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ルーキー福永春吾投手 7回3安打無失点で“プロ初勝利”!《3/26 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
7回を0点に抑え、プロ初勝利を挙げた福永春吾投手(22)。試合後の1枚です。

24日から鳴尾浜で行われていたウエスタン・阪神‐中日戦は、まず24日の初戦が10対8で阪神の逆転勝ち。阪神12安打、中日11安打と打ち合っています。2戦目も10対6で阪神の逆転勝ち、阪神16安打で中日10安打でした。試合時間を見ても3時間53分、3時間45分と相当な長さ。きのう26日の3戦目は天気が下り坂との予報だったので、長引くのは辛いなあと思っていたのですが…

予想外にと言っては失礼でしょうね。先発したドラフト6位ルーキー・福永春吾投手(22)がスイスイ!打線も初回に先取点を挙げて、中盤から雨が降り出したものの非常にスムーズな展開でした。阪神6安打、中日4安打と前日までとは全然違います。

福永投手は開幕カードのソフトバンク3戦目についで、公式戦2度目の先発。これまで練習試合や教育リーグでの最長イニングは4回。それを一気に伸ばす7回まで投げ、わずか3安打で無失点!しかも1回、3回、4回、7回が三者凡退でした。そのあと島本投手、柳瀬投手が走者を出しながらも抑え、チームとしても今季初完封です。

この日は早く終わりました。前の2試合だと7回くらいの時刻です。
この日は早く終わりました。前の2試合だと7回くらいの時刻です。

これで中日に3連勝、9試合終わって5勝4敗の成績です。しかし中日が開幕に3連勝した広島に、そのあと阪神は3連敗だったんですよね。今回は中日に阪神が3連勝してしまいました。まあ先発投手の巡りもあるのでしょうけど、わからないものですねえ。

そういえば今季初めて先発投手に白星がついたわけです。山本投手以外に!

《ウエスタン公式戦》3月26日

阪神-中日 3回戦 (鳴尾浜)

中日 000 000 000 = 0

阪神 200 010 00X = 3

◆バッテリー

【阪神】○福永(1勝)‐島本‐S柳瀬(2S) / 小豆畑

【中日】●八木(1勝1敗)(5回)-小川(2/3回)-福谷(1/3)‐佐藤(2回) / 松井雅

◆二塁打 伊藤隼、緒方

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗/失) 打率

1]遊:植田  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .310

2]左:緒方  (3-1-1 / 0-1 / 0 / 0) .273

3]二:板山  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

4]三:陽川  (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .278

5]中:伊藤隼 (4-2-2 / 2-0 / 0 / 0) .313

6]一:今成  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .217

7]指:大山  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .308

8]捕:小豆畑 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .111

9]右:森越  (3-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .375

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

福永 7回 86球 (3-5-2 / 0-0 / 1.64)

島本 1回 20球 (0-1-1 / 0-0 / 2.45)

柳瀬 1回 26球 (1-1-2 / 0-0 / 2.45)

※スピードガンの調子が良くないとのこと。よって最速は省略させていただきました。現在、調整中のようです。

試合経過

福永が三者凡退で立ち上がった、その1回の裏に打線が援護。1死から緒方が四球を選んで、板山は左前打、陽川の二ゴロをセカンドが捕って二塁封殺を狙うも板山はセーフ(セカンド・岩崎の野戦)。1死満塁となり、続く伊藤隼が初球を打って中前タイムリー!2人を還しました。

7回に投げた島本投手は1三振1四球で無失点。
7回に投げた島本投手は1三振1四球で無失点。
柳瀬投手は2死満塁から代打・野本選手を空振り三振!
柳瀬投手は2死満塁から代打・野本選手を空振り三振!

2回と3回は三者凡退、4回は先頭の伊藤隼が右中間フェンス直撃の二塁打を放つも、後続を断たれて追加点はありません。しかし5回、森越の左前打と植田の犠打で1死二塁として、緒方が右翼線へタイムリー二塁打!これで3対0です。でも6回、7回は三者凡退、8回は2死から陽川に右前打が出たものの0点で攻撃を終えています。

福永は1回が三者凡退、2回は先頭の阿部に四球を与えながら、次の高橋は一直で併殺!もう1つ四球を出しましたが、三振を奪って0点。3回と4回は10球ずつで三者凡退に切って取ります。プロ初体験の5回は、先頭の高橋の打球がセカンド内野安打となるも1死後に併殺、3人で片づけ笑顔でベンチへ。

5回までで56球、しかもまだ二塁も踏ませていない福永。続投した6回もポンポンと2死を取ります。ところが1番・友永と2番・岩崎に初の連打を許し、二塁に走者を置きました。

試合終了。ライトの森越選手、お疲れ様でした。
試合終了。ライトの森越選手、お疲れ様でした。

ここで小豆畑がマウンドへ行って間を取り、次の井領は見逃し三振!そして福永は7回も投げ、8球で三者凡退。最後の古本は真っすぐで見逃し三振を奪っています。

8回は島本が、1死後に四球を与えるも無失点。9回の柳瀬は先頭の岩崎にショート内野安打。そのあと簡単に2死を取りながら、高橋はストレートの四球、古本にはフルカウントからの四球で満塁になりましたが、代打・野本はカウント2‐2からの空振り三振!完封リレーで試合終了。

