで制した、NSBベースボールクラブとの顔合わせになりました。ことしの都市対抗野球1次予選決勝のリベンジです。相手の先発も同じ西原投手、箕島はエース・寺岡投手ですから、さらに気合が入ります。投手戦かと思いきや、序盤から激しい打ち合い!終わってみれば箕島25安打、NSBが20安打で、19対11というスコア。

平井選手の経過報告!左足を痛めた日(左)と、その1週間後(右)。順調です!
平井選手の経過報告!左足を痛めた日(左)と、その1週間後(右)。順調です!

そんな打ち合いの中、ベンチから「とおるさんのために!」という声が何度も聞こえました。実は6月24日の1次予選準決勝で、試合前のシートノック中に平井徹選手が左足をひねってしまい救急車で搬送されたのです。治療を受けて戻ってきた時は松葉づえ姿。でも骨に異常はなく靭帯が伸びているとのことで、7月1日の西近畿予選ではもう松葉づえもギプスも取れ、少しかばいながらも歩いていたので安心しました。とにかく、2015年は本大会でMVPを獲得して優勝に貢献した平井選手を、ことし再びメットライフドームへ連れていくために勝とう!と一丸になった勝利でしょう。

和歌山箕島球友会-NSBベースボールクラブ

箕島 530 102 44 = 19

NSB 030 110 60 = 11 ※8回コールド

◆バッテリー

【箕島】寺岡(6回1/3)‐松尾(1回2/3) / 水田

【NSB】西原(1回0/3)-横田(4回0/3)-石原(1回1/3)-中村翔(1/3回)-浦東亮(1回1/3) / 田村-畑

◆本塁打 箕島:夏見、岸 NSB:山本2、浦東淳

◆三塁打 箕島:林

◆二塁打 箕島:岸、水田、林 NSB:大川

<試合経過>

2回は夏見選手のソロが出て、ベンチも大盛り上がり。
2回は夏見選手のソロが出て、ベンチも大盛り上がり。
岸選手も3ラン!打った瞬間に確信、このポーズでした。
岸選手も3ラン!打った瞬間に確信、このポーズでした。
試合終了の瞬間。中央の水田捕手も3安打4打点!おまけに2試合ともフル出場です。
試合終了の瞬間。中央の水田捕手も3安打4打点!おまけに2試合ともフル出場です。

まず箕島は1回、相手エラーで1点を取ると岸の二塁打、林の三塁打、穴田の中前打と、クリーンアップのタイムリー!さらに8番・西口のタイムリー二塁打で計5点を先取しました。2回にも夏見のソロと岸の2ランで計3点。NSBの西原を降板させます。しかしその裏、寺岡は山本の3ランを浴びて8対3。4回に水田のタイムリー二塁打で9点目が入りましたが、その裏と5回裏に犠飛2本を許して9対5となります。

それでも箕島は手を緩めず、6回に3連打(林がタイムリー二塁打)で1点、水田の犠飛でもう1点。7回には2死満塁から穴田と水田が連続で押し出し四球を選び、富樫と西口の連続タイムリー!打者一巡で4点を追加して15対5。その裏を抑えればコールド勝ち!のはずが1死から山本に2本目のホームラン、さらに連打されて浦東淳の3ラン、ここで寺岡が降りました。代わった松尾は2死を取ったものの4連打でもう2点を失い、この回6失点で15対11というスコアに…。

4点差と迫られながらも逆転の不安は感じなかったのですが、いかんせん選手たちの疲労はピークで、足がつりかけたり、ゴロに反応できなかったり。1分でも早く終わらせたかったのでしょう。箕島は8回に6連打で試合を決めました。2死一、二塁で穴田が内野安打、さらにサードの送球エラーで1点入って一、三塁。そのあと水田のタイムリー、西口のタイムリー内野安打、木村のタイムリーで計4点!その裏を松尾が0点に抑えて試合終了です。

両軍合わせて45安打で30得点…

西川忠宏監督は「寺岡が投げて(打線が)8点も取ったら、もう決まりやと思うじゃないですか。それがこんなことになるとはねえ」と、疲労困憊の表情でした。15対5となった7回は「その裏を抑えて7回で終わると思ったのに。松尾の準備ができていなかったけど寺岡を代えました。ちょっと感情的になってしまって」と苦笑いです。

先発の寺岡投手。本大会でまた頼みます!
先発の寺岡投手。本大会でまた頼みます!
肩を作ったり、止めたり、大変だったであろう松尾投手。
肩を作ったり、止めたり、大変だったであろう松尾投手。

