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1軍とともにリーグ最速の20敗到達…3カード連続で勝ちがない阪神ファーム《5/10》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
試合終了時のスコアボード。東大阪市民祭りを祝って?主催のオリックス打線が爆発。

きのう10日はウエスタン・オリックス-阪神戦を観に、東大阪市の花園セントラルスタジアムへ行ってきました。オリックスは毎年ここで主催ゲームを行っており、ことしは阪神。実は3年前の2012年7月10日に関西独立リーグ選抜チームとの交流(育成)試合が花園で予定されていたものの、この時は深刻なキャッチャー不足で…5日前に中止の申し入れをしたため実現しなかったのです。よって今回、8日の神戸サブ球場に続いて行われた9日と10日の公式戦が、花園セントラルスタジアム初参戦となりました。

正式名称は「花園中央公園野球場」で、公園はちょうど9日と10日に開催された東大阪市民ふれあい祭りの会場の1つ。この試合自体もプログラムの1つなんですよね。東花園駅からの道も、公園の中も、近鉄花園ラグビー場前の広場も、そして野球場周りも人が溢れていました。きのうは野球観戦やお祭りに最適の好天だったんですけど、なんせ風がメチャクチャ強くて。試合が終わる頃には周りが真っ白になるほど砂まじりの強風が吹き荒れて大変でしたねえ。

打てず、守れずで完敗

大変といえば…きのうも負けてしまいオリックスに3連敗。5月に入ってから3カード連続で白星がなく、引き分けを挟んで8連敗。リーグ最速で20敗に到達してしまいました。なんと1軍も、きのうの負けでリーグ最速の20敗だったんですね。こんなところで息を合わせなくてもいいのに。ファームの20敗到達日は、昨年が5月28日(19勝20敗3分)、2013年は5月30日(19勝20敗3分)、2012年は5月29日(16勝20敗7分)、2011年は6月5日(21勝20敗8分)、優勝した2010年が6月20日(27勝20敗4分)。ことしが35試合目(13勝20敗2分)なので、チームでもここ6年の最速です。

しかも10日の試合は打てない守れないという、さすがに寂しい内容でした。もちろんオリックスのドラフト1位ルーキー・山崎福投手の好投は言うまでもありませんが、こちらが許した15安打のうち三塁打が3本、二塁打が4本。外野の守備が気になった方は多かったかも。エラーはついていないものの、互いの連係に何となく違和感がありました。慣れないグラウンドと強い風のせい?それはオリックスもそんなに変わらないでしょうね。

なお、オリックスが6回までに打ちまくって13点を奪い「きょうはこれくらいにしといたろ~」という感じ(になったのかどうかはわかりませんが)の7回、北條選手のリーグトップに並ぶ5号ソロで完封を阻止。何とか3点を取った試合でした。

《ウエスタン公式戦》5月10日

オリックス-阪神 11回戦 (東大阪)

阪神 000 000 201 = 3

オリ 303 232 00X =13 

◆バッテリー

【阪神】●守屋(2敗)-歳内-藤原-玉置-筒井-トラヴィス / 小豆畑

【オリ】○山崎福(2勝2敗)(8回)-戸田(1回) / 伊藤

◆本塁打 北條5号ソロ(山崎福)

◆三塁打 山本、小島、小田

◆二塁打 奥浪、伊藤。山本、横田、小田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]左:横田  (4-1-0 / 3-0 / 0 / 0) .157

2]三:黒瀬  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .208

3]遊:北條  (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .255

4]中:江越  (2-0-0 / 1-2 / 0 / 0) .319

5]一:原口  (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .209

6]指:岡崎  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .233

〃打指:西田 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .252

7]右:緒方  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .185

8]捕:小豆畑 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .179

〃打:柴田  (1-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .327

9]二:荒木  (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .077

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

守屋 1回 38球 (4-1-1 / 3-3 / 4.38)

歳内 2回 48球 (2-0-2 / 3-3 /17.05)

藤原 1回 26球 (3-1-0 / 2-2 / 2.70)

