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藤浪投手が刺激に?ナゴヤで粘投を見せた秋山投手《9/11 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
ウエスタン・中日戦で先発。7安打ながら6回1失点と上々の秋山投手です。

久しぶりに阪神ファームの、ウエスタン・リーグの試合を見ました。といっても10日ぶりくらいなんですが、社会人野球を何試合か見ていたせいか…とても長く感じましたねえ。試合時間というか、間合いというか。なんだったでしょう?決してダラダラした試合じゃなかったんですよ。でも久々に選手たちの顔をみてワクワクもしました。残り試合はわずかですが、みんな良い結果が出ますように。

では早速、試合結果と経過をご紹介します。

《ウエスタン公式戦》9月11日

中日-阪神 27回戦 (ナゴヤ)

阪神 100 100 031 = 6

中日 001 000 210 = 4 

◆バッテリー

【阪神】秋山-榎田-松田-○小嶋(2勝1敗6S)-S筒井(3勝3敗1S) / 清水

【中日】伊藤(3回)-武藤(3回)-●山本雅(1敗)(1回1/3)-岸本(2/3回)-阿知羅(1回) / 赤田-松井雅(9回表)

◆本塁打 三ツ俣3号ソロ(秋山)、中谷9号ソロ(武藤)

◆三塁打 古本

◆二塁打 荒木、野本、ペレス、陽川

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]左:柴田  (4-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .348

2]二一:荒木 (4-1-0 / 2-1 / 1 / 1) .183

3]中:江越  (2-0-2 / 0-3 / 0 / 0) .323

4]一:ペレス (4-1-2 / 2-1 / 0 / 0) .310

〃二:森越  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .280

5]三:陽川  (5-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .209

6]右:中谷  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .290

7]遊:北條  (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .247

8]捕:清水  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .268

9]指:緒方  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .237

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

秋山  6回 89球 (7-6-0 / 1-1 / 3.25) 140

榎田 0.2回 11球 (0-0-0 / 1-0 / 2.51) 140

松田 0.0回 8球 (1-0-0 / 1-1 / 3.60) 149

小嶋 1.1回 32球 (3-1-1 / 1-1 / 3.12) 143

筒井  1回 24球 (1-1-1 / 0-0 / 2.47) 142

試合経過

阪神は1回、柴田が遊ゴロエラーで出て、続く荒木の左中間二塁打で生還!鮮やかな先制攻撃でしたが、江越の四球で無死一、三塁となったあとは後続を断たれて1点止まり。2回は三者凡退、3回は2死から江越の死球とペレスの四球があったものの得点なし。伊藤に3回までで6三振を喫しています。

9号ソロを放った中谷選手。中日戦では今季4本目のホームランです。
9号ソロを放った中谷選手。中日戦では今季4本目のホームランです。
HRの中谷選手を迎える阪神ベンチ、ちなみに中日はベンチから出ずに迎えるんですよ。
HRの中谷選手を迎える阪神ベンチ、ちなみに中日はベンチから出ずに迎えるんですよ。

秋山は1回に2死から古本と高橋周の連打で一、三塁、2回は藤澤と溝脇の連打で2死二、三塁としながら要所を締めて無失点。しかし3回、先頭の三ツ俣に真っすぐをレフトへ運ばれ3号ソロ。センターから左中間方向に吹いていた強い風が、まず中日側に味方したんでしょうか。そのあと2死を取ってから野本の左中間二塁打を許した秋山ですが、ここは同点に留めました。

すると4回、2人目の武藤から先頭の中谷が左中間へ9号ソロ!すぐさま勝ち越しに成功します。さらに北條が右前打、清水はショート内野安打で無死一、二塁のチャンス。しかし緒方のバント空振りで北條が飛び出し、挟まれてアウト…。緒方は左飛で2死、柴田が四球を選びましたが、荒木の見逃し三振で1点止まり。

秋山は4回、ペレスのミットをかすったかな?という右前打と溝脇の犠打で1死一、二塁としただけで無失点。。5回と6回は簡単に三者凡退!ヒットも単打は打ち取った当たりと言っていいかもしれません。とはいえ打線も5回、6回、7回と3人ずつで片付けられてリードは1点のままでした。

7回に登板した榎田投手。
7回に登板した榎田投手。
8回、右中間に二塁打を放ったペレス選手。
8回、右中間に二塁打を放ったペレス選手。

7回は榎田が登板し、先頭をセカンド荒木のエラーで出し、犠打と遊ゴロで2死三塁となったところが交代。代わった松田が三ツ俣に8球目を打たれ、右前タイムリーで同点。ここで登板した小嶋が捕逸で二塁へ進めた三ツ俣を古本の中越えのタイムリー三塁打で還し、この回2失点です。

