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阪神ファームは小鷹に逆転勝利!また秋の戦いで好スタートを切った、もと小虎たち

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

きのう2日の阪神タイガースは、1軍もファームも揃って接戦をものにしました。ナイターのDeNA戦は9回に逆転サヨナラ勝ち!ホームインの判定を不服とした中畑監督が球審に体当たりし、退場を宣告されてもなお猛抗議は続いていましたね。それにしても、あとで「あの勝ちが大きかった!」と振り返ることになりそうな試合。興奮のあまり、珍しくカミカミだった今成選手のお立ち台も忘れられないでしょう。

ソフトバンク戦の連敗が5でストップ

そしてファームは昼間…じゃなくて朝ですね、きのうはヤフオクドームでソフトバンクが親子ゲームだったため、ウエスタン・ソフトバンク-阪神戦は朝10時10分プレーボールでした。阪神は12三振を喫し、わずか5安打ながら4本が二塁打で効率よく得点。投手陣は4回までに6安打と3四球で2点を失った岩本投手が中盤はしっかり抑え、以降は3投手が3イニングで計6奪三振無失点の好リリーフ!このカードの連敗を5で止めました。

ソフトバンクは、8月30日と31日に2位・広島との直接対決があり、その初戦で勝てば優勝へのマジックナンバーが点灯するはずでした。ところが連敗…。2日は阪神に負けて3連敗となり、かたや広島はオリックスに勝って5連勝!その差は4.5ゲームと縮まっています。そういえば昨年も、広島は9月に8連勝してソフトバンクの胴上げを阻んでいましたっけ。ことしは残り試合が同じ16、早ければ5日にもマジック点灯の可能性があり、その時にはもう1ケタの数字が出るソフトバンク。ただし、あくまでも“早ければ”です。それに直接対決が5試合も残っていますので、まだわかりませんね。

《ウエスタン公式戦》9月2日

ソフトバンク-阪神 23回戦 (ヤフオク)

阪神 001 002 000 = 3

ソフ 001 100 000 = 2

◆バッテリー

【阪神】○岩本(5勝3敗)-松田-玉置-S小嶋(2勝5敗11S) / 岡崎

【ソフ】嘉弥真(回)-●笠原(4勝2敗)(6回) / 山下-拓也

◆三塁打 塚田

◆二塁打 牧原、岡崎北條、亀澤、陽川原口

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]右:緒方 (4-0-0 / 2-1 / 0 / 0) .301

2]遊:北條 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .238

3]二:黒瀬 (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .236

4]三:陽川 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .254

5]指:高山 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .167

6]一:原口 (2-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .250

7]左:中谷 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .180

8]捕:岡崎 (2-1-1 / 0-1 / 1 / 0) .271

9]中:横田 (4-0-0 / 3-0 / 0 / 0) .188

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

岩本 6回 103球 (6-5-3 / 2-2 / 3.60)

松田 1回 18球 (0-3-0 / 0-0 / 5.40)

玉置 1回 15球 (1-1-0 / 0-0 / 2.63)

小嶋 1回 12球 (0-2-0 / 0-0 / 4.25)

5安打のうち4本が二塁打

まず3回、先頭の岡崎が左中間二塁打を放つなど2死三塁として、北條の左中間二塁打で先制。ところがその裏、岩本は1死後に高田の中前打、続く2番・塚田の右中間三塁打で追いつかれます。4回にも先頭の7番・亀澤の左翼線二塁打、山下への四球などで2死一、三塁となり塚田のセカンド内野安打で勝ち越しを許しました。

しかし6回、1死から陽川の左翼線二塁打と連続四球で満塁として中谷の左前タイムリー!続く岡崎の右犠飛で、この回逆転に成功です。8回は2死から原口が左翼線に二塁打を放ちましたが、中谷の打ち上げた飛球をセカンドの高田が超ファインプレーでキャッチ。9回は三者凡退で攻撃を終えます。

