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3連勝で今季最多の貯金3、首位・中日に2ゲーム差と接近中!《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
8日の中日戦で三塁打を放った植田海選手。久しぶりの遠征で打って走って守って躍動!

きょう10日、鳴尾浜で予定されていたウエスタン・オリックス戦は雨のため中止となりました。鳴尾浜での試合は4月27日の社会人・関メディ戦以来で、公式戦となると4月14日のソフトバンク戦以来、約1ヶ月ぶりだったのに残念です。テレビ中継も組まれていたし、ルーキーの望月投手が公式戦初先発という話題もあったわけで…。なんとも無情の雨ですね。

阪神ファームは先週後半、ナゴヤ球場でウエスタン・中日戦に臨みました。初戦の6日は7回終了時に降雨コールドゲームとなり、そのあとも降り続いた雨によって翌7日はグラウンドコンディション不良のため中止。そしてゴールデンウィーク最終日の8日、晴天のもと3922人のお客様が詰めかけた試合で阪神が連勝しています。

甲子園球場に、ファームの試合では異例の1万人を超える大観衆を連日集めて行われた広島3連戦が1勝2分け、続く中日戦は2つ勝って3連勝。ゴールデンウィークが始まる前は4位だった阪神ですが、そこから3位、2位と順位を上げてきました。最大6ゲームあった首位・中日との差も、8日の試合後には2ゲームまで縮まっています。9日現在の順位はこちら。

順位 試合 勝敗分 勝率 差

1 中 30 18-11-1 .621

2 神 35 18-15-2 .545 (2.0)

3 ソ 36 17-16-3 .515 (1.0)

4 広 34 13-15-5 .464 (1.5)

5 オ 35 12-20-2 .375 (3.0)

祝・61歳!掛布監督

掛布監督の顔が描かれたバースデーケーキ。味も最高です。監督、ごちそうさまでした!
掛布監督の顔が描かれたバースデーケーキ。味も最高です。監督、ごちそうさまでした!
こだわりをお持ちの生クリームも「これはいい、うまいよ!」と喜んで頂いて何より。
こだわりをお持ちの生クリームも「これはいい、うまいよ!」と喜んで頂いて何より。

さて、きのう9日に61歳のお誕生日を迎えた掛布雅之ファーム監督。報道陣からの大きなバースデーケーキを前に笑顔いっぱいでした。誕生日を迎えた感想は「若い選手と一緒にやっていて、年齢を意識したことはないですね。年を感じさせない雰囲気を作ってくれる。グラウンドが。そういうところでしょ?」とのこと。

61歳になっての抱負を尋ねたら「ないです。1軍がいい形で戦ってほしいという気持ちだけ。超変革でスタートして、その中でファンの皆さんは答えを求めてくる。一番ベストなのは優勝だと思いますが、若い子が育っていくことも答え。両方ってのは難しいけどねえ」と掛布監督。「こういう立場になって初めてのシーズンで、上の監督も初めてで。まず1軍が優勝することでしょう。上がすべて。“そのために”、ですよ」

1軍の優勝、若手の活躍が一番の喜びと語る、笑顔の掛布監督です。
1軍の優勝、若手の活躍が一番の喜びと語る、笑顔の掛布監督です。

一番嬉しいプレゼントは?と聞いてみると、こんな返事でした。

原口が支配下登録されて1軍に上がって、あれだけの結果を残してくれたこと。それが一番嬉しいですよ。ずっと見てきて、できるだろうと思いながら100番台だった。あまりにも早い形でしたけど、あれくらいやれる選手だと思います。それだけの準備はしていたから」

首位・中日に連勝!2ゲーム差に

では8日のウエスタン・中日戦の詳細もご紹介しましょう。前日まで4番を打っていた上本選手が1軍に昇格したため、横田選手が4番というオーダーで始まりました。先発は阪神が島本投手で、中日はドラフト1位ルーキー・小笠原投手。また中日は岩瀬投手や浅尾投手も登板し、多村選手が代打で出場、こちらも抑えで福原投手が投げるなど、なかなか豪華な試合でしたね。立ち上がりが不安定だった小笠原投手から初回に3点を取り、阪神が勝っています。

《ウエスタン公式戦》5月8日

中日-阪神 8回戦 (ナゴヤ)