8回の攻撃は江越が四球、ペレスの右中間二塁打(フェンス上部のネットに当たったと思われます)で無死二、三塁。陽川がセンターに打ち上げて犠飛…と思ったら、構えて捕る(捕った?)友永がまさかの落球!江越はタッチアップした足でそのまま生還しました。これで同点。なおも無死二、三塁で中谷の中犠飛で再び勝ち越します!北條が四球を選んで1死一、二塁となり、代わった岸本に対して清水が投ゴロで一、三塁。続く緒方が右前タイムリー!これで5対3と阪神がリード。

その裏、続投の小嶋がヒットと四球で2死一、二塁として、代打・谷の中前タイムリーで1点返されます。でも9回、阿知蘿から荒木が四球を選び、2死後に盗塁成功。陽川は右前タイムリー二塁打で1点追加!その裏は筒井が登板。先頭の三ツ俣に内野安打を許し、捕逸や暴投で三塁へ進めるも2死とします。野本に四球を与え一、三塁としたあと井領は右飛に打ち取って試合終了です。

大胆にストライクを取りにいく

コメントは、まず古屋監督が「粘っこく投げたよ」と名前を挙げた秋山投手から。「前回の藤浪くんの登板が気合い入っていて、鳥谷さんのダブルプレーでセカンドへのスライディングとか。年下の彼があんなに必死で頑張っているんだから、僕もそういう姿勢を出していかないと。藤浪を見ていてそう感じました」。最初は何を言い始めたんだろうと思ったんですが、なるほど。9日の巨人戦(甲子園)で藤浪投手が見せた、併殺を阻止する気迫のスライディングのことですね。

先発した秋山投手。1軍での登板に向け、調子を落とすことなく投げ続けています。
先発した秋山投手。1軍での登板に向け、調子を落とすことなく投げ続けています。

そこで秋山投手も気合いを込め、「追いつかれても勝ち越してもらった」打線に応えるべく、4回9球、5回11球、6回6球と少ない球数でビシッと打ち取っています。きのうは、いい意味で力みなく投げていたように見えました。ボールも低めに集まり、今回も安定の無四球ピッチングです。「立ち上がりは前回、ソフトバンクに打たれてて、きょうはちょっと今までの中日打線とバッティングが違ってたしたね。今までは狙い球にも振ってこない感じだったのが、しっかり振ってきていた。ちょっとストライクが多すぎた分、ヒットが出たと思う」

タイミングが合わず、1軍に合流するものの登板機会がなかなか巡ってきませんが、それで崩れることなく、次を見据えて投げる秋山投手。「最近、考えすぎだったのが大胆にストライクを取りにいくことを意識してやった」と言います。引き揚げかけた時、背中に向けて「それはうまくいった?」と聞いたら「大事なとこでうまくいきました!」と大きな声。最後は「ありがとう」に対し「どういたしまして」という返事でした。

また7回2死三塁で登板し、三ツ俣選手にタイムリーを松田投手。1球、149キロが出たんですが、清水捕手が飛び上がるくらい高く外れたものでした。「悪くはなかったんですよね。最後のコントロールが…。打たれたのはスライダーの抜けです。細かいコントロールを練習しないと」と言っています。

「2ケタ、いきたいですねえ」

8回には勝ち越しの中犠飛を放った中谷選手。
8回には勝ち越しの中犠飛を放った中谷選手。

先月23日の広島戦(由宇)で満塁ホームランを打って以来の第9号を放った中谷選手です。ただし、打ったのは?「カットボール系です」。感触は?「よかったです」。帰りを急いでいたため、こんな感じでした。そうそう、犠牲フライは?「よかったです」ってのもあったんですよね。

公式戦に限ると、中谷選手のホームラン数は1年目なし、2年目が3本、3年目2本、昨年7本。ことしはこれで9本目となり、初の2ケタも射程圏です。2ケタホームラン、狙いたいですねと言ったら「いきたいですねえ」と少し笑顔も見えます。ここはもうリーチ即!といってもらいましょう。

そして帰り際に和歌山箕島球友会の穴田選手も話を振ると「穴田、元気にしてました?」と中谷選手。「元気に打って、エラーもせずだった。中谷くんのこと気にしていたよ」。2人は、お互いにお互いが気になる仲のいい同級生。場所は変わっても、ともに成長する姿をみんなが楽しみにしています。

中日・伊藤投手の145キロが背中に…。かなり痛かったみたいです。
中日・伊藤投手の145キロが背中に…。かなり痛かったみたいです。

同級生といえば、きのうはヒットのなかった江越選手。そのかわり?3四死球でした。しかも3回の2打席目は、背中の右側(肩甲骨あたり)への死球でかなり痛がっていたんですよね。試合後も「痛いです…」とひとことだけで苦笑い。きょうはバットにたくさん当たりますように!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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