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教育リーグは劣勢の展開で降雨ノーゲーム。連勝は継続?《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
きのう夕方の鳴尾浜球場。さらに夜中まで本降りでしたが…きょう8日は大丈夫です!

きのう7日は1週間ぶりに鳴尾浜でのゲームでした。週間予報では雨だったものの、2日前くらいから傘のマークが取れて喜んでいたのです。朝早くに降った雨も特に影響がなかったので試合はできるだろうと思いきや…正午過ぎからポツポツし始めた雨は一向に止む気配がなく、それどころか本降りになってしまいました。

甲子園で13時に始まった1軍のオープン戦(対西武)も雨の中で、13時28分から中断して13時35分にノーゲーム。2回表1死だったそうですね。ちょうどその頃、4回表が終わった鳴尾浜も13時36分から中断、2分後に降雨ノーゲームとなっています。

しかし鳴尾浜は降り続く雨にも負けず、グラウンド状態は良好でしたね。最後はもう水が浮いてきたけれど、そこまで持ちこたえたのはさすがです。阪神園芸さんの力をもってすれば、ゆうべ夜中まで続いた雨もなんのその!きょうの試合は甲子園、鳴尾浜とも問題なく行われるでしょう。

甲子園と鳴尾浜、選手の入れ替えも

きのうは1軍オープン戦とファーム教育リーグで選手の入れ替えが何人かありました。清水選手、関本選手、狩野選手、そして新入団選手紹介が甲子園の試合前に行われるため“1日限定昇格”となったルーキー・植田選手が甲子園に。岡崎選手、伊藤隼選手、中谷選手、横田選手と北條選手が鳴尾浜で試合に出場。北條選手は植田選手の代わりだったので、きょうは甲子園です。

さて、ウエスタン春季教育リーグのオリックス戦は雨の中、歳内投手とオリックスのドラフト1位ルーキー・山崎福也投手の先発で始まりました。ノーゲームではありますが、4回表までの試合結果と経過をご紹介します。

《春季教育リーグ》3月7日

阪神-オリックス (鳴尾浜)

オリ 011 0

阪神 000

※4回表終了 降雨ノーゲーム

◆バッテリー

【阪神】歳内-筒井 / 小豆畑

【オリ】山崎福(3回) / 伏見

◆二塁打 岩崎 

◆打撃(打-安-点/振-球/盗塁/失策)

1]一:中谷   (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0)

〃左:田上   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

2]二:北條   (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

3]中:横田   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

4]右:伊藤隼  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

5]指:俊介   (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0)

6]左一:一二三 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

7]三:岡崎   (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

8]捕:小豆畑  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)

9]遊:西田   (1-1-0 / 0-0 / 0 / 1)

◆投手(打-振-球/暴投-失策/失)最速キロ

歳内 3回 63球 (6-4-2 / 1-0 / 2) 139

筒井 1回 16球 (2-1-1 / 0-0 / 1) 140

雨が降り続いた試合は…

歳内投手が、オリックスの奥浪選手からフォークで空振り三振を奪う瞬間です。
歳内投手が、オリックスの奥浪選手からフォークで空振り三振を奪う瞬間です。

歳内は1回、先頭の武田からフォークで空振り三振を奪ったあと岩崎に二塁打を浴び、鉄平の一ゴロと伏見への四球で2死一、三塁としますが、宮崎は見逃し三振で無失点。しかし2回、先頭の谷に四球を与え、7番・縞田は右前打、奥浪は三振で2死となるも、山本に左前打されて1死一、三塁。武田の遊ゴロ併殺崩れの間に1点を失いました。なお武田は歳内自身が牽制で刺しています。

3回はショート西田の送球エラーで岩崎を出し、盗塁と暴投で無死三塁となって、鉄平の右前タイムリー。鉄平の代走・吉田雄の盗塁を小豆畑が阻止したものの伏見に中前打されます。2死後に代打・カラバイヨの中前打で一、二塁のピンチを迎えましたが、縞田を空振り三振に仕留めた歳内。3回で63球を投げ6安打2失点です。

打線はオリックスのドラフト1位・山崎福也の前に、1回も2回も三者凡退。3回もあっさり2死を取られたあと西田が右前打、中谷も左前打で続き一、二塁とします。続く北條はフルカウントから遊ゴロに倒れて得点なし。山崎の方は3イニングでわずか36球でした。試合開始前から降り出した雨は一向に上がらず、それでも問題なく見えたグラウンドですが、ジワジワと水が浮き始め一気にぬかるんできます。そんな中で試合は続行。

4回表は筒井が登板しました。確かに筒井投手です。背番号も中身も筒井投手、なんですけど…豪快に振りかぶって投げるフォームは、まるで別人。驚いて見ていて、写真を撮らなくちゃと思った時には先頭の奥浪を四球で出してしまったので間に合わず、残念!次の山本は空振り三振、武田を二ゴロ併殺に切って取り、3人で片づけています。

ここで試合は中断。ホームベースとマウンドにシートがかけられた2分後、審判からノーゲームが告げられました。2点のリードを許していた阪神ですが、試合は成立しなかったので負けていませんね。つまり、負けなしの9連勝は継続ってことでいいんですよね。いいことにしましょう。

