フェニックス・リーグ最終戦 “古屋監督”に贈ったウイニングボール《10/26 阪神ファーム》

決勝打の中谷選手。中村コーチ(右)と、来年は1軍でこんなふうに話したいですね。

きのう26日に宮崎から戻ってきて、きょう27日はお休みだった阪神ファーム。あすから練習再開で、11月にはもう秋季キャンプです。その前に、金本新監督を支えるコーチングスタッフの陣容が発表されました。以下が現時点で決まっている方々です。名前の前の数字は背番号、( )内は10月27日現在の年齢です。

【1軍】

監 督          6 金本知憲 (47)

ヘッドコーチ      70 高代延博 (61)

チーフ兼守備走塁コーチ 78 平田勝男 (56)

作戦兼バッテリーコーチ 88 矢野燿大 (46)

投手コーチ       90 香田勲男 (50)

打撃コーチ       81 片岡篤史 (46)

打撃コーチ       79 濱中 治 (37)

打撃コーチ補佐     80 トーマス・オマリー(54)

内野守備走塁コーチ   71 久慈照嘉 (46)

外野守備走塁コーチ   87 中村 豊 (42)

トレーニングコーチ   91 伊藤敦規 (52)

【ファーム】

監 督         31 掛布雅之 (60)

チーフ兼守備走塁コーチ 83 古屋英夫 (60)

投手チーフコーチ    84 久保康生 (57)

打撃兼野手総合コーチ  77 今岡 誠 (41)

打撃コーチ       96 筒井 壮 (40)

守備走塁コーチ     74 藤本敦士 (38)

守備走塁コーチ     76 平野恵一 (36)

バッテリーコーチ    82 山田勝彦 (46)

古屋監督はそのままファームに残って、チーフ兼守備走塁コーチになります。まだ発表前だったので、きのうの試合が最後と大層な見出しをつけてしまいましたが、まあ監督としてのラストゲームってことでご了承ください。あと久保投手コーチの背番号が変わります。それにしても、新任の方、復帰の方を含めて豪華な顔ぶれですねえ。1軍、ファームとも監督の背番号が…。こりゃあ秋も春もキャンプの宿を取るのが大変だなあ。

フェニックス最終戦は逆転勝ち

フェニックス最終戦のスコアボードです。
フェニックス最終戦のスコアボードです。

では、きのう26日の『みやざきフェニックス・リーグ』最終日、アイビースタジアムで行われた阪神-ロッテ戦の結果をご紹介します。ちなみに私、ことしのフェニックスでは10試合を取材しました。練習試合以外で勝ったのを見たのは、きのうが初めてです。とんだ疫病神ですみません。

《フェニックス・リーグ》 10月26日

阪神- ロッテ (アイビー)

ロッテ 020 000 000 = 2

阪 神 010 000 20X = 3

◆バッテリー

【阪神】秋山-歳内-伊藤和-藤原 / 梅野

【ロッテ】南(6回)-宮崎(2/3回)-吉原(1/3回)-阿部(1回) / 吉田

◆本塁打 吉田ソロ(秋山) 梅野ソロ(南)

◆二塁打 寺嶋、三木 北條

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]左:伊藤隼 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0)

2]二:北條  (4-2-1 / 1-0 / 0 / 0)

3]指:中谷  (3-1-1 / 1-1 / 1 / 0)

4]中:江越  (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0)

5]捕:梅野  (3-1-1 / 0-1 / 0 / 0)

6]三:陽川  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)

7]右:緒方  (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

8]一:西田  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0)

9]遊:植田  (3-1-0 / 0-0 / 1 / 0)

◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ

秋山  5回 62球 (4-3-0 / 2-2) 144

歳内  2回 36球 (0-3-1 / 0-0) 141

伊藤和 1回 24球 (2-1-0 / 0-0) 140

藤原  1回 19球 (0-0-0 / 0-0) 145

試合経過

先発した秋山投手。先制を許しながらも5回4安打2失点とゲームを作ります。
先発した秋山投手。先制を許しながらも5回4安打2失点とゲームを作ります。
梅野選手は2回、ホームランで1点差として秋山投手を援護。
梅野選手は2回、ホームランで1点差として秋山投手を援護。

初回は三者凡退の立ち上がりだった秋山ですが、2回1死から5番の吉田にレフトへ先制のホームランを打たれました。さらに2死後、大嶺翔の左前打と続く7番・寺嶋の左中間タイムリー二塁打でもう1点。伊藤隼からボールを受けた植田はバックホームを諦め、一塁から大嶺翔を還しています。でも以降は3回に2番・三木の一塁線を破る二塁打を許しただけで、4回は7球、5回は9球でビシッと三者凡退!

