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鳴尾浜こぼれ話 試合後の挨拶は? ワイパーに手袋が! あのヤジは…《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
ベンチから出てきた植田選手(左)が、何やら楽しげに西田選手のグラブを見ています。

ことしのウエスタン公式戦は、中止になった試合が新たに組み込まれることなく流れていくので試合数は確定していませんが、きのう3日の時点で阪神は残り“最大”15試合となりました。きょう4日からソフトバンク3連戦(ヤフオク、雁の巣、雁の巣)、来週11日からは中日3連戦(ナゴヤ)、そして15日から広島3連戦(鳴尾浜)、ソフトバンク3連戦(鳴尾浜、鳴尾浜、守山)、21日からがオリックス3連戦(神戸サブ、神戸サブ、佐藤薬品)。最後は9連戦での締めくくりです。

ウエスタン・リーグは3日現在

◆ 試合 勝-敗-分 差 残り

ソ 95 57-31-7   (18)

広 95 56-35-4 2.5 (18)

神 104 51-46-7 8.0 (15)

中 90 35-49-6 9.5 (18)

オ 98 29-62-7 9.5 (15)

という成績で、“差”はすぐ上のチームとのゲーム差。3位以下の開き方がすごいですね…。試合数は阪神の104がダントツ。もともと予定試合数はイースタンとのファーム交流試合の数によって異なっており、阪神が一番多い137、ソフトバンク135、広島132、そして交流試合のない中日とオリックスが130でした。それを入れても阪神は中止が少なかったということでしょう。この残りを全部消化したとすれば、阪神と中日とは総試合数が11も違ってきますね。

なお優勝のゆくえですが、首位のソフトバンクと2位の広島は95試合を消化して残りも同じ18試合、ゲーム差が2.5です。直接対決が6試合あり、まだマジックナンバーは出ていません。きょう4日からソフトバンクは阪神と、広島は中日との3連戦が予定されていて、ここでソフトバンクが3連勝して(それは阪神が3連敗なので避けたいところではありますが…仮にということで)広島が3連敗しても、まだですね。ソフトバンクに優勝へのマジックナンバーが点灯するのは、最短で8日からの直接対決でしょう。

ま、ことしも阪神は昨年と同じ3位で終わりそうですね。個人タイトルも、石崎投手が8セーブでトップの飯田投手(ソフトバンク)を2差で追っているくらいで、他はなかなか…。でも最後まで、みんな少しでも数字を上げられるよう頑張ってほしいと思います。

公式戦終了後の試合予定

他の4チームは27日に、阪神は一足早く23日に全日程を終了予定です。そのあと阪神は、10月5日から始まるフェニックス・リーグの前に社会人との交流試合や、おなじみオリックスとの練習試合を行います。まず9月25日(金)にHonda鈴鹿と、26日(土)はパナソニックとの交流試合、どちらも鳴尾浜で12時半からです。オリックスとの練習試合は29日(火)と30日(水)が神戸サブで、10月1日(木)と2日(金)は鳴尾浜で、ともに12時半開始。神戸サブもお客様を入れて行われるそうですよ。

そして社会人チームとの2試合は、守屋投手が昨年までプレーしていたHonda鈴鹿、そして阪口哲也選手がことし入団したパナソニックとの対戦、どちらもたのしみですねえ!しかも、そのパナソニック戦が9月26日だなんて…。昨年、鳴尾浜で最後の公式戦が行われて、阪口選手が公式戦プロ1号ホームランを放った日です。覚えていらっしゃいますか?結果的に、あれがタテジマを着た阪口選手のラストゲームとなってしまいました。

あれからちょうど1年の時を経て、どろんこ哲ちゃんが鳴尾浜に帰ってきます!見逃すわけにはいきません。阪口選手もみんなに会えると楽しみにしているようです。小虎ファンの皆様も、ぜひいらしてください。

次は殊勲で挨拶を!復帰の植田選手

さて、阪神ファームは今季最後の福岡遠征に出かけました。きのうも書いたように、秋山投手、岩貞投手、松田投手の3人が先発予定。それで、きょう4日が18回戦って少ないなあと思ったら、なんとソフトバンク戦は9試合も中止になっているんですね!対戦成績は8勝8敗1分けの五分です。ここはウエスタン・リーグを最後まで盛り上げるために、勝ち越してきてもらいましょう。って盛り上げているんだか、かき回しているんだか…。小鷹ファンの皆さん、すみません。

終了時の挨拶は自分の役目と出てきた植田選手ですが、古屋監督に戻され…
終了時の挨拶は自分の役目と出てきた植田選手ですが、古屋監督に戻され…
植田選手のいない間に活躍した人が挨拶するシステムに。この日は西田選手です。
植田選手のいない間に活躍した人が挨拶するシステムに。この日は西田選手です。
恥ずかしかったのか下を向く植田選手に笑いかける西田選手(右)と吉田コーチ(左)。
恥ずかしかったのか下を向く植田選手に笑いかける西田選手(右)と吉田コーチ(左)。