阪神 300 000 010 = 4

中日 010 000 010 = 2

◆バッテリー

【阪神】○島本(3勝2敗)-秋山-筒井-S福原(1S) / 梅野

【中日】●小笠原(2敗)(4回2/3)-三ツ間(1/3回)-岩瀬(1回1/3)-山本(2/3回)-浅尾(1回)-祖父江(1回) / 加藤-赤田(7回~)-木下(9回表)

◆本塁打 福田2号ソロ(島本)

◆三塁打 植田

◆二塁打 森野、緒方、古本

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]左:緒方  (5-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .271

2]一:荒木  (5-2-0 / 0-0 / 1 / 0) .234

3]三:へイグ (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .417

〃走三:坂  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .193

4]中:横田  (2-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .167

5]右:中谷  (4-0-1 / 1-0 / 0 / 0) .194

6]捕:梅野  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .200

7]二:森越  (3-1-2 / 1-0 / 0 / 0) .182

8]指:鶴岡  (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .353

〃指打:西田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .219

9]遊:植田  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .115

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

島本  5回 85球 (4-2-2 / 1-1 / 4.46) 143

秋山 2.1回 45球 (3-6-0 / 0-0 / 3.47) 144

筒井 0.2回 23球 (1-2-2 / 1-1 / 4.26) 142

福原  1回 12球 (0-0-0 / 0-0 / 3.00) 143

試合経過

タイムリーの森越選手。「甘い球を狙っていた。積極的に振れてよかった」とコメント。
タイムリーの森越選手。「甘い球を狙っていた。積極的に振れてよかった」とコメント。
先発の島本投手は5回を投げ4安打、ホームランの1失点のみでした。
先発の島本投手は5回を投げ4安打、ホームランの1失点のみでした。

打線は1回、中日の先発・小笠原の立ち上がりを攻めます。1死から荒木が遊内野安打、ヘイグの投ゴロを小笠原が二塁へ送球するも荒木はセーフ、一塁のヘイグもセーフ(記録は野選)。横田が四球を選んで満塁となり、続く中谷の四球で押し出し。なおも満塁で2死後に森越が中前タイムリー!2人を還して初回に3点を先取しました。

一方の島本は三者凡退の立ち上がり。ところが2回、先頭の4番・福田にカウント3-0からライトへホームランを浴びます。そのあと2死を取って古本に中前打されるも問題なし。3回は再び三者凡退でした。4回は先頭・松井佑の左前打や2四球などで2死満塁とピンチを作りますが0点に抑え、5回は友永の右前打のみで無失点。

三塁打の植田選手に続いて、タイムリー二塁打を放った緒方選手。
三塁打の植田選手に続いて、タイムリー二塁打を放った緒方選手。
これで生還し、ベンチに迎えられる植田選手。掛布監督も歓待!
これで生還し、ベンチに迎えられる植田選手。掛布監督も歓待!

なお、立ち直った小笠原の前に2回から4回まではすべて三者凡退だった打線は5回、2死からヘイグの“左翼フェンス上部を直撃する単打”(当たりが良すぎ、跳ね返りも良すぎて…)、横田が四球を選び一、二塁としたところで投手交代。中谷は三ツ間に1球で一飛に打ち取られて追加点がありません。

6回は岩瀬の前に森越の四球のみでしたが、7回は荒木が内野安打、へイグの中前打で一、二塁。荒木の三盗と横田の四球で1死満塁と攻めたものの、ここで代わった山本に中谷と梅野が連続三振を喫します。しかし8回、中日5人目の浅尾に対して2死を取られてから植田が右翼線へ三塁打!続く緒方のタイムリー二塁打(強烈な打球をサードが弾き、緒方は二塁へ)で1点追加。4対1としました。

この日は中継ぎで投げた秋山投手。ピンチからの三振奪取は見事です!
この日は中継ぎで投げた秋山投手。ピンチからの三振奪取は見事です!
筒井投手は2死から四球と二塁打で1点を失ってしまいました。
筒井投手は2死から四球と二塁打で1点を失ってしまいました。
最後は福原投手が遊ゴロ3つでピシャリ!です。
最後は福原投手が遊ゴロ3つでピシャリ!です。

阪神2人目の秋山は6回、福田に中前打、森野に右越え二塁打を浴びて無死一、三塁といきなりピンチ。ここでスイッチが入ったのか、遠藤を空振り、古本と代打・赤田は空振りで3連続三振を奪い無失点。それだけで終わらず7回に入っても阿部、友永から空振り三振で、なんと5者連続です!そのあと石川に左前打を許すも後続を断ち、8回は先頭の福田から空振り三振を奪ったところで降板。