玉置 2回 48球 (5-2-3 / 5-5 / 6.60)

筒井 1回 10球 (0-0-0 / 0-0 / 4.91)

トラ 1回 17球 (1-1-0 / 0-0 / 0.00)

試合経過:許した長打7本

公式戦2度目の先発だった守屋は1回、先頭の小島に四球を与え、堤と鉄平の連打で無死満塁として4番・宮崎の中前タイムリー、続く伊藤の左前2点タイムリー。以降は抑えたものの、いきなり四球からの4連打で3点を失って1イニングでの降板となりました。代わった歳内は2回を三者凡退に斬って取りますが、3回は2死から伊藤への四球、奥浪の左二塁打、小田の四球で満塁となり、8番の山本に右中間への三塁打。走者を一掃されて、この回も3失点です。

4回は藤原が登板し、やはり2死を取ったあとに鉄平と宮崎の連打を浴び、伊藤の左翼線タイムリー二塁打。この回2点を失って8対0とリードを広げられる一方でしたが、まだ終わりません。5回に登板した玉置も四球を与えた先頭の小田を、続く山本の右中間二塁打で還して1点。1死後に小島の右中間タイムリー三塁打、堤の中前タイムリーで計3点。玉置は6回も先頭に四球、1死後に小田野右越えのタイムリー三塁打を許し、山本への四球に続いて武田の左犠飛と、この回も3点を献上しました。

6回までに、投げた4投手全員が計14安打され13失点と打ち込まれた阪神。一方の打線はというと…オリックス・山崎福の前に沈黙。5回まではノーヒットで、3回2死から四球を選びボークで二塁へ進んだ荒木が唯一の走者です。6回に先頭の小豆畑がようやくチーム初安打(センターの前にポトンと落ちる当たり)しましたが、得点はなし。

しかし13対0で迎えた7回、先頭の北條が山崎福の真っすぐをレフトへ!両翼97メートルの柵を越え、さらにはフェンスをも越える“場外弾”は完封阻止の1発となりました。次の江越は四球を選び、原口の中前打で無死一、三塁。岡崎は空振り三振に倒れるも、このボールは暴投で江越が生還。2点目が入ります。8回は横田が右中間への二塁打を放ち、黒瀬の二ゴロで2死三塁となって大きな歓声に迎えられた北條。ただしここは捕邪飛で無得点です。

9回、打球を捕ってフェンスにぶつかって倒れた江越選手。心配する緒方選手とお客様。
9回、打球を捕ってフェンスにぶつかって倒れた江越選手。心配する緒方選手とお客様。

投手陣は5人目の筒井が7回を10球で三者凡退!8回のトラヴィスは、まず伊藤を中飛に打ち取りました。江越がフェンスにぶつかって捕球し、しばらく倒れていたので心配したものの無事にプレー続行でひと安心。奥浪は空振り三振で2死となり、小田には“右前二塁打”(セカンド後方、緒方のスライディング及ばず)を許しながらも、山本は遊ゴロで無失点。9回はオリックス2人目の戸田から江越の四球と代打・西田の右前打などで2死一、二塁となり、代打・柴田がセカンドへのタイムリー内野安打(エラーかな~とも思えたプレーですが、記録はヒット)。荒木は二ゴロで試合が終わりました。

完璧なホームラン!と北條

チーム初得点となるソロホームランを放った北條選手。ソフトバンクの猪本選手に並ぶリーグトップの第5号は「完璧でした!」という当たり。「バッティングカウント(2-0)だったので、絶対打とうと思いました」と振り返ります。掛布DCは「小さくならず大きく振れと言っている。場慣れしてきたよね。体力がついてきているのが一番。ただ(打率)2割8分まで持っていって、やっと認めてあげたいな。その中での5本ならいい。まだ2割5分くらいだからね」とハッパもかけています。

なお、この日は北條選手のご両親も観戦されていて、ホームランについて伺うと「いい音が鳴りました!」とお父さん。いい当たりだったということでしょう。お母さんは「母の日のプレゼントとして、ありがたく受け取ります。いいプレゼントもらいました」とニコニコ。そうそう、母の日でしたね。それに、お2人がご覧になっている時は結構ヒットを打っているとか。親孝行だなあ。

序盤には好守備で沸かせた北條選手。終盤に完封阻止の5号ソロ!
序盤には好守備で沸かせた北條選手。終盤に完封阻止の5号ソロ!