腰痛のためリハビリを続けてきて、ようやく1日に本隊合流となった植田選手。打席に立つのは15日くらいからという古屋監督の話でしたので、まずは守備から実戦復帰の見込みです。

その植田選手がベンチ入りした1日は残念ながら負けたため、試合終了時の挨拶がありませんでした。しかも雷雨によるコールドゲームで、もし阪神が勝っていたとしても、それどころではなかったでしょう。でも2日は、西田選手のタイムリーで劇的なサヨナラ勝ち!チーム全員が一列に並び、我々の予想通り西田選手が古屋監督の隣に立って…あれ?植田選手が行きましたよ。すると古屋監督が西田選手を呼び、申し訳なさそうに植田選手を列に移動させます。

そして帽子を取り「ありがとうございました!」という西田選手の発声で、みんな揃って一礼。終わった後も、古屋監督や吉田バッテリーコーチに何か言われて笑う植田選手です。あとから聞いたら「いや~あの挨拶は僕の仕事なんで」と。そうですよね。以前は活躍した選手が呼ばれていたんですけど、途中で固定されたのか、一昨年の北條選手や昨年の横田選手のように高校出の新人選手がやっていて、ことしは植田選手の担当でした。

でも、植田選手が離脱してしまってからは、ホームランを打ったり、好投したり、試合を決めるヒットを打ったりという“殊勲選手”が呼ばれるように変わっていたんですよ。張り切って出て行ったのに、腕をつかんで引き戻されたもんで驚いた顔でした。笑ってはいけないけど、写真を撮りながら様子を見て笑ってしまいました。監督もそんな表情。「ごめん、ごめん!植田」って感じですね。

2日の試合内容、選手のコメントなどはこちらからご覧ください。<西田選手が代打で大仕事!公式戦ではプロ初のサヨナラヒット《9/2 阪神ファーム》>

毎日、車を飾ってもらう森越選手

私が気づいたのはもう何日か経ったあとだったようです。鳴尾浜の室内練習場横に止めた森越選手の車が、写真のように“装飾”されているのを。ワイパーを立てて、そこにバッティング用の皮手袋がいくつもつけてあり、写っていませんがタイヤのホイールにも折れたバットが2、3本刺さっています。このところ毎日だと記者の方たちは笑っていました。誰が犯人かって、もうわかりますよねえ。関本選手だそうです。

クリスマスや七夕のように飾られた森越選手の愛車。作成は『3』の人です。
クリスマスや七夕のように飾られた森越選手の愛車。作成は『3』の人です。

そして、その関本選手が「太一、もうやめようか~」「そうですね、セキさん」という会話(内容は半分くらい想像)があったらしいので、もしかすると岡崎選手も絡んでいるかもしれません。「つまり奈良県人会?じゃあ島本投手もそろそろ」と、ある記者が笑っていました。

当の森越選手は夕方、グラウンドから引き揚げて来る時に見つけ「あー!」と言いながら、もうすっかり慣れた様子で近づきもせず。着替えて帰宅するために出てきた時、流れるような動きで片づけ始めました。まずバットを抜き、手袋を外し、それを持って室内練習場へ。ついて行って覗くと、バットは折れたものが何本も集められている容器に差し込み、手袋はまた別のところ(おそらく誰でも使えるように要らないのを置いてあるのでしょう)に戻します。

「これを毎日、返しに行くのは僕なんですよ。それでまた次の日につけられて。何してるんですかねえ(笑)」と言いながら楽しげな森越選手。そろそろやめようかと話していたみたいですよ。「そうなんですか?で、何もなくなったら寂しくなっちゃうんですよね、きっと」。いいひとだなあ。でも大丈夫です。絶対にまた新手のイタズラを編み出してきますから。今度は1軍でやってもらいましょう!

ヤジはヤジ、気にしないで

2日のウエスタン・中日戦は1軍メンバーとして出た江越選手ですが、きのう3日に柴田選手と入れ替わって登録を抹消されました。またファームで調子を上げて戻り、秋は1軍で過ごせるよう頑張ってください!でもきのう発熱のため練習を休んだそうで、遠征には不参加です。

久々の鳴尾浜でどろんこになった江越選手。5回の守備でナイスキャッチも。
久々の鳴尾浜でどろんこになった江越選手。5回の守備でナイスキャッチも。

2日の試合は1番センターで先発出場、3打席に立ち2安打1四球。あっという間にユニホームが泥だらけです。そして5回裏の攻撃で、江越選手と関本選手が連打して1死一、二塁となった場面がありましたね。続くペレス選手はフライを打ち上げ、ライトの古本選手がセンター方向へ手を伸ばして体勢を崩しながらキャッチ。ハーフウェーで待機していた江越選手は、これを見て二塁へ戻っています。その時、スタンドから「なんでタッチアップせーへんねん!」という声がたくさん…。

三塁にいた中村豊外野守備走塁コーチにも、しっかり聞こえたそうです。正面に飛んだのではなく、しかも落とす可能性もあった打球でした。中村コーチは言います。「あの打球と古本選手の捕り方を見て、“行け!”というプロのコーチは1人もいません。あれでタッチアップできるんですか」――この言葉、ぜひお伝えください。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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