阪神・俊介選手と原口選手の自主トレ『チーム伊賀』 ことしは2人そろって沖縄へ!

阪神の俊介選手(右)と原口選手。2人では2年目となった伊賀自主トレです。

1月12日から23日まで、三重県伊賀市で自主トレを行っていた阪神の俊介選手(29)と原口文仁選手(24)。その最終日、球団から発表された沖縄キャンプメンバーに2人の名前がありました。打撃練習で快音を響かせていた俊介選手は3年振り、肩の強化が奏功した様子の原口選手は初めての沖縄スタートです。

伊賀にお邪魔した最終クールには、うまい具合に屋外でのフリーバッティングもありました。この日はちょうど、俊介選手と原口選手がアドバイザーを務めるレッドスターベースボールクラブの練習も行われていて、フリー打撃では外野3か所の守備とキャッチャーを中学生たちがやったのです。2人から「うまい!」「惜しい!」と声をかけられ、嬉しそうでしたね。

そんな伊賀自主トレの話、2人のコメントなどをご紹介しますが、その前にこちらからどうぞ。

新作グッズに「嬉しいのひとこと」

24日の新作グッズ内覧会に出席した原口選手。
24日の新作グッズ内覧会に出席した原口選手。
文字が迷彩柄のTシャツ。本人も気に入ったようです。
文字が迷彩柄のTシャツ。本人も気に入ったようです。
販促部長のトラッキーと2ショット。
販促部長のトラッキーと2ショット。

きのう24日、甲子園球場で『阪神タイガース新作グッズ内覧会2017』及び『トラッキー、グッズ販促部長就任会見』が行われ、原口文仁選手が出席しました。最初に案内を見た時、トラッキーとグッズの間に「、」もスペースもなかったもので、てっきり原口選手が“トラッキーグッズ”の販促部長に就任すると思ったんですよね。「原口部長!」なんて見出しを考えたりして…。大いなる勘違いでした。トラッキーが新商品の紹介をして、そのあとにゲストで登場しています。

なぜ原口選手が出席したのか?去年の今ごろは「もちろん(1つも)なかったですね」という自身のグッズがシーズン中にどんどん出来て、球団広報いわく「ここ1年でグッズカタログの掲載数が一番増えた人」だからだそうです。現に今季は21アイテム60種類以上(色違いなど)も登場!これだけ増えたグッズを見て「本当に嬉しいのひとこと。こういうグッズが出ることも目標のひとつになるので、嬉しいことですね」と改めて喜びをかみしめていました。

ことしのカレンダーにも6月の掲載になり、春にはオリジナル弁当も発売予定、きっと応援歌もできるんでしょう。こういうイベントに出席したりする機会が増えて、いろいろ大変かなと思ったら「とても嬉しいです!このために頑張ってきたんだから」と言います。プロ野球選手になった限りは、その立場で役に立てることがあるということですね。小さい頃、憧れの巨人・阿部選手に握手してもらって、原口選手の夢が形を成したように。

“吉兆”の伊賀自主トレ

では伊賀自主トレの話をご紹介しましょう。昨年は一足先に引き揚げた原口選手ですが、ことしは完走。休みを除き、10日間の自主トレを23日に打ち上げています。ここで、これまでの経緯をご覧ください。

2011年のシーズン終了後にあった1、2軍合同の健康診断で、ちょうどその場に居合わせた城島選手と原口選手と権田トレーナー。そこで権田トレーナーが「この子はすごく頑張っているんや」と原口選手を城島選手に紹介し、それを受けて城島選手から「来るか?」と声をかけてもらったのが、2012年1月の長崎県佐世保市での合同自主トレです。他チームの選手や女子ゴルファーなどの中に、原口選手は俊介選手と参加しました。