中6日で取り組んだことの成果

試合後のコメントは、すべて福永投手関連です。まず本人の話をご紹介しましょう。

序盤から球が動いていたように見えたけど?「きょうは動かしていました。シュートとか」。意図的に?「はい、意図的にです」。相手は面食らったんじゃないですか?それほど多くの情報もなかっただろうし。「そうですね。シュートは全然合っていなかったと思います」。これはいける、と早い段階で感じた?「3回が終わったあたりに、ですね」。その3回に続き、4回も三者凡退。すべて内野ゴロでした。

しっかりと腕を振って投げていた福永投手。
しっかりと腕を振って投げていた福永投手。

このあとプロ初のイニングへ入ります。「はい。これまでは4回までだったので。5回が終わったときに、6回までかな?と思ったら、6回もでした」と少し微笑みました。5回、先頭の5番・高橋選手に初ヒットとなる内野安打を許して心境の変化は「特になかった」と言います。「そこから下位に進んでいくし、7番も合っていないなと思っていたので」。次の古本選手は初球を打たせて右飛、7番・赤坂選手は一ゴロ併殺打。

6回は初めてランナーを二塁へ置き、唯一のヤマ場を迎えたバッテリー。「2死一、二塁で小豆畑さんがマウンドに来てくれて『ここまでゼロに抑えているし、ワンヒットOKみたいな気持ちで投げて来いよ』と言ってもらった」とか。それもあり、続く井領選手への初球は108キロのカーブでストライク!最後はインローの真っすぐで見逃し三振です。

また後半、左打者への内角直球が決まっていた点を聞かれ「きょうはすごくコースに対して体のラインが出ていたので、そこに投げやすかったです。前は、若干インステップしていたので、右の外へ投げるのに抜けたりして苦しい投げ方になっていたけど、筑後(ソフトバンク戦)が終わってから、ビデオで自分のフォームを見てチェックしました。1週間やった成果が出てきたと思います」と答えていました。

15分遅らせたブルペン入り

1戦目、2戦目とかなり打っていた中日打線に対して「2試合、後ろ(ネット裏)からしっかり見て、ある程度のイメージを持ちながらマウンドに上がったので」心配はしなかったという福永投手。それと、立ち上がりが前よりよくなったのは「ゲーム前からの流れを大きく変えたんです。ブルペンの入り方とか」とのこと。

鳴尾浜では教育リーグに次いで2度目の登板。先発は初めてです。
鳴尾浜では教育リーグに次いで2度目の登板。先発は初めてです。

ゲームに入る際のルーティンみたいなものを変えてみたようです。「前は試合開始30分前にブルペンへ入って(ピッチングをして)いたけど、きょうは15分前にしました。高橋建コーチに、変えてみるのも1つの手かも、と言われて」。早めるのは問題なさそうですけど、遅らせるのは不安じゃないですか?「そうですね。時間がないかも…と少し思ったりしたけど、でも肩は早くできるほうなので」

ここで話を終えたのですが、初勝利の感想を聞いていないことに気づき、もう一度出てきたときに質問。ファームではあるけど“プロ初勝利”ということで、どんな気持ちですか?「特に…」。あ、やっぱり。とはいえ宮脇ファームディレクターから記念のボールはもらったそうですよ。どうしますか?「特に(笑)。とりあえず置いときます」。やっぱり。

「今は、次の登板に向けて1つ1つやっていくだけ。切り替えて、また頑張ります」。ここは単なる通過点。目指すのは1軍のマウンドであり、そこでの1勝です。

掛布監督と小豆畑捕手は…

掛布監督は福永投手について、まず「腕の振りがよかったね。球がちょっと動いていたんじゃないかな。きょうも立ち上がりは不安だったけど、中盤からよくなっていた。腕の振り、素晴らしかったんじゃないの?」という言葉。続けて「打たれてから、だよね。それで同じような腕の振りができるか。コントロールがアバウトな部分もあるし、置きにいく場合がある。打たれてからじゃないかな。きょうはナイスピッチングでしょ!」とのことでした。

試合後の整列。3打点は伊藤隼選手(中央)と緒方選手(左)でした。
試合後の整列。3打点は伊藤隼選手(中央)と緒方選手(左)でした。

締めは小豆畑選手にお願いします。「前の2試合を見ていて、(登板した投手の)変化球がボール、ボールになって真っすぐを打たれるパターンだった。だからシュートやスライダーでストライクを取れば、ボールになる変化球も振らせることができると思いました。もちろん福永が腕を振って投げてくれたからですね」

開幕カードと同じで、今回の中日戦も1戦目が長坂選手、2戦目は長坂選手で途中から小豆畑選手、3戦目が小豆畑選手というキャッチャー起用でした。前の2試合が乱打戦で「この2試合は重かった…」と息を吐く小豆畑選手です。でもピンチでのひとことがルーキーを救って、しかも7回まで投げて初勝利!と言ってみたものの「いやいや、ピッチャー次第ですよ」と予想通りの答え。

掛布監督に出迎えられる小豆畑選手。
掛布監督に出迎えられる小豆畑選手。

あのあと投げたカーブ、見事に決まりましたね。「最初はカーブがよくなくて、でもシュート、チェンジアップ、スライダーだけでも十分いけた。だから、あれは“忘れかけた時のカーブ”ってことで」。なるほど~カーブがあることを忘れかけた頃に投げたから、より効果的だったと?それにしても、“忘れかけた時の…”って、歌のタイトルみたい(笑)

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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