代わった筒井は森野を見逃し三振に切って取り2死としたのですが、遠藤に四球を与えたあと古本に右中間へタイムリー二塁打を許しました。ついで代打の田村に四球を与えて2死一、二塁としながらも最後の安部は空振り三振。1点返された直後の9回はヘイグが四球を選ぶも、中谷の一ゴロ併殺打など祖父江に3人で片づけられます。そして2点リードで迎えた9回は福原が登板、すべて遊ゴロで三者凡退!試合終了です。

「あとはスライダー」と島本

試合後のコメントです。5回を投げ、福田選手に許したソロによる1失点のみだった島本投手は「粘れました」という第一声。3-0から打たれたホームランは「カウント負けして…」というものの、高橋投手コーチにも言われたそうですが「あそこはフォアボールが一番ダメなところだったから、勝負した結果ああなった。カウント負けしてしまった。2球に1球はストライクを取っていかないと、いい打者を抑えられない」と反省していました。

4回は1安打2四球で満塁としたものの無失点。「粘れました」と島本投手。
4回は1安打2四球で満塁としたものの無失点。「粘れました」と島本投手。

「あとはチェンジアップ、カーブをうまく使って、この前(1日のオリックス戦)と同じく緩急をつけられたのでよかったです。でも真っすぐのキレと、スライダーをちょっと引っかけたりしたので、そこを次の登板までに修正したい。スライダー以外は、チェンジアップ2種類とか、右バッターの外へのシュートでツーシームのようにゴロを打たせたりできた。あとはスライダーですね。やっぱり」

スライダーは納得いかなかった?「空振りを取るとき縦に落ちるように。左バッターの時に、きょうはスライダーの曲がりが早かった。鶴岡さんにも言われたので、もっと真っすぐに近いスライダーをこの1週間で練習しようと思います。ヤクルトの石川さんのイメージでチェンジアップとか、緩いカーブを投げているんです。この前の試合から緩急が使えるようになってきました」

島本投手も昨シーズンに1軍を経験したことで、取り組む部分や意識がすごく変わったように感じますね。「去年と同じではいけない」ということを肝に銘じて今季を迎えました。入れ替えが頻繁に行われている現状にも「僕はまだですよ」と言いながら、やがて来る時のためにしっかりと力を蓄えています。

5連続三振の秋山、筒井は多村と…

前日の先発予定が流れた秋山投手は中継ぎ登板で「抑えられたのはよかったけど、入りですかね」と、連打されて無死二、三塁にしてしまったところを反省。でも「先発をずっとやってきたんで、強い球は投げられた。使ってもらえるようなものは出せたかなと思う」と話しています。

そこから7回にかけて5連続三振は圧巻でしたね。「1球1球、腕を振ったくらいです」。8回には1死を取って交代したものの「あそこは左バッターが続くところですし、ゲームの中では仕方ないでしょう」と割り切っていました。

背番号は3ケタになりましたが、22年目の多村選手はやっぱり雰囲気がありますね。
背番号は3ケタになりましたが、22年目の多村選手はやっぱり雰囲気がありますね。

あとを受けた筒井投手は、ほとんど真っすぐだった印象で、それを聞くと「そうですね。でも森野さんの見逃し三振はスライダーで、あとはチェンジアップも投げましたよ。多村さんのとこで」と言います。ストレートの四球を与えてしまった代打・多村選手ですが、これまで対戦はありますよね?「はい、何度も対戦しています。僕のプロ初三振が多村さんでした!」。おっと、それは忘れられないでしょう。

調べてみたところ、筒井投手の“初”に関する項目で『初奪三振』の欄に『2004年10月7日 対横浜27回戦(横浜) 1回 打者:多村 空三振』と書いてありました。それから12年が経とうとしているんですねえ。

『HRを打たれたら打ち返せ!』

掛布監督は横田選手のことを、7日の練習後にも「そんなに悪い感じではない。1軍のゲームで2番だったから、どうしてもゴロを打たなきゃいけないと、結果が欲しいという中でやってた。上体で、腕だけで。今は下から、下半身の強さでボールを打たせようと思っています。野球は足でやるものなんですよ。まず足。そういう感覚を横田の頭に叩き込めたら、1軍に行っても十分やれる」と話していました。そのあとも監督ならではの言葉が続きます。

