Yahoo!ニュース

雨と雷で2度の中断ののち降雨コールドゲーム《9/1 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
腰痛で戦列を離れていた植田選手が本隊合流。写真は6月6日、三条での野球教室です。

阪神ファームは1日から鳴尾浜球場でウエスタン・中日3連戦に臨んでいます。天気予報も悪く、3つとも流れるのではないかと思われた中、きのう1日は雨も早めに上がって試合は無事始まりました。3回表で激しい雨となり中断、でもここは8分後に再開。そのあとは晴れたりもしていたのですが、南西方向からジワジワと恐ろしい雨雲が迫ってきていました。

7回表、中日の攻撃中にゴロゴロと雷鳴が聞こえ始め、上空は灰色の雲に覆われた鳴尾浜。バックスクリーンの向こう側から近づいてくる真っ黒な雲で夕暮れのような暗さです。スコアボードの文字も見えにくくなり、ただストライクのランプや球速の電光掲示部分がすごく明るく感じました。7回裏の攻撃が始まり、陽川選手打席が終わったところで眩しい稲光があって数秒後にドドーンと落雷の音。ここで審判団が選手をベンチに引き揚げ、直後に大粒の雨が落ちてきたのです。

南西の方向から黒い雲が近づいてきて、もういつザッときてもいいような空。
南西の方向から黒い雲が近づいてきて、もういつザッときてもいいような空。
雷鳴のあと中断、そして試合終了。数分後にはグラウンドがこのような状態に。
雷鳴のあと中断、そして試合終了。数分後にはグラウンドがこのような状態に。

あっという間にグラウンドは湖のようになりコールドゲームが宣言されましたが、滝のような雨で選手もベンチから出られません。でもペレス選手は、わりと早めに勇気を出してダッシュ。まあこれは松田投手が後ろから押し出したというのもあります。当の松田投手は岩貞投手と2人、なかなか出られずにいたのに(笑)。ほんの数分で寮の方へ歩いていく通路が足首の上まで浸かるほどの水たまり…。毎年1回か2回は遭遇する光景ですけど、ことし私は初体験でしたね。

結局、11対2という大差をつけられて7回裏1死での降雨コールドゲーム。中断時間は3回表(13:06~13:14)と7回裏(15:23~15:24)の2度、合わせて9分間です。なお、きのうは金田投手が先発しています。これは横山投手が1軍に昇格したからだったようで。いえ、特に深い意味はありません。いくらなんでも横山投手の雨男ぶりが、鳴尾浜と甲子園の両方に影響を与えたなんてことはねえ。

ナイターの広島戦が行われる甲子園球場も、15時台の大雨で開門や開始時刻を遅らせ、何とか試合にこぎつけたものの19時前から降り出した雨で降雨ノーゲーム。かなりの降りだったし、もうグラウンドも無理でしたね。でも、これで能見投手が6日の中日戦(ナゴヤドーム)の仕切り直しで先発する見込みとか。秋山投手…残念!

《ウエスタン公式戦》9月1日

阪神-中日 25回戦 (鳴尾浜)

中日 103 004 3 =11

阪神 000 020 0x = 2

※7回裏1死降雨コールドゲーム 

◆バッテリー

【阪神】●金田(1勝2敗)-加藤-山本-小嶋-田面 / 小宮山-岡崎(6回~)

【広島】○八木(2勝1S)(6回)-高橋聡(1/3回) / 赤田

◆二塁打 ペレス、陽川、小宮山、高橋周

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]遊:北條   (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .247

2]指:関本   (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .300

〃打指:原口  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .221

3]一中:中谷  (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .301

4]左一:ペレス (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .326

5]三:陽川   (3-1-0 / 1-0 / 0 / 1) .207

6]二:森越   (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .288

7]捕:小宮山  (2-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .289

〃捕:岡崎   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .298

8]右:一二三  (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .202

9]中左:柴田  (2-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .361

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

金田 2.2回 59球 (8-1-2 / 4-4 / 5.94) 147

加藤 1.1回 25球 (1-2-0 / 0-0 / 1.10) 143

山本  1回 23球 (2-1-0 / 0-0 / 1.82) 139

小嶋  1回 30球 (3-0-2 / 4-4 / 2.97) 139

田面  1回 48球 (1-2-4 / 3-2 / 4.70) 144

試合経過

先発の金田は1回、先頭の友永に左前打され、犠打と古本の右前打1死満塁として4番・高橋周に左前タイムリーを浴びます。3回にも先頭の古本に右前打、1死後に井領の左前打、藤澤への四球でまたしても1死満塁となり、7番の三ツ俣に中目タイムリー、続く赤田には右前2点タイムリー。ピッチャー八木の犠打で2死二、三塁としたところで降板しました。代わった加藤は友永を三振に仕留め、4回も1安打無失点。5回の山本も藤澤の右前打と三ツ俣の内野安打、犠打で1死二、三塁としますが、後続を断って無失点。