ことしの伊賀自主トレTシャツ。白と黒の2種類あります。
ことしの伊賀自主トレTシャツ。白と黒の2種類あります。
俊介選手のベンチに並んで、ことし登場した原口選手のベンチ。色が…
俊介選手のベンチに並んで、ことし登場した原口選手のベンチ。色が…

翌年以降は腰痛などもあり、年明けはキャンプインまで鳴尾浜でのトレーニングだった原口選手。でも昨年は俊介選手の自主トレに誘われ、初めて伊賀にやってきました。それは俊介選手が、城島さんから「原口はどうしてる?声かけてやれば?」と言われ、すぐに呼んでくれたのがきっかけです。そのあたりの経緯や、昨年の自主トレの様子はこちらでどうぞ →<阪神タイガース・俊介選手と原口選手の伊賀自主トレ>

リハビリの必要がなく、体調万全で迎える新年が原口選手にとって2012年以来ということも含めて「来てよかった!」と笑顔をはじけさせた昨年の伊賀自主トレ。もしかすると、これがシンデレラストーリーの序章だったのかも。俊介選手に誘ってもらったおかげですね、と言ったら「いやいや、それはグッチ本人が頑張ったからだけど、嬉しいですね。僕も」と俊介選手は顔をクシャッとして笑っていましたっけ。

屋外フリー打撃を実施

俊介選手は5年目、原口選手は2年目の伊賀自主トレで、2人を全面的にサポートしてくださるのが、関西医療大学講師の“牛島詳力さん”です。愛称は「ウッシ―さん」。レッドスターベースボールクラブのトレーニング&コンディショニングコーチも務めておられます。阪神タイガースと接点もあり、密に連絡を取りながら進めているとのことでした。

室内でノック中。
室内でノック中。
画像

ことし伊賀へお邪魔した際は室内での練習も見せていただき、我々が着いた時に原口選手はもう室内練習場でのストレッチが終わる頃でした。そして10時からウォーミングアップ、終わると外に出てキャッチボール、原口選手のスローイング(これについては、のちほど詳しく書きます)と続きます。

今度は室内に戻っての守備練習。牛島さんがノッカーで、野球経験者じゃないため空振りもあるのですが、それでも容赦なくペナルティーを課す厳しさです。もちろん選手も捕球、送球ミスは罰則あり。といっても、かなり楽しそうでしたけど(笑)。こんな時間も必要ですね。バッティングの前に、原口選手はマシン相手のキャッチング練習もしました。

いったん着替えのための小休止となった時に「きょうは外でバッティングをする」という情報が!今回の自主トレではもちろん初めてで、天候と2人のコンディションがうまく合致したから、またレッドスターベースボールクラブの選手たちが守ってくれるのもあったようです。屋外フリー打撃なんてキャンプ初日まで見られないと思っていたので、いい時に来たなあ~とニンマリ。

初の屋外フリー打撃、俊介選手。
初の屋外フリー打撃、俊介選手。
原口選手もことし初のフリー打撃。
原口選手もことし初のフリー打撃。

先に室内でティーバッティングを済ませ、それから外へ出ました。約5スイングずつくらいを交互に、全部で約240球を打っています。ボール球もあるので、だいたい1人90~100スイングというところでしょうか。この日に外でバッティングすると決定したのは、2人とも仕上がりが早かったからと牛島さん。特に俊介選手は鋭い打球も多く、レフトへ7本の柵越えを披露するなど快音を響かせていました。周囲の方々も「俊介は好調ですね。今までで一番かも!」と大絶賛です。

最後は両翼のポールからポールまでを往復10本、タイム制限つきでランニング。2人とも20本すべてタイムをクリアしていたようですよ。「終盤になっても落ちない。優秀です」と牛島さんの言葉。強い風に時おり雪が混じる寒さながら、選手たちは汗だくでした。これでグラウンドでのメニューは終了。我々は引き揚げ、『チーム伊賀』の一行は昼食をとったあと近くのスポーツクラブへ移動。ウエートとプールトレーニングをしています。

目からウロコ・第2弾?