打線は1回、伊藤隼と北條が連続三振で2死となったあと、中谷が四球を選び二盗も成功!しかし江越は遊ゴロで無得点でした。2点を先取された直後の2回、先頭の梅野がレフトへホームラン!ただし後続をピシャリと抑えられ、3回は2死から北條が左中間二塁打を放ったものの得点なし。

2人目の歳内投手は1四球のみで、2イニングを0点に。
2人目の歳内投手は1四球のみで、2イニングを0点に。
北條選手のタイムリーで二塁にいた植田選手が還って同点。
北條選手のタイムリーで二塁にいた植田選手が還って同点。
勝ち越しのホームを踏んだ伊藤隼選手(右)を迎え、殊勲の中谷選手を見やる江越選手。
勝ち越しのホームを踏んだ伊藤隼選手(右)を迎え、殊勲の中谷選手を見やる江越選手。

5回は梅野の四球と陽川の左前打で1死一、二塁として緒方が右方向へいい当たり!と思ったらライト・脇本がナイスキャッチ…。次の西田が四球を選んで2死満塁としますが、植田は遊ゴロ。そして5回と6回は三者凡退。ロッテの先発・南からは散発3安打で、梅野のソロによる1点を取っただけでした。

秋山に代わって2人目は歳内。6回は中村にストレートの四球を与えるも、4番の高濱は粘られた末に10球目で空振り三振を奪うなど無失点。7回は連続三振と遊ゴロで三者凡退です。

するとその裏、ロッテ2人目の宮崎に2死を取られたあとで9番・植田が右前打(ファーストの頭上を越え右翼線に落ちる)で出て、すかさず盗塁!伊藤隼は四球で2死一、二塁となって投手が交代します。3人目の吉原から、北條が左タイムリーを放って同点!なおも2死一、二塁で、続く中谷も左前タイムリー!伊藤隼が還って、ついに勝ち越しました。江越はストレートの四球で2死満塁となるも、ここは梅野が二飛に倒れて1点リードで攻撃終了。

8回は伊藤和投手。2安打されますが無失点で最終登板を終えました。
8回は伊藤和投手。2安打されますが無失点で最終登板を終えました。
最後は藤原投手が9回を三者凡退で締め、梅野選手とともに引き揚げてきます。
最後は藤原投手が9回を三者凡退で締め、梅野選手とともに引き揚げてきます。

8回は伊藤和が登板。1死から1番・加藤に左前打され、2死後に中村の右前打で一、三塁となりますが、高濱を空振り三振で無失点!前回は24日のハンファ戦で1イニングを投げ、2安打3四球+1暴投で5失点(味方のエラーもあり自責は4)と自滅してしまっただけに、いい形の締めができてよかったですね。

その裏の打線は陽川から中飛、右飛、左飛で三者凡退。1点リードのまま迎えた9回は藤原がマウンドへ。吉田は遊ゴロ、香月一も遊ゴロ(これはショート植田が素晴らしい守備を披露!ナイススローにベンチからも拍手と歓声)、最後は大嶺翔を右飛に打ち取って試合が終わりました。

秋山、締めの先発も5回無四球

ことしは雨男もかなわない晴天続きで、最後まで予定が変わらず「最終戦は僕ですよ」と言っていた秋山投手が、予定通り今リーグを締めくくりました。きのうのピッチング全体については普通の感覚だったと言います。フェニックス・リーグを振り返って「よかったです。自分の課題が見つかった」とのこと。秋山投手が登板した4試合(すべて先発)の内容は以下の通り。

・ 9日 De(練) 5回 4安打4三振0四球 1失点

・15日 巨人 5回 2安打4三振1死球 2失点(自0)

・21日 楽天 6回 2安打11三振0四球 1失点

・26日 ロッテ 5回 4安打3三振0四球 2失点

合わせて21イニングを投げ、12安打6失点(自責4)としっかりゲームを作りました。奪三振は計22個、また全試合を通じて無四球(死球1)というのが素晴らしい!今季の本当に四球が減りましたよね。来年は宮崎じゃなく、CSや日本シリーズで投げる秋山投手に期待しましょう。

画像

そのために…香田投手コーチは2回に許した吉田選手のホームランについて「2ストライクと追い込んでから、投げたカーブ。あれは失投」と反省を促しつつ、3回以降が1安打無死点だったことは評価しています。また梅野選手も「2ストライクからというのが…。打たれているのはいつも同じで、ベルト付近にいってしまった球。フォアボールで崩れる心配はないので、高さで勝負ですね」というコメントでした。

