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15日に最後のシート打撃を終え、16日はウエスタン開幕の地へ移動《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
ファーム開幕戦に備え、福岡へ向かう2年目の横田選手(右)と1年目の植田選手。

1軍はオープン戦で関東遠征中の阪神タイガース。ひと足早くウエスタン・リーグの公式戦が開幕するファームは、きょう16日の練習後に福岡へ移動しました。あす17日からソフトバンク戦が予定されている雁の巣は、18日と19日の降水確率が少し高め。第1戦・岩本投手、第2戦・石崎投手、第3戦・鶴投手という先発になると思われますが、ずれてくるとややこしいですね。20日からの中日戦(鳴尾浜)で投げるであろう横山投手らにも影響するでしょうし。この時期の雨は本当に厄介です。

福岡遠征参加メンバーはこちら。

【投手】小嶋、石崎、高宮、藤原、鶴(後発)、山本、岩本、玉置、田面

【野手】鶴岡、清水、小豆畑、岡崎、西田、植田、横田、一二三、伊藤隼、中谷、狩野

藤井と田上は東へ

16日の鳴尾浜には、オープン戦に参加していた高宮投手、清水選手、狩野選手、中谷選手の姿がありました。まだこの時期は1軍、ファームが流動的なので昇格や降格とは言いにくいのですが、この4選手は福岡へ移動しています。そして、みんなと握手を交わして引き揚げた藤井選手、田上選手はオープン戦出場のため東京へ向かったのでしょう。おそらく西岡選手も。

前日の荷物出しで2人分だけ最後の最後まで積まれなかったので、もしや?とは思っていたんですが、1軍に合流することになった藤井選手は「ちょっと実戦の間が空いたけど、シートバッティングで打席に立てたし、まあ問題ないと思います」と話していました。

田上選手は「とにかく(1軍が)ことし初めてなので、頑張ってきます」とニッコリ。キャンプ中は毎試合のようにヒットが出ていたのに、教育リーグでちょっと打てていなかったのが心配だったと言うと「ヒットが出なかったときは気分良くなかったですね。でも最近いい感じに戻りつつあるので。いろんなコーチからアドバイスをもらって」と吹っ切れた様子でした。「ボールを迎えにいくのではなく、軸や回転を意識して打つ」ことを先日、掛布DCとも確認をしたそうです。

田上選手が取り組んできたこと、パワーアップした打撃を1軍で。
田上選手が取り組んできたこと、パワーアップした打撃を1軍で。

外野のレギュラー争いは熾烈を極めていますが「その争いの中で結果を出していくという前に、自分のことをしっかりやるだけ」と田上選手。最初は守備や走塁での起用になるとしても“パワーアップしたバッティング”も見せておきたいでしょう。「キャンプで打てている時は右方向への強い打球が多くて、それがバロメーターだった。良くない時はそういう打球が減っていましたね」。しっかり把握もできています。お、変わったな!と思わせてきてください。

小虎たちは西へ

古屋監督はウエスタン・リーグの開幕に向けて「ドキドキして胃が口から出そう」だと笑います。安芸キャンプの練習試合と春季教育リーグを合わせて、負けたのは最後の1試合のみで10勝1敗1分けという好成績でしたが「(公式戦が開幕しても)毎日が“教育”リーグだから」と監督。まさにその通りですね。

そういえば2戦目で先発予定の石崎投手が「福岡は初めてですね。(社会人時代の)キャンプで宮崎にしか行ったことがない」と言っていました。修学旅行は?と聞いたら「京都、奈良」と答えて、なぜか嬉しそうにニコニコ。また植田選手は「行ったことないかな」とつぶやいてから「あ、雁の巣に行った!」と。そうですね、忘れていました。教育リーグで10日前に行って、2試合ともヒットが出ていますよね。失礼しました。

