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秋季キャンプスタート! の前にフェニックスリーグの個人成績 《阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
先月27日までフェニックスリーグが行われていたサンマリンスタジアム宮崎。

11月になりました。1軍が初めてCSを突破して9年ぶりの日本シリーズに進出したのも、その日本シリーズで29年ぶりの日本一を逃したのも先月のこと。タイガースとタイガースファンの皆様の視線は、もう来シーズンへ向かっていることでしょう。われらが小虎たちも、きょう1日から高知県安芸市で秋季キャンプに突入。先日、発表された秋季キャンプの日程とメンバーを改めて書いておきます。

期間は11月1日(土)~11月20日(木)まで。休日は6日(木)、12日(水)、16日(日)ですが、天候により変更される可能性もあります。メンバーは以下の通り。

【投手】13人

榎田、藤原、秋山、小嶋、田面、鶴、山本、岩本、白仁田、二神、伊藤和、玉置、島本

【捕手】5人

小宮山、清水、小豆畑、岡崎、原口

【内野手】3人

西田、黒瀬、陽川

【外野手】4人

柴田、横田、一二三、中谷

毎年、阪神ファームは安芸の秋季キャンプと、鳴尾浜に残っての秋季練習と2つに分かれていますが、ことしはほとんど全員が安芸へ向かいました。日本シリーズに出場していない25人です。いつもなら1軍の監督やコーチと30人前後の若手選手たちが安芸で、それ以外の選手たちはファームの監督とコーチの指導で“鳴尾浜キャンプ”、1軍レギュラー陣はオーバーホールや自主練習となるところ。でも今回はフェニックスリーグのメンバーがそのまま安芸へ移動したような感じですね。

日本シリーズが、望んでいたよりも早く終わってしまった1軍は6日までお休みで、7日から秋季練習が始まると聞きました。ただし若手の何人かは早々に安芸キャンプへ合流し、また日米野球のあとに安芸へ行く選手もあるみたいです。ではファームの選手が途中から鳴尾浜へ戻ってくるのか、コーチ陣はいつ1軍と入れ替わるのか、そのあたりは把握できていなくて…すみません。さらに、第2クールからは鳴尾浜で練習する選手もいるのでしょうけど、タイガースの公式サイトによれば『安芸キャンプ中はスタンドの開放を行っておりません』とのこと。残念です。

原口、横田も安芸へ!

秋季キャンプで安芸へ行ったメンバーの中に原口選手と横田選手の名前もあります。30日、元気に荷物を出す2人に会えました。横田選手はシーズン終盤に腰の張りで戦線離脱。その後はずっと別メニューで、途中から行きたいと楽しみにしていたフェニックスリーグも結局見送られ、鳴尾浜で過ごしました。「めっちゃ寂しかったですよ」。そうでしょうね。みんなが帰ってきて賑やかになったけど、またすぐに置いていかれたら…という心配は無用です。一緒に安芸へ行きました。

ようやく安芸キャンプから合流できそうで、笑顔いっぱい、元気いっぱいの横田選手。
ようやく安芸キャンプから合流できそうで、笑顔いっぱい、元気いっぱいの横田選手。

実はまだ打撃練習は室内のみの横田選手。残留中にもフリーバッティングをしていなかったのですが「キャンプからやります!外で打ちますよ」と満面の笑みでした。大事をとって、と言われてから1ヶ月以上。長かったですもんねえ。荷物を積みながら、もうウズウズしているようで終始ニコニコです。張り切りすぎないように気をつけてください。

フェニックスリーグの第3クールで右肩を痛め、無念の途中帰阪となった原口選手ですが、幸い大事には至らず順調に回復。この日、鳴尾浜にキャンプの荷物を持ってきた掛布DCから「おお~どうだ?」と声をかけられ「大丈夫です!キャンプ行きます。またお世話になります!」と大きな声で返事をしていました。グラウンドでの練習が14時前に終わり、そこから荷物を出す前に延々と室内で打ち込む原口選手。

原口選手はフェニックスに続くアピールを安芸で!と誓っています。
原口選手はフェニックスに続くアピールを安芸で!と誓っています。

あえて高い目標を自身に課して臨んだフェニックスリーグで、練習試合を含む7試合にフル出場してノーヒットは1試合だけです。6試合のうち4試合でマルチヒット(1試合は3安打)を放ち、ホームランも1本!5試合以上出た選手の中では断トツの打率.379でした。平田監督も「原口はよく打った」と名前を挙げたくらいで、本人も手応えはあったはず。だから余計にケガが悔やまれますね。MVPがあったかどうかは不明ですけど、それを狙えるぐらい頑張ったのでしょう。支配下選手に戻りたい一心で。でも安芸で引き続き猛アピールをすると宣言していました。