なお梅野選手は「ホームランは真っすぐです。先に点を取られたけど2点だけだし、そのあと粘れたから勝てた。古屋監督の最後の試合なので、勝ててよかった」と話しています。

中谷「キャンプは全部のレベルアップ!」

中谷選手は7回、北條選手の同点打に続いて決勝の左前タイムリー。「スライダーかカットボールだと思います。スライダーを狙っていたので、それを打ててよかったです!」。秋季キャンプで取り組まなくては、と決意を新たにしたことはありますか?「体力がないと感じたし、やることはいっぱいあるので、これをというんじゃなくて全部です!すべてにおいてレベルアップすることです」

7回に同点となり、なおも2死一、二塁で中谷選手が勝ち越しタイムリー!
7回に同点となり、なおも2死一、二塁で中谷選手が勝ち越しタイムリー!

横田選手にも同じことを聞いてみたら「いろいろありました!」という答え。小豆畑選手には、このフェニックスで実りはあった?と尋ねたところ「実りがあるかどうかは、あとでわかります」と、禅問答のようなコメントが返ってきました。深いのか浅いのか…よくわかりませんね。とはいえ、みんなに何らかの実りがあったはずです。悪いところや改善すべき点など課題しか出てこなかったとしたって、それも収穫に変わりはないでしょう。

いろいろ “アシスト” した北條

中谷選手の決勝打の前に、7回1死一、二塁から同点の左前タイムリーを放った北條選手にも聞きました。質問する前にもう何か考えている様子。だってニヤニヤしていますもん。「お膳立てしてしもた~!」。来た来た(笑)。でも素晴らしいアシストですよ。あのタイムリーがなければ勝ち越せなかったわけですからね。

そう思うと、2死から右前打と盗塁を決め北條選手のヒットで生還した植田選手も、ついで四球を選んで勝ち越しのホームを踏んだ伊藤隼選手も殊勲。北條選手も「打ったのは真っすぐかシュート。アウトコースよりを狙って、踏み込んでいけるようにと思っていました。そしたら甘く入ってきたんで、しっかり捉えることができた」と振り返るタイムリーです。

7回2死一、二塁で左前タイムリーを放ち、同点とした北條選手。
7回2死一、二塁で左前タイムリーを放ち、同点とした北條選手。

ことしのフェニックス・リーグではマルチヒットの試合も多く、この日も2安打で打率を上げて終了。「2割8分くらいあると思う。それに、いい当たりのヒットが多かった気がしますね」と手応えを感じた様子。秋季キャンプでは「来年につなげるよう、沖縄キャンプに行けるようにケガなくアピールしてきたい」と意気込んでいました。

そして「勝ててよかったです」と笑顔を見せた北條選手。「古屋監督にボールをあげられてよかった」。ボールは誰が持っていたの?「緒方さんです」。そうそう、最後はライトフライでしたね。「でも緒方さん、気にせずどこかへやってしまいそうやたんですよ。うわーアカンって!」と状況を説明してくれますが、なんせ試合後は大急ぎでホテルに帰り、着替えて空港へという段取り。また改めて詳細をきいてみましょう。

とりあえず、北條選手がウイニングボールの紛失を防いだってことですね。グッジョブ!

胴上げの代わりに1軍での活躍を

受け取った古屋監督は、そっとズボンの右ポケットにボールを入れ、ベンチに座った選手たちの前で挨拶。コーチ陣はベンチに向かった形で整列していました。試合後のミーティングだと思い離れていたので、話の内容は把握していませんが「みんな、ほんとありがとう!」という監督の大きな声と拍手が聞こえてきました。ちょうどその時、一塁側のロッテベンチでも同じようにミーティングが…と思ったら、歓声とともに胴上げが!今季限りで退団を申し入れて了承された青山監督です。

ウイニングボールを右ポケットに入れる古屋監督(中央)。
ウイニングボールを右ポケットに入れる古屋監督(中央)。

ベンチ裏に戻ってきた古屋監督は「ボール、もらっちゃったよ」と笑顔。ロッテは胴上げしてしていたようですね。「僕もやろうと言われたんだけどさ、いいよって断っちゃった」とのこと。みんなの気持ちとしては胴上げで感謝を伝えたかったかもしれませんが、また来年もチーフコーチとしてファームに残られることになりましたから、1人でも多く1軍で活躍して喜んでもらいましょう。