植田選手に、今回も打ってきてと激励すると「わかりました!」と元気な返事。同じタクシーに乗り込んだ横田選手には「公式戦1号を」と声をかけたら「打ちますよ~」だそうです。残念ながら開幕3連戦は見に行けませんが、皆さんと一緒に応援させていただきます。

なおルーキーの守屋投手も福岡遠征に参加予定でしたが、きょう未明に体調不良を訴えて西宮市内の病院で診察を受け『感染性胃腸炎』と診断されたとのこと。現在は寮で静養中です。山下トレーナーによれば、急いで復帰させず完璧に治してからという話でした。

15日のシート打撃

では順番が逆になりましたが、15日のシート打撃の結果とコメントをご紹介しましょう。まず台湾から入団テストを受けにやってきた王躍霖投手(23)が登板。12日に鳴尾浜の阪神ファームに合流して13日はブルペンでピッチングを披露。きのうのシート打撃で登板したあと合否は翌日に、ということだったんですが…残念ながら不合格となりました。

また、2月の沖縄キャンプ終盤に右内転筋を痛めてリハビリをしてきた福原投手も、故障後初のシート打撃に登板。こちらは打者10人に33球投げています。なお今回はファースト・橋本打撃投手、セカンド・藤本コーチ、サード・吉田コーチ、ショート・筒井コーチ、外野は東ファームマネージャーという守備陣。もちろん選手も守りました。ただし『サード掛布』はなし。西岡選手の様子を見に来ていた風岡1軍守備走塁コーチが、少しサードをやっていたぐらいですね。