昨年、原口選手は「今までやっていなかったトレーニング。すごくいい感覚!」と言っていましたが、ことしもまた“目からウロコ”のアイテムが登場したみたいです。

左手にチューブを持ってのスローイング。
左手にチューブを持ってのスローイング。
俊介選手(左)に向かって投げる原口選手。
俊介選手(左)に向かって投げる原口選手。
ティーのボールを取ってスロー。左が牛島さん。
ティーのボールを取ってスロー。左が牛島さん。

牛島さんいわく「去年はスローイングで肩や腕の力を抜くため、右足でジャンプしながら投げたりしました。それをやってキャンプからキャッチャーができたんですけど、ことしも同じことをやっていてはダメ」だとか。ただ「去年の夏以降に、肩が…というような記事を読んで心配していたけど、今見ている限りでは大丈夫そうですね」と笑顔でした。

ことしのメニューは、まず左手にチューブを持ったまま右手でスローイング。「原口さんの場合は真面目なので、どうしても力みが出てしまう。形を意識しすぎると力が入る。だから、できるだけリラックスした状態で投げられるように、ということでやっています」と牛島さん。続いてそのあとはティーの上にボールを置き、それを取って俊介選手めがけて放る練習をしていました。締めは約75メートル(前日より5メートルほど伸びた距離)でスローイングをして終了です。

原口選手も「去年と同じように感覚がいいですね。こっちに来てから一気に状態が上がってきました。いいなって感じ」と満足げな表情を見せています。チューブを使っての送球などをしているものの「リハビリはもう終っています。スローイングにつなげていく段階。痛みは全然ありません」と。順調と言っていいでしょうね。

俊介選手 自覚と危機感

では2人のコメント。バッティング好調の俊介選手は「今はコースなりにしっかり打とうという感じで、左に飛んでいっていますが、これから右方向へ飛ばすようなイメージで打っていきたいと思います」と話していました。今回はこの日が初の屋外フリーですが、去年も同じくらいに打っています。ことしの手応えは?「今のところ順調です。自分の思っている以上に動けているし、スイングも上がってきている。いいと思います」

去年は1軍の出場試合数が少なかったので、ヒットも多くなかった。そういった意味で危機感も?「ことしダメだったらクビっていうくらいの覚悟を持ってやるだけ。肝に銘じてやっていきたいです」。走ること、投げることだけでなく、打つことが勝負と考えているかと聞かれ「それはそうですね。でも僕は、小技も絶対に決めないといけない立場なので、そこでミスしているとチャンスが逃げていく。しっかりやっていきたい」と答えました。

仕上がり具合も上々で自主トレを打ち上げた俊介選手。
仕上がり具合も上々で自主トレを打ち上げた俊介選手。

糸井選手が加入して、外野のポジションを1つ確保するとなると…。「チャンスは少ないと思いますけど、チャンスが来たときにしっかりやれるように」。周囲の方々が、ことしは仕上がりが早いといっていました。それは意識的に早くした?「去年より早かったですね。休みを少なく、年末は30日まで、年明けもすぐトレーニングをしていたので、そういうのが出ているのかなと思います」

そしてもうひとこと。「自覚もあるし、危機感もあるんで」と締めくくりました。覚悟を口にして臨む俊介選手の2017年シーズン、3年ぶりとなる沖縄キャンプからエンジン全開です!