打線は1回が三者凡退。2回は先頭のペレスが右翼線二塁打を放つも、後続を断たれて得点につながらず。3回も三者凡退で、4回は1死から中谷が中前打したもののペレスは二ゴロ併殺打、3人で片づけられます。ようやく5回、先頭の陽川がライトへの二塁打を放ち、1死後に小宮山の中越えタイムリー二塁打!2死後に柴田が右前タイムリーで2点を返しました。

しかし6回の小嶋が溝脇の内野安打と古本の中前打、高橋周には四球を与えて無死満塁。井領の左前タイムリー、藤澤は押し出しの四球、三ツ俣の右犠飛で3点を奪われ、さらに赤田に遊ゴロでもう1点。この回3点を追加されます。

7回は田面が登板。友永に四球、暴投のあと溝脇にも四球を与え、この2人に重盗を決められて無死二、三塁となり、1死後に高橋周が右中間二塁打。2人を還しました。工藤は四球、藤澤はサード陽川のエラーでまた満塁(余談ですが、空が暗くなって目の前に真っ黒な雲が迫り、雷もゴロゴロと近づいて…もう気が気ではない状況)。代打・野本に四球で押し出し、赤田は見逃し三振、代打・小笠原は二ゴロで打ち取って終了。

その裏、中日は高橋聡がマウンドに上がり、先頭の陽川は3球で空振り三振に倒れたところで稲光と大きな雷鳴が響き、審判が選手を引き揚げました。照明が要るくらいの暗さになり、小さな雨粒も感じ始めていたので、間もなく一気に大雨が来るぞという気配。我々も早々に退散しました。最初の中断にもめげず観戦を続けておられたお客様も、もう再開は無理だとわかっていらっしゃったんでしょうね。そのまま降雨コールドゲームとなっています。

植田、約3ヶ月ぶりのベンチ入り

試合後に引き揚げてきた植田選手。やはり嬉しそうです。少し色白になりましたね。
試合後に引き揚げてきた植田選手。やはり嬉しそうです。少し色白になりましたね。

試合については、なかなかコメントを求めにくい内容でしたので…きょうは植田選手の話だけご紹介します。6月6日のファーム交流試合・日本ハム戦(新潟県三条市)に9番ショートでフル出場して以来、腰痛のため戦列を離れていた植田選手が、きのう1日からファーム本隊に完全合流しました。練習メニューをすべてこなし、試合のベンチにも入っています。ただ出場はまだで、復帰初日は声出しに専念していたのでしょうか。

「久々で疲れました。きょうは早く寝ます」と苦笑いしながらも、やっぱり嬉しいというかホッとした表情に見えました。最初は代走とか守備とか代打での出場になるのかな?と聞いたら「代打はないでしょう(笑)」と植田選手は即答。古屋監督も「まず守備からでしょう。(今週後半の福岡遠征には参加せず)15日からの9連戦で打席に立たせてみようかと思っています。まだ状態をみてになるけどね」という段取りだそうです。

なお8月28日の広島戦(鳴尾浜)でフェンスにぶつかった横田選手について「まだ痛みが少しあるみたいだから、福岡には行かずに様子をみる。今のところ(11日からの)名古屋遠征には連れて行く予定」と古屋監督は話しています。きのう1日から本隊にという見込みだったのですが、もうしばらく別メニューになった模様。念のためでしょう。とはいえ横田選手と植田選手の“末っ子コンビ”揃い踏みが、もうすぐ見られますね。

試合後にニコニコと戻ってきた植田選手に、ちょっと聞いてみました。「雷すごかったね」「平気ですよ~。むしろ好きです!」。え、好きなの?外へわざわざ見に行くとか?「はい。それくらい好きです」。ピカッと光ってバリバリ、ドドーンって、すぐ近くで落雷したりしても?「それが最高っすねえ!うわー落ちたわー(笑)って」。想像はできますね。そんな楽しそうな顔で笑っていたであろう、海少年を。

疲れはあるものの、ようやく本隊に合流して試合出場も近いとあって生き生きした様子です。最後に「出る準備はしっかりしておきます」と言って引き揚げていきました。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事