21日、フェニックスリーグが行われている宮崎で『侍JAPAN 21U ワールドカップ 出場登録選手』の発表記者会見が行われました。これまで野球の日本代表はその都度いくつかあったのですが、今はプロとアマが結束してトップチームを頂点に、社会人、21U、大学、18U、15U、12U、そして女子野球と、全世代が“ひとつの野球日本代表”となる侍ジャパン。みんなが同じユニホームを着て、すべての世代で世界一を目指します。

ちなみに、よくサッカーなどで耳にするのは「U23」とか「U21」ですよね。なぜ侍JAPANは「21U」や「18U」なんでしょう？とても気になって以前、NPBの方にお聞きしたことがありました。すると「野球の場合はこれが正しいのですが、実は来年から変わります」とのこと。IBAF(国際野球連盟)の決定により大会名が変更されて、例えば18際以下の場合、ことし9月の大会は「18U」で来年大阪で行われる大会は「U18」になるとか。それに合わせて侍JAPANの代表チームも「U○○」に変わるわけですね。

19歳から22歳の若き精鋭たち

その21歳以下の代表選手たちが、このたび決定。資格があるのは1993年以降に生まれた選手で、それ以外に1991年と1992年生まれの選手を対象とした「オーバーエイジ枠」が登録6人、同時出場3人まで認められています。6月30日に阪神のファーム監督・平田勝男氏が監督に、巨人のファーム投手コーチの豊田清氏がコーチに就任。候補として阪神の北條選手らの名前も挙がっていました。

この日の阪神はアイビースタジアムで斗山ベアーズと試合があり、終了後に宿舎へ戻って着替えた平田監督と北條選手、そしてソフトバンクの牧原選手の3人が会見に臨みました。まず最初に平田監督が、本来は登場用のミュージックに乗って颯爽と入場のはずだったんですけど、もう会場の中へ足を踏み入れたところで待ったが…。「え、まだなの？」「音楽がかかります」「あ、そう」という外のやり取りがまる聞こえ(笑)。なんせ平田監督の声は通りますから。

改めて入場した平田監督がひな壇に着席後、出場登録選手の名前を読み上げました。24選手のうち、今回は18選手のみ。残る6選手は後日発表されます。なお、きょう行われたドラフト会議で、阪神が横山雄哉投手を1位指名！野村亮介投手も中日に1位で指名されました。さらに注目ですね。

侍JAPAN 21U W杯 出場登録選手

(数字は背番号　※オーバーエイジ枠)

【投手】

中村　勝 　11　日本ハム※

戸田隆矢 　14　広島

上沢直之 　18　日本ハム

森　雄大 　15　楽天

野村亮介 　16　三菱日立PS横浜

横山雄哉 　21　新日鐵住金鹿島

山岡泰輔 　19　東京ガス

田口麗斗 　17　巨人

平良拳太郎 26　巨人

【捕手】

高城俊人　10　DeNA

近藤健介 　 5　日本ハム

若月健矢　27　オリックス

【内野手】

牧原大成 　 9　ソフトバンク※

三好　匠 　 2　楽天

北條史也 　 3　阪神

辻　東倫 　 6　巨人

【外野手】

武田健吾 　 7　オリックス

鈴木誠也 　 1　広島

日の丸2度目の北條、初の牧原

そのあと、代表で会見に参加するソフトバンク・牧原選手と阪神・北條選手が入場。北條選手は紺のユニホームでした。3人揃ったところで、まず1人ずつ挨拶です。

平田監督

「初めてJAPANのユニホームに袖を通しました。非常に重みを感じております。今回は第1回のワールドカップということ。大学、社会人との混成チームで、しっかり優勝を目指してやっていきたいと思います。よろしくお願いします」

牧原選手(ソフトバンク)

「このたび代表チームに選ばれた牧原大成です。今まで野球をやってきて代表に選ばれるのは初めてで、いろんな重圧はありますが、この侍JAPANのユニホームに袖を通したことを誇りにしっかり頑張っていきたいです」

北條選手(阪神)