岩本は5回、6回を三者凡退に切って取り、7回は松田が三者連続三振!8回の玉置は先頭の牧原に中前打されるも岡崎が盗塁阻止、江川は投ゴロ、猪本が三振と3人で片づけました。そして9回は小嶋。李杜軒を空振り三振、代打・勧野は中飛、拓也は見逃し三振で試合終了。

なお夜のヤフオクドームでは首位攻防のソフトバンク-オリックス戦が行われ、延長12回引き分け。球場関係者の皆様は長い長い1日で大変、と思ったら午前中に超ファインプレーを見せた高田選手は夜も代打で出て守備にもついていたんですよね。お疲れ様でした。

社会人野球は秋の戦いに突入

さて、ここからは社会人野球で頑張っている“もと小虎”の話です。7月の都市対抗野球が終わり、次は11月に京セラドームで行われる社会人野球日本選手権となります。その本大会出場をかけて、近畿地区でも2日から最終予選が始まりました。昨年までタイガースにいた藤井宏政選手が所属するカナフレックスは、第2試合で京都の島津製作所と対戦。8回コールド勝ちで2回戦進出です。

第40回記念 社会人野球日本選手権大会

《近畿地区最終予選》わかさスタジアム

2日◆1回戦第2試合◆

カナフレックス-島津製作所

カナ 102 012 01 = 7

島津 000 000 00 = 0 (8回コールド) 

藤井選手は3番ショートで出場。1回に先頭の山内選手が三塁打を放ち、1死後に藤井選手は四球を選びますが、これをキャッチャーが後逸して1点先制。3回には4番の主将・北條選手が2ラン。5回は左前打した山内選手が犠打で二塁へ進み、藤井選手のタイムリー二塁打で生還!6回に2点、8回に1点を加えて計7得点。8回裏を0点に抑えたところで規定によりコールドゲームとなりました。先発は監督の飯田祥投手で、8回96球を投げ4安打3三振1四球の完封です。

昨年11月、合同トライアウトを終えた(左から)野原選手、藤井選手、穴田選手
昨年11月、合同トライアウトを終えた(左から)野原選手、藤井選手、穴田選手

第1試合のトータル阪神‐履正社学園戦が延長に入り、タイブレーク方式(1死満塁で打順は好きなところから始める)の13回までもつれ込んだため、第2試合の開始は予定より1時間以上遅れました。でも気持ちを維持できていたんでしょうね。9安打7得点、8回完封勝利。きょう3日の2回戦は日本生命との対戦です。きのう2打数1安打1打点で2四球だった藤井選手は「日本生命、強すぎます」と言っていましたが、最初にポンポンと得点すれば有利に進められるはず。頑張ってください!

そして、きょう3日からは九州地区でも最終予選が開幕。北九州市民球場での1回戦第1試合、野原将志選手が所属する三菱重工長崎は沖縄のエナジックに2対1で勝ちました。

第40回記念 社会人野球日本選手権大会

《九州地区予選》

3日◆1回戦第1試合◆(北九州市民) 

三菱重工長崎-エナジック

三菱 100 000 100 = 2

エナ 100 000 000 = 1

野原選手は5番ファーストで出場。打った?と聞いたら「決勝タイムリー」という返事が来ました!初回に1点ずつ取ってから動きのなかった試合で、7回に野原選手が放ったタイムリー二塁打で勝ち越しています。その1点を守り切って初戦突破。夏から副主将となり、公私ともに責任を背負った野原選手が決勝打というのは本当に嬉しいですねえ。成績は3打数2安打だったとか。あす4日はHonda熊本との対戦に「頑張ります!」と言っていました。

また穴田真規選手の所属する和歌山箕島球友会はクラブチームのため日本選手権予選に参加できませんが、5日から始まる第39回全日本クラブ野球選手権(西武ドーム)で連覇すれば、昨年に続いて本大会出場の権利が得られます。野原選手は北九州で、藤井選手は京都で、そして穴田選手は埼玉で、11月の大阪を目指す戦い。勝ち抜いて、みんな揃って京セラドームへ来てください。待っていますからね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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