「捕手は最高のポジション」

次に原口選手の話をご紹介します。まず現地・伊賀で聞いたキャッチャーにこだわる理由。「去年、自分からキャッチャーをやりたいと言って戻してもらい、1軍でも使ってもらったので」。去年の伊賀自主トレでも、そのためのメニューを組んだと牛島さんが言っていました。他には?「何も気にせず、思いきりできるポジションだから、ですかね」

左はレッドスターBCのキャッチャー3人。真剣なまなざしです。
左はレッドスターBCのキャッチャー3人。真剣なまなざしです。

今までずっとやってきたということでしょう。それに一番リズムをつかみやすいみたいで、確かに捕手で出た試合の方が打率はいい。「ファーストだと、打たなきゃいけないって余計に力が入るんですよ」。なるほど。ファーストが空いているけど、でもキャッチャー?「キャッチャーをやって打ちたい。それが一番。守と攻を切り離してやらないといけないポジションで、そこにやりがいがあります。打てなくても勝ちに貢献できる割合も大きいし、打てたら最高だし」

キャッチャーの部分でも評価されたい?「そうですね。アピールするだけですね」。右肩の状態は?2月1日から見せないといけませんが。「その予定でこっちでやっているので、入っていける状態にしたい」。2月のキャンプ期間中はキャッチャーで競わせると金本監督が言っていました。「シートノックからしっかりアピールして、実戦でいきなりいけるように準備します」

そこまで原口選手をつかんで離さないキャッチャーの魅力は何だろう。しつこく聞いてみました。すると…

「キャッチャーって、最高のポジションだと思いませんか?だって、やったらやっただけ返ってくるんですよ。最高でしょう?」

瞳に星がキラキラ、そんな顔が浮かんできそうですね。

グラウンド練習の締めはランニングでした。
グラウンド練習の締めはランニングでした。

ところで、キャンプにファーストミットは持っていく?キャッチャーミットだけ?「…それは一応、持っていきます」。やれと言われて持っていないなんてわけにはいきませんもんね。でも去年の安芸キャンプはキャッチャーミットだけだったと。「いや、球場には持っていかなかったってことで。宿舎の部屋に置いていました」。なるほど、キャンプ地には持参したわけです。

この日、初めての屋外フリーバッティングをしましたが「まだまだです。ちょっと…ショックでした」と苦笑い。そして「俊介さん、すごいですね!」と目を丸くします。でも最終日に明るい声が。「バッティングも、いろいろ考えていたことがクリアできた。よかったです。充実した自主トレでした!」

背泳ぎを習得、水泳にはまりそう?

午後は近くのスポーツクラブでマシンを使ったウエートや、プールでのトレーニングなどを行っていたようです。去年までの施設がなくなったため、ことし新たに探したスポーツクラブでは、ジムもプールもかなり自由に使わせていただいたとか。そこでまた目からウロコがあったと言います。

まず牛島さんのメニューでジムトレーニング。そのあと25メートルプールへ行き、最初はいろんな歩き方でウォーキング、最後にフリーで泳ぐというものでした。「クロールや平泳ぎをやって、うまくなってくると、これが楽しい!背泳ぎもできるようになりましたよ。今までできなかったのに」。へえ~背泳ぎはすごい。すぐできた?「牛島さんが他の人にワンポイントアドバイスしているのを見て、やってみたら突然できるようになったんです。楽しかった!」

実は牛島さん、もともと水泳選手で、今も関西医療大学の水泳部監督を務めている専門家です。とはいえ、横で見ていただけでできるってすごい。バッティングもしかり?

画像

そんなプールトレーニングも、ことしは俊介選手の提案で毎日やったそうです。原口選手は、帰ってきてからも「泳ぎたいなあ」と、よほど気に入った様子。24日に行われた新作グッズ内覧会で趣味を聞かれて「このたびの自主トレで、無心になって泳ぐことを知ったのでリラックス方法になるなと思った」と答えていました。宜野座にプールがあると聞き、ちらっと顔を輝かせたものの「体に余裕があったら行きたい。まあそれどころじゃないと思いますけど」と。たまにはいいかもしれません。

そのキャンプ、昨年は最終クールに合流した原口選手も沖縄スタートは初めて。意気込みは「とにかく初日から、しっかり気を引き締めてアピールするしかないので、元気よく頑張ります!」とのことでした。肩の強化に重点を置いてやってきた、この4ヶ月が最高の形となって表れますように。