「アンダー21代表に選ばれた北條史也です。今回はみんな、すごい選手が来ると思うので自分なりに研究して…観察していきたいと思います。いい経験にできるよう頑張ります」

実は北條選手、アイビースタジアムでの試合後に挨拶の言葉を先に教えてくれたのですが、本番では“観察”の単語がすぐ出てこなかったようで、ちょこっと詰まりましたね。なお背番号は3で「2は三好さんがいるので」と、そこは1つ年上の楽天・三好選手に譲ったもよう。ですが「そんな、ひとケタってだけでもう！」と珍しく興奮気味です。いい番号ですよ。ねえ、関本選手。

続いての質疑応答は、実際の会見と順番を入れ替えてご紹介します。ご了承ください。

改めて日の丸のユニホームを着て戦う気持ちを聞かれた2選手。北條選手は「日の丸をつけることは高校で1回あったんですけど、気持ちがたかぶります。責任感を持ってプレーしたいと思う。結果にこだわってシーズン中はやってきたので、台湾でも結果にこだわり優勝を目指したいです」。牧原選手は「代表に選ばれるのは人生初で、しかも今回は日本代表。重圧を逆に楽しめるようリラックスしていきたいです。いろんな選手のプレーを見て吸収しつつ、やるべきことをやって優勝に貢献できたらいいなと思う」と語りました。

「非常に楽しみ」と平田監督

平田監督には、どう戦うかという質問だったような気がするんですけど、すみません。またメンバー選考についての問いもありましたので、合わせた答えを書いておきます。

「初めてのことだし、世界のレベルもわからないので、ユニホームに袖を通した選手も興奮すると思います。この景観を生かして、トップを目指す選手になってほしい。プレッシャーを跳ね返すくらいの練習を積んでやりたいですね。ピッチャーを中心とした守り、足を使った攻撃と日本の特徴を生かした野球を、このワールドカップで見せたい。メンバーはシーズン中にイースタン、ウエスタンで好成績を残した選手をもとに、将来性も見据えて選考しました」

最後に、4番と投手の柱について聞かれた平田監督。「4番は当初、西武の山川選手を候補として挙げていて、このまえ南郷で試合をした時に『頼むぞ～！』と言ったのに故障したということで。残念ですねえ。合宿で見極めて決めたい。ピッチャーはCSで見た上沢くん。CSでいい経験してくれている。同じ日本ハムの中村くんと2人、軸になるかなと思っています。社会人の3人もスピードがあるし、豊田コーチと話をしながら決めたい。非常に楽しみですね」。その言葉通り、何もかもが楽しみで仕方がないといった様子でした。

大会概要と今後の予定

11月7日から16日まで台湾の台中で開催される『第1回 IBAF 21U ワールドカップ』。参加は11か国で、グループAはチャイニーズ・タイペイ、チェコ、イタリア、韓国、メキシコ、ニュージーランドで、グループBは日本、オーストラリア、オランダ、ニカラグア、ベネズエラです。

日本の試合(1次ラウンド グループB)は

7日　13:30　オーストラリア

8日　19:30　ベネズエラ

9日　13:30　オランダ

11日 13:30　ニカラグア

1次ラウンドの上位3チームが、グループAの上位3チームと総当たり戦を行う2次ラウンドは13日～15日。そして16日に決勝ラウンドとして、決勝と順位決定戦(2次ラウンドの1位と2位、3位と4位、5位と6位)が行われます。いずれも場所はインターコンチネンタル球場です。

代表チームはフェニックスリーグ終了後、ほとんど休む間もなく始動。10月30日から11月4日まで東京で合宿を行い、その間にジャイアンツ球場で巨人ファームと強化試合(11月3日14時～、4日13時～)も予定されています。そして5日に台湾へ移動という日程。ちょうど台湾での大会と同じ頃に、日本ではトップチームによる日米野球があるんですよね。同じユニホームを着る“侍JAPAN”として、21U代表がトップに負けないプレーを見せてくれることに期待。もちろん目指すは第1回のチャンピオンです！