「去年は自信があって負けた。2チームが本大会に行けたし。でも、ことしは打つ方に自信がなかったんですよ。調子よくなかった。全国は危ないなと思っていました。ピッチャー(の状態)は戻ってきていたので、決勝も“3点取れ”と言っていたくらい」。それが1回に5点、2回に3点の猛攻!ただしピッチャーもかなり取られましたけど。「穴田もよく打ってくれたし、岸のどでかいホームラン!飛距離135メートルくらいあったんじゃないですか?」

決勝は2回を終わった時点で早くも、1番から8番までがヒットを放つという大当たりの打線。でも9番の森下選手だけが結局ノーヒットです。「7回の2打席目が気のない三振だったから代えました」と西川監督。悔しかったでしょうね。代わった木村選手も打ったので余計に。「その森下と穴田が調子よくなかったんで、ここ3日間ずっと特打ちをやらせたんですよ」とのこと。穴田選手はその成果が出て何より。森下選手は9月の本大会でリベンジしてください。あ、穴田選手も「西近畿予選はよかったのになあ」と言われないように頑張りましょう!

次は本大会での活躍に期待!

穴田選手のコメントは最後に。その前に和歌山箕島球友会の選手たちの話をご紹介します。

まず岸翔太選手。「自分としては調子よかったですね。この前の1次予選の大阪HD戦(準決勝)があんまりよくなくて、でも2試合目のNSB戦(決勝)はホームランを打ってよくなった。1本出たら乗っていけるタイプなので。きょうも1試合目でフェン直の二塁打が出たから」と、次の決勝はタイムリー二塁打と2ランを含む3打数3安打3打点、しかも3四球を選んで6打席すべて出塁しています。

2回に2ランを放った岸選手。この試合は3打数3安打3打点でした!
2回に2ランを放った岸選手。この試合は3打数3安打3打点でした!

「1打席目はラッキーヒットですけどね。ホームランは気持ちよかった~!打った瞬間にもう。見ました?最後は片手ですよ」。ちょっとドヤ顔で「このグラウンドの呪縛から解放されましたね」と岸選手。はい、もう大丈夫でしょう。

寺岡大輝投手は「アカンですね…。勝てたのは野手のおかげです。本戦では迷惑かけないように頑張ります」と肩を落としました。でも1次予選を含め3試合の先発で、その力は大きいですよ。また本大会でMVPを獲っちゃってください!

リリーフした松尾大輝投手は何度も準備をしていたものの、さすがに15対5になったのでもうないだろうと思ったところでのリリーフ。でもそれは関係ないと言います。7回裏を振り返って「追いつかれるとは思っていなかったけど、流れは完全にあっちだったので」と。でも8回はしっかり抑えました。本大会も期待していますよ。「変化球をストライク入れるのが課題ですね。ちょっと難しく考えすぎているのかもしれませんけど」

恥ずかしいというので穴田選手と2人で。HRボールを手に笑顔の夏見選手(左)。
恥ずかしいというので穴田選手と2人で。HRボールを手に笑顔の夏見選手(左)。

穴田選手から「ほら、夏見。ホームラン打った夏見!」と紹介された夏見宏季選手。ルーキーながら、ずっと1番を打っていて、1次予選では三塁打、二塁打、この2次予選も決勝でホームランを含む3安打を放っています。ただし1試合目は5打数0安打。その分、気合も入っていたようです。「前にNSBとやった時、西原さんを打てなかったんで、きょうは絶対に打ってやろうと思っていました!」。先頭でヒットを放ち、盗塁やエラーで先制得点。2打席目にホームランで西原投手を降ろしたわけで、功績は大きいですね。

ちなみに写真のホームランボールは「親にあげます」とニッコリ。メットライフドームでも放り込んでもらいましょう!

「メンタルを鍛えられました」

お待たせしました。穴田真規選手です。試合後、ヘトヘトのドロドロ状態ながら「めっちゃ嬉しい!」と何度も繰り返しました。1年目に本大会出場を決めた時とどっちが?と聞いたら「それより、ずっと嬉しいです!」とのこと。今回は活躍したから余計に、でしょうね。

「1試合目の3安打も嬉しいけど。あ、原井コーチに褒められたんですよ。打球の方向もよかったって」。確かに、右前打、左翼線二塁打、中前打と打ち分けています。

1回から5得点の打線!写真の穴田選手は4点目の中前タイムリー。
1回から5得点の打線!写真の穴田選手は4点目の中前タイムリー。
一塁でこんなポーズを。(その直後に牽制で刺されますが…)
一塁でこんなポーズを。(その直後に牽制で刺されますが…)