13日の超美技に続き、この日も好守!東ファームマネージャー。
13日の超美技に続き、この日も好守!東ファームマネージャー。

◆王躍霖

【横田】見三振

【岡崎】一ゴロ

【植田】二ゴロ

【田上】遊直

【小豆畑】右前打

【一二三】中三塁打★1

【西田】左前打

◆福原

【伊藤隼】左前打

【原口】二飛

【横田】中前打

【岡崎】捕邪飛

【緒方】四球

筒井“ダイナミック”和也投手は、打者10人に少し多めの51球でした。
筒井“ダイナミック”和也投手は、打者10人に少し多めの51球でした。

◆筒井

【植田】三ゴロ

【小豆畑】四球

【一二三】中飛

【岡崎】左本塁打★2

【西田】左前打

◆福原

【田上】中前打★3

【原口】捕邪飛

【小豆畑】二ゴロ

【一二三】二直

【西田】空三振

◆筒井

【横田】見三振

【伊藤隼】遊邪飛

【緒方】遊飛

【植田】左前打

【藤井】二ゴロ

登板直後の秋山投手。投球中は撮れず…すみません。10人38球です。
登板直後の秋山投手。投球中は撮れず…すみません。10人38球です。

◆秋山

【鶴岡】二ゴロ

【緒方】右飛

【伊藤隼】二直★4

【田上】遊ゴロ★5

【原口】左二塁打★6

◆歳内

【藤井】三ゴロ★7

【鶴岡】見三振

【一二三】四球

【西田】左中二塁打

【緒方】捕邪飛

◆秋山

【横田】右飛

【植田】左前打

【田上】空三振★8

【伊藤隼】中飛

【緒方】一ゴロ

歳内投手もシート打撃で、打者10人に28球を投げました。
歳内投手もシート打撃で、打者10人に28球を投げました。

◆歳内

【横田】中三塁打★9

【原口】三ゴロ

【田上】見三振

【伊藤隼】中二塁打

【緒方】右前打

★1 一二三選手の中越え三塁打は、ワンバウンドでフェンスに到達する当たり。二塁打かどうか迷いましたが、けっこう余裕で三塁へ行ったので。

★2 岡崎選手、レフトポール際に飛び込むホームラン。ランナーがいたので2ランです。

★3 中前打を放った田上選手は、1死後に小豆畑選手への初球(空振り)で盗塁成功。

★4 伊藤隼選手のライナーをセカンド・藤本コーチがバシッと捕球!本人もちょっとビックリしたような顔で、しばらく動かず。

★5 田上選手、遊ゴロにしましたが…もしかすると内野安打?ここは微妙です。

★6 原口選手は大きな当たりをレフトに。ホームランかと思ったら、二塁打だったようですね。

★7 藤井選手の三ゴロ、じつはサード・風岡コーチの横を抜けました。捕れたかな~という判断でゴロにしています。

★8 左前打で出た植田選手が、田上選手の4球目に盗塁成功。さらにキャッチャー小豆畑選手の送球が高く逸れて植田選手は三塁へ。しかし田上選手は空振り三振に倒れ、小豆畑選手が三塁に送球。植田選手は挟まれて2-5-2タッチアウト、併殺でした。

★9 横田選手はセンターのフェンスにワンバウンドで届く当たり。三塁まで到達していますが、もしかしたら二塁打?

シート打撃後の福原、原口、西田

原口選手が圧倒されたという福原投手。次は20日からの中日戦に投げる見込みです。
原口選手が圧倒されたという福原投手。次は20日からの中日戦に投げる見込みです。

右内転筋を痛めていた福原投手は、これが初めてのシート打撃登板。「いい感じでした。バッターに投げられたのでよかった。これからどんどん上がってくると思います。シートでもしっかり、相手に投げられた。自分の中では内転筋を確かめながら投げて、問題なかったです」と話しました。開幕に間に合いそう?「そういうのが一番ですけど。あしたの張りとか、みながらですかね。ちょっとずつ実戦に入っていければいいと思います」。雁の巣へは行かず、20日から始まるウエスタン・中日戦での登板になるでしょう。

久保投手コーチは「福原、順調ですよね。よかったですねえ。実戦で投げさせますよ。投げられるところまできていますから」と合格点。ここまでくればもう安心です。

15日のシート打撃で「1本出てよかった」と原口選手。今回は残留です。
15日のシート打撃で「1本出てよかった」と原口選手。今回は残留です。

緒方選手と原口選手は13日が今季初シート打撃で、その時はノーヒットだった原口選手も、15日は左越え二塁打を放ちました。「追い込まれるまでに全部決まってしまったので、13日の課題(2ストライクからの対応が悪い)はクリアできなかったけど、1本出たからよかったです」。少しホッとした顔に見えます。そして「福原さんのボールはすごいですよね。バットを出すところまでタイミングが合っているのに、そこからどん詰まり!捉えたと思ってもファウルになるし」と目を真ん丸にしていました。

「ほんとにすごい」と繰り返す原口選手に「でも1軍ではあれを打たないとね」と言ったら「そう!」と。また目が真ん丸になっていますよ(笑)。とにかく「真っすぐで、もっといい打球が前に飛ばなきゃ」とのこと。変化球は前でさばけますからね。また16日は遠征組が出発した後、1人で延々と藤本コーチのノックを受け続けていた守備でも、早く勘を取り戻さないといけません。「徐々に、なんて言っていられない。124番だから」と必死な“練習の虫”。焦りすぎないことを祈るのみです。

とにかく“始動を早く”と、暇さえあればスイングチェックに余念がない西田選手。
とにかく“始動を早く”と、暇さえあればスイングチェックに余念がない西田選手。

西田選手は4打数3安打ながら「ちょっとタイミングが合っていなかったり、ボール球に手を出したりした」と納得できなかったのか、浮かない表情です。「でもそんなに考えすぎたら崩れるので。タイミングだけですね。始動を早くしないと」。構えに入る時、動かしているバットのグリップが以前より低い位置にあるような感じですが、そこから打ちにいく際のタイミングが「まだ遅い」と言っていました。きょうも練習後に、自身のフリー打撃の動画を見ながら念入りにチェック。雁の巣で成果が出るといいですね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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