歳内、右肩痛からの復帰

歳内投手はキャンプ中に痛めた右肩が治って、久しぶりの実戦登板でした。
歳内投手はキャンプ中に痛めた右肩が治って、久しぶりの実戦登板でした。

キャンプは沖縄からスタートした歳内投手ですが、右肩痛を発症して後半は安芸で過ごしました。実戦登板は沖縄キャンプ以来、約1か月ぶり。「肩の状態も良くなり、痛みなく投げられるようになってきました。キャンプ終盤からやっと普通に投げられるようになってきた」と話しています。

試合を振り返って「ヒットを打たれるのは気にしていませんでしたが、3イニング投げてみて、今まで投げ込みができていなかったから疲労感が強いです」とのこと。球種は真っすぐとフォーク、シュート、カーブで、フォークが多かったそうです。「ちょっと出遅れたけど、これからしっかりやっていきたい」と締めくくった歳内投手。これでシーズンへ入っていける目処が立ちましたね。

変身?筒井“DYNAMIC”和也

あのダイナミックな投球フォームについて少しお話しましょ、と声をかけると筒井投手は「ダイナミックですか~」と笑いながら対応してくれました。初めて見たんですが、いつから?「きょうです。きょうの朝、思いついて。キャッチボールは3日前からやっていたんですけど、ブルペンではきょう初めてですね」。それですぐ試合で投げたわけですか。

「この時期にここで投げるということで、逆に何でもできるなと思った。ただ抑えるとか、きれいなボールを投げるとかじゃないので…やってみました!ブルペンで『この方がボールは見にくいですよ』と言われたし、試合でキャッチャーも『いい感じ』だと。それにバッターも、とにかく手を出してきていましたしね。3日前、由宇でキャッチボールをしていて、振りかぶって放ってみたらすごく楽だったんですよ」

誰のイメージかと聞かれた筒井投手。「う~ん、江夏豊さん。というか、昭和のピッチャーみたいな感じですかねえ。今はいないじゃないですか、そういうピッチャー。でも、まだ試しにやっているだけですよ。1000回くらいシャドーピッチングしないとコントロールが(笑)。ランナーにも走られまくるでしょう(笑)」

とはいえ、どうしても試してみたかったため、あの雨は気が気じゃなかったそうです。投げる前に中止になったら困ると。何とか3回が終わったものの、自身がマウンドに上がった時に審判から「足元は大丈夫?投げられる?無理かな?」と聞かれたとか。でも投げたい筒井投手は投球練習をしてOKを出したと言います

「あそこで、砂を入れた方がいいなんて答えていたら、続行できなかったかもしれませんね」。かなり冷え込んでいたし、内野の水も浮いていたので、中止は否めない状況。「でも投げたかったんで。予定は2イニングだったけど、1イニングでもいいから」。なるほど。今後も続けるかどうかはわからないみたいですが、とにかく何かを変えたい筒井投手の気持ちが表れたダイナミック投法でした。

試合後も雨は降り続き、こんなぬかるみになりました。シート部分がマウンドのあたり。
試合後も雨は降り続き、こんなぬかるみになりました。シート部分がマウンドのあたり。

掛布DC「中谷は今が勝負」

中谷選手については、掛布DCの話をご紹介しましょう。2打席目の3回にチャンスを広げるヒットを放った中谷選手。変化球をうまく拾った左前打でした。「1軍のゲームに出ている経験が、ああいうバッティングになった。結果につなげているね。彼は本当に今、勝負でしょう。守れるからね。肩の強さもあるし。上でも(降格になるかという)危ないところでホームランを打ったり、右打ちでヒットにしたり。何かを残して2月、3月を過ごす。課題も見つかっただろう。長所もわかるだろう」

今回はファームで、ということになったものの「1軍ならその長所を伸ばせばいい。ファームに落ちたとしても1年は長いから、また呼ばれる。横田もそう。いい経験しただろうね」と掛布DCは話しています。そのあと「1人くらい、下から上がって残ってほしい気持ち、オレにはあるんだけどね」という言葉もありました。

自信を持って1軍へ、俊介

ノーゲームになったあと室内でのバッティングやウエートトレーニングをして、帰り支度を始めた俊介選手。それにしても荷物が多いなあ、もしかして?と思ったら、やはり昇格のようです。「今までやってきたことを出して、しっかりアピールするしかない」というのが現在の心境。他の外野手のことは気になったかと問われ「今はもう自分のことをしっかりやるだけ。気にならないといったら嘘になりますが」と答えています。

見てほしいところは?「バッティングもそうですし、全体的にレベルアップできたと自分では思っているので、そこをしっかりアピールしたいですね」。プロ初の安芸キャンプスタートではありましたが「やることは一緒なので気にせず、自分の課題を持ってやれたなと思います」とのこと。いよいよ巻き返しの時が来ました。「そうですね。頑張ります!」

横田「レベルが全然違いました…」

そして、安芸キャンプ後の先月28日から1軍に帯同し、オープン戦にも出場してきた横田選手が鳴尾浜の試合にことし初参戦。「レベルが違ったので、そこを詰めていきたい。いろいろ課題も見つかりました」と1軍での感想を語っています。一番の課題は?「1軍のピッチャーは全然違いました…」。これからファームで「まず結果を出していきたいです。勉強?すべてです」と横田選手。

でも「試合までの準備とか、試合に対する意識とか、全然違うなと思った」と言うように、肌で感じてきたものは人から伝え聞くより、ずっと大きな収穫になったでしょう。先輩方にも話しかけてもらって、いろいろ話せたと振り返りました。次に上がるのは公式戦。その時はさらにパワーアップして、みんなの視線を釘付けにしてきてくださいね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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