まずは宮崎で出た課題をクリア

小豆畑選手はフェニックスリーグを振り返って「いいところも悪いところも出たから100点」と言います。悪い面も出たからこそよかった、ということだそうです。捕手でのフル出場も多く「出続ければ、やはりミスも出る。途中からや短いイニングではやらないミスも。これは試合に出てわかることなので、ミスはよくないけどいい経験。そういう意味ではいいフェニックスでした。キャンプでは、その課題をクリアすることと技術向上!これしかありません」と気合いが入ります。

「悪い部分が出たからこそ100点」とフェニックスを振り返る小豆畑選手。
「悪い部分が出たからこそ100点」とフェニックスを振り返る小豆畑選手。

ラストで荷物を積み込んだ陽川選手は「課題が見つかったフェニックス」だそうです。課題は「すべて」と即答。バッティングは、ヒットを打っても自分では調子がよくなかったという宮崎で、守備でも「いろんなところを守らせていただいて各ポジションの難しさを痛感しました。打球に対する反応ってのが、まだまだです」とのこと。「秋季キャンプでは、何かひとつというより全体的にレベルアップして帰ってきたいで。全部は難しいけど、何かしらコツみたいなものを覚えられたら、来年はもう少しスムーズにいけるかなと思います」

初めてのフェニックスリーグから持ち帰った課題を秋季キャンプで克服したい陽川選手。
初めてのフェニックスリーグから持ち帰った課題を秋季キャンプで克服したい陽川選手。

それでは最後に『2014年みやざきフェニックスリーグ』に出場した選手の個人成績をご紹介しましょう。CSや日本シリーズの調整で出た選手も一緒に書きました。休日に行われた練習試合も含んでいます。フェニックスリーグは公式記録員がいないので、ヒットとエラーの区別や自責点など他の記録と違っているかもしれません。あくまで参考程度の、ゆるーい感じでご覧いただければ幸いです。

《フェニックスリーグ 全選手成績》

【野手】(打数-安打-打点) 打率

小宮山  11試合 (32-7-1) .219

鶴 岡  1試合 (2-2-0) 1.000

梅 野  5試合 (16-3-1) .188 ◆

清 水  10試合 (29-4-1) .138

今 成  3試合 (4-1-0)   .250

藤 井  1試合 (1-1-0) 1.000

小豆畑  12試合 (36-9-2) .250

原 口  7試合 (29-11-5) .379 ◆

北 條  17試合 (58-17-5) .293

関 本  1試合 (1-1-0) 1.000

上 本  1試合 (5-0-0)   .000

ゴメス  1試合 (3-1-0)   .333

西 岡  2試合 (4-0-1)   .000

新井貴  1試合 (2-0-0)   .000

新井良  1試合 (5-1-0)   .200

西 田  14試合 (39-6-3) .154 ◆

坂    2試合 (7-5-3)   .714 ◆

陽 川  16試合 (57-13-3) .228

荒 木  5試合 (15-5-1) .333

柴 田  15試合 (32-10-5) .313

大 和  1試合 (5-2-1)   .400

福 留  1試合 (3-1-1)   .333

マートン 1試合 (2-1-0)   .500

一二三  15試合 (48-12-3) .250 

伊藤隼  5試合 (18-5-1) .278

中 谷  15試合 (54-12-1) .222

田 上  6試合 (9-2-2)   .222

俊 介  5試合 (14-2-0) .143

狩 野  10試合 (18-3-3) .167

◆は本塁打

【投手】(安打-三振-四死球) 防御率

渡 辺 2試合 2回 (1- 1- 1) 0.00

能 見 1試合 3回 (3- 5- 3) 9.00

藤 原 6試合 8回 (9- 7- 4) 3.38

安 藤 1試合 1回 (1- 1- 0) 0.00

岩 貞 3試合2.1回 (0- 3- 0) 0.00

藤 浪 1試合 3回 (1- 5- 1) 0.00

筒 井 2試合 3回 (3- 4- 0) 6.00

岩 田 1試合 2回 (1- 1- 0) 0.00

歳 内 1試合 2回 (3- 1- 0) 4.50

秋 山 3試合 13回(12-15-2) 3.46

福 原 1試合0.2回 (2- 1- 0) 0.00

小 嶋 7試合 9回 (7-14-1) 0.00

高 宮 1試合 1回 (0- 0- 0) 0.00

田 面 6試合 10回 (8- 9- 8) 6.30

鶴   2試合 10回 (8- 5- 1) 0.90

山 本 3試合 14回(16-16-3) 4.50

金 田 1試合 1回 (1- 0- 1) 0.00

建 山 2試合 2回 (3- 2- 0) 9.00

松 田 1試合 1回 (0- 2- 0) 0.00

岩 本 3試合 15回(19-13-4) 6.00

白仁田 6試合 9回 (1-10-2) 0.00

二 神 6試合 8回 (5-11-0) 0.00

岩 崎 2試合 11回 (3-22-3) 0.00

玉 置 6試合 8回 (4- 6- 0) 0.00

島 本 2試合 9回 (2- 9- 1) 0.00

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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