応援にしてくださった方々から、おめでとうと声をかけられ「スタンドの声、ちゃんと聞こえていましたよ。“真規がんばれ!”っていうのも。めっちゃ嬉しかった」と笑顔を返す穴田選手ですが、みんなに突っ込まれるのは8回裏に三塁線を抜かれた守備。苦笑いしつつ「足が動かんかった…」と言います。そうそう、決勝の1回にタイムリーを放った直後に牽制で刺されていたのは…。「あれはね、牽制がメッチャうまかったし、足も絡まったから」。そんな堂々と述べられても(笑)。

予想外の晴天と暑さに加え、両チームとも2試合目だったこと、さらに打ち合いでの疲れもあったでしょうね。4時間を越えたかと感じたけど、3時間22分だったのは意外なほどです。穴田選手は「一瞬たりとも油断できなかったから。点を取ったら、向こうも取ってくる。引き離してもまた追いかけてくる」と、思い出すのも苦しそう。しんどかったよねえ。見ている方もクタクタだったから。「メンタル、鍛えられました」

それが全国大会できっと生きるはず。では最後に、穴田選手にとって2年ぶり3度目の出場となるクラブ選手権本大会に向けてひとこと。「目標はもちろん優勝!それで京セラ(社会人日本選手権)へ行く」。個人的には?「MVP!」。おっと、安打数かと思ったら大きく出ましたねえ。もし公約を果たしたら、お祝いを贈らせていただきますので。

大きな声でチームを盛り上げたMVP

ドロドロでヘトヘトを強調中(笑)。最近は大和選手にもらったリストバンドです。
ドロドロでヘトヘトを強調中(笑)。最近は大和選手にもらったリストバンドです。

]]

その前に、今回のクラブ選手権予選で穴田選手がチームのMVPに選ばれたそうですよ。「MVPもらったで!」というメッセージが来ました。監督から賞金も出たとか。いっぱいジュース買えるますね。1次予選3試合が8打数3安打2打点で打率.375、2次予選2試合は8打数5安打4打点で打率.625、5試合の合計は16打数8安打6打点で打率.500という内容。本塁打1、二塁打2、盗塁2、失策1です。大会前までと違う点は、この5試合で三振が1つしかなく、四球は6つあったことでしょうか。

この4シーズンで一番いい状態で本大会へ行けるかも、と言ったら「任しといて!」という返事でした。

では最後の最後に、原井和也コーチの話をお伝えします。穴田選手が、褒めてもらったとか。「きょうは1試合目の第2打席(先制タイムリー)から、ボールの待ち方がよくなったのがわかりましたね。いつも、緩い球にも飛びつこうとして、タイミングもへったくれもないので(笑)。でも2打席目からはポイントが中まで入ってきていたので、うんうんってね」と笑顔が見えます。

そして「大会前はキレが悪かった。だけど期待はしていましたよ。それに頑張って声を出して盛り上げてくれていたので。ミスしようが何しようが、そこは褒められるところ。ミスして声出すのは難しいけど、アイツは出してる」と、嬉しい言葉でした。

本大会でMVPを獲ると宣言していますけど。「MVP?それは無理かなあ。どこかできっと守備のミスをするから、打ってもチャラになるはず(笑)」。それから「あ~よかった。これでゆっくり寝られます」と原井コーチ。その安眠に少しでも穴田選手が貢献できていたら、私も嬉しく思います。

少しリラックスしたバージョンの集合写真です。19対11のスコアボードも記念に。
少しリラックスしたバージョンの集合写真です。19対11のスコアボードも記念に。

ちなみに穴田選手、6月18日からの1次予選が始まる前に「おしりの“できもの”を手術して取った」らしく、復帰してすぐだったので心配していたんですよ。すると初戦からスタメンで、結果は本人いわく「ホームラン、四球、四球、ヒットやで!」としっかり貢献。9月の本大会前にも“できもの”が出来たらいいのに。って冗談です。実力ですよね。

1次予選の時に「今はこれ使ってます」と穴田選手が見せてくれたのは、阪神・大和選手のリストバンド。それ以外にも色々あるみたいで「大和さんが『使って』って送ってきてくれた」とニコニコしていました。嬉しいですね。みんな気にかけてくれて。活躍することが何よりの恩返しでしょう。大和選手のものを身につけてエラーするわけにはいきませんよ~!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事