実はお母さんのお誕生日が4月12日で、藤浪投手と同じだそうです。「今まで誰からも(と言ってお父さんの方をチラリ)何にもなかったのに、ことし初めて史也からプレゼントが!」とお母さん。「思わず『こんなのが届いたけど、もしかして誕生日プレゼント?』って聞いたら『おー』と返事が来ました。たぶん藤浪君の“バースデー何とか”の記事を見たりして思い出したんでしょう(笑)」。中身はお母さんの好きな、入団時に新聞等で書かたように北條選手自身も好きな、アロマセットだったとのこと。すごく喜んでいらっしゃいました。嬉しいものですね。

西田は24打席ぶりのヒット

西田選手は9回に代打でいい当たりの右前打。試合後にナイスヒットと言ったら「24打席ぶり…」と、小さな声でつぶやきました。ヒットが出ていなかったんですよね。打ったのは真っすぐですが、その前に「高めのスライダーを打った瞬間、またアカンって思ったけど」とホッとした様子。

8回に二塁打を放った横田選手は「泳いでました。ただそれより、きょうは3三振が…。全然ダメです。真っすぐが当たらない。そこが問題です」と反省しきりのコメントでした。

トラヴィス投手を助ける守備を見せた江越選手は「大丈夫です」と言っていましたが、フェンスにぶつかったのは頭ではなく脇腹というか腰のあたりだったようです。衝撃で一瞬、息が詰まったようになったのかもしれませんね。なお弟・海地選手に会ったと伝えたら「えっ?」と驚き、そのあと「ああ九州大会ですね」とニッコリ。また時間のある時に弟さんのことも聞きたいと思います。

トラヴィス「準備できていたのが一番」

投手陣は…なかなか話しかけにくくて、ほとんどコメントがありません。久保投手コーチも「論ずるに値しない」と厳しい言葉でした。先発した守屋投手に「プロは厳しいということ。低めに投げるのはもちろんだけど、コントロールがままならないというのはちょっとね。それも、ストライクを投げるコントロールじゃなく“打者を牛耳るコントロール”が必要。そういうところかな」と注文。投げ分けられる制球力ということでしょうか。

久しぶりに見た筒井投手はノーワインドアップモーションに戻っていました。振りかぶるのは止めたのかと尋ねると「そうではないですね。今は中継ぎで投げているんで。もうワインドアップが終わり、と決めたのではなく色々とやってみています」という答え。この日は静かなモーションでビシッと三者凡退でした。

一方的な試合の最後に、躍動感あるピッチングを見せてくれたトラヴィス投手。
一方的な試合の最後に、躍動感あるピッチングを見せてくれたトラヴィス投手。

最後にトラヴィス投手です。公式戦は2試合目の登板。前回は1死からの2/3イニングで、きのうは1イニングを投げました。「逆球とか多かったですねえ。ちょっと荒れていたかなと。その中でも修正できて、しっかり投げられたのは収穫です」。奥浪選手の空振り三振は「真っすぐ。指にかかった球でした」と笑顔。また「江越さんが全力で捕ってくれたので」と、そのおかげで先頭打者を打ち取れたことに感謝しています。

2死から二塁打を許しながらも0点に抑えたと言ったら「だいぶ試合の間隔が空いたけど、しっかり準備できたので。(1イニング無失点の)結果でなく、準備ができて臨めたことがよかったです」とトラヴィス投手。なるほど、前回が4月19日ですからね。ゲームに向けての準備も大切な仕事。この日のスタンドでは「いい投げっぷりやなあ!こういうピッチャー大好きや」とおっしゃる男性ファンの声もありました。次の登板も楽しみです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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