試合前のティー打撃で横田選手(右)を指導する掛布監督。
試合前のティー打撃で横田選手(右)を指導する掛布監督。

「彼なりに、チームの役割を考えてよくやったと言ってあげないとね。これから横田の野球がスタートするんだと思いますよ。金本監督もそういう考えかと。1軍の経験は彼にとって絶対マイナスにはならない。1ヶ月ちょっとだけど、上でやった野球がすごくプラスになっていると思う。逆に怖さも知ったでしょう。きのうのミス(6日の捕球エラー)、ファームだからいいってわけじゃないけど、1軍だったら大変やで!それに関しては自分なりに反省しただろう」

なお「5番・中谷、6番・横田でいく」と話していた打順は、上本選手の昇格で変更になりました。「上本が抜けたんで、4番を誰にしようかと考えたところ、横田しかないなと。中谷も考えたけど、バランスや性格などいろいろ踏まえて」の結果です。ただ中日の4番・福田選手がホームランを打った点に触れ「福田が(カウント)3-0から、あんな素晴らしいホームランを打った。4番としては “打ち返す” なりして欲しかったかなあ」と残念そうでした。

「そういう4番になってほしい。お前が打ち返さないと。そういう野球を意識してほしい。金本監督もそんな横田を期待しているだろう」。3つの四球には「見る形があまりよくないんだよね。かかとに体重がかかってて。でもチームの流れを考えると1つのフォアボールは大きいですから」と選んだ結果は評価しています。

言われたことを考えながら打つ横田選手。パワフルな全力スイングは健在ですね。
言われたことを考えながら打つ横田選手。パワフルな全力スイングは健在ですね。

横田選手は3四球について「1軍では初球から打ってダメだったんで、そこは少しよかったと思います」、4番は「特に気にならないです」という答え。打順に関係なく、とにかく結果を出したいということでしょう。そろそろ横田選手のホームランも見たいですね。「はい、まあ出ると思うんで。大振りしないでいきます」。お、近いうちに出そう?と楽しみにしたくなる表情でしたよ。

3安打中、2本が左打席での三塁打

そして最後に掛布監督が「海!」と名前を挙げた、植田選手の三塁打。「あの浅尾からね。左で。あれだけの強い打球を打てたのは自信になる」と褒めました。今回はメンバーが足りなくて遠征に参加した植田選手ですが、今季は体力作りの意味で残留することが多くなっています。掛布監督いわく「彼は球団でキチッと(育成)する選手だから」というわけで、次からもまた基本的には鳴尾浜で鍛えることになるそうですね。

右翼線へのヒットで軽やかに駆ける植田選手ですが、このあと一瞬コケかけます。
右翼線へのヒットで軽やかに駆ける植田選手ですが、このあと一瞬コケかけます。
それでも三塁へ滑り込んでセーフ!いい走りっぷりでした!
それでも三塁へ滑り込んでセーフ!いい走りっぷりでした!

植田選手には、珍しく帰りのスーツ姿で話を聞いています。8回2死から三塁打を放って、緒方選手の二塁打で生還。貴重なダメ押し得点になったわけですが、二塁を回ったあたりでコケかけた?「ちょっと足が…もつれました(笑)」。やっぱり。バッティングについて「もう真っすぐだけって見ていました。そこまでの内容がよくなかったから、次は思いきって行こうと思ったら左(打席)で。真ん中、ちょこっと高めです」

三塁打は浅尾投手からで、その前の3打席目は岩瀬投手(結果は二ゴロ)との対戦。2人とも知っていますか?「はい、知ってますよ!岩瀬さんは真っすぐが来なかった。シュート、スライダー、カットで。積極的にいこうと思っていました」。雰囲気がある?「そうですね。やっぱり名前が。対戦したのは2人とも初めてでした」。これが公式戦3安打目で、三塁打は2本目。2本とも左打席で記録したものです。「左打席で踏み込んでいけるようになりました。怖さはほぼないですかね。使うバットは左右とも同じで、握る場所が違うだけ」

久々の遠征でスーツを着た植田選手。あららら、何だかオトナの仕草ですよねえ。
久々の遠征でスーツを着た植田選手。あららら、何だかオトナの仕草ですよねえ。

左打席でのバッティングはもちろん、ケガをしない体づくりもあって残留が多い植田選手なので、遠征が続くと試合に出られないストレスがあるのでは?と聞いたら「ないですよ。ストレスは全然。ウエートトレとかをやる時間がちゃんとあるので、しっかり鍛えています」とのこと。無理に、ではなく本当に充実していると言いたげな顔で頷きました。その成果は季節が変わるごとに出てくるはず。パワーアップした海選手に期待してください!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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