Yahoo!ニュース

この24年間でワーストの9連敗となった阪神ファーム

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

先週後半はウエスタン公式戦が組まれていなかった阪神ファーム。土日は大学との交流試合で連勝したせいもあって忘れていたけど、7連敗中だったんですよね。そして26日の広島戦にも敗れ、2012年3月24日~4月7日以来、2年4ヶ月ぶりの8連敗となりました。以前は1つ引き分けを挟んでのもの。今回は正味の8連敗です。

そんなことを言っていたら、きのう27日も負けてしまって9連敗。これって、いつ以来なんだろう?阪神ファームの取材をし始めてから22年目ですが、その間にはなかったような…。リーグ5位とか6位だったシーズンでさえ、そこまで負け続けてはいなかった気がします。私の残している資料だけでは心もとないので、調べてもらいました。

1991年から現在までで最多

スポーツニッポン新聞社の記録部さんによると、ちゃんとした記録は1991年以降しか残っていないとのこと。そりゃそうですよね。だから昔はデータ調べも大変でした。で、その1991年から昨年までの間に阪神ファームのウエスタン公式戦の9連敗はなかったそうです。というわけで「9連敗は、この24年間におけるチーム・ワースト記録」に決定。

ちなみに1971年に「12連敗」という記録があるんですって。なので阪神のファーム史上最多というわけではありません。そして1972年から1990年までの間に、この12連敗が更新されている可能性もゼロではないですね。なかなかないでしょうけど。まさか9連敗までいくとは思っていなかったため、いったん記事を出した後ではありますが加筆、修正させていただきました。ご了承ください。

さて、この広島戦に阪神が連勝したら、ソフトバンクに優勝へのマジックナンバーが出たところですが、昨年同様に広島は負けません。それにしてもソフトバンクが60勝28敗2分けで貯金が32。2位の広島は50勝31敗5分け。3位の阪神は9連敗で40勝46敗7分けになりましたが、上も下も差がかなりあるので最終的に昨年と同じ3位でしょう。といってもクライマックスシリーズがあるわけではありませんし、まあ来年のフレッシュオールスターに監督の出場が確定ってくらいですかね。

では、きのう27日の試合結果です。前日同様、中盤に集中打を浴びての逆転負け。5回まで2安打無失点だった二神投手が6回につかまっています。由宇名物“魔のファールゾーン”に送球してしまった陽川選手のエラーもありで…。それから原口選手が約3か月ぶりにマスクをかぶっています。打線は広島と同じ8安打しながら4回以外すべて散発で、原口選手のタイムリー二塁打と中谷選手の遊ゴロによる2点のみでした。

《ウエスタン公式戦》8月27日

広島-阪神 22回戦 (由宇)

阪神 000 010 010 = 2

広島 000 005 30X = 8

◆バッテリー

【阪神】●二神(5勝1敗)-鶴-高宮-松田 / 小宮山-清水(6回裏途中)-原口(8回裏)

【広島】○篠田(4勝1敗)(8回)-西原(1回) / 中村亘-磯村(9回表)

◆三塁打 神:陽川 広:庄司

◆二塁打 神:原口、阪口 広:中村憲、下水流、岩本 

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中左:柴田 (3-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .250

〃打:阪口  (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .257

2]遊二:北條 (5-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .238

3]二三:黒瀬 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

4]一捕:原口 (4-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .247

5]三遊:陽川 (4-2-0 / 0-0 / 0 / 1) .250

6]左一:中谷 (4-0-1 / 0-0 / 0 / 0) .182

7]右:緒方  (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .309

8]捕:小宮山 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .178

〃投:鶴   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

〃投:高宮  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃中:横田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .176

9]投:二神  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .143

〃捕:清水  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .182

〃投:松田  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打:西田  (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .231

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

二神 5.2回 81球 (5-1-3 / 4-3 / 1.80)

鶴  0.1回 10球 (0-0-1 / 1-0 / 3.69)

高宮  1回 36球 (3-1-1 / 3-3 / 3.66)

松田  1回 8球 (0-0-0 / 0-0 / 6.75)

6、7回の2イニングで8失点…

2回は陽川の中前打と緒方の四球、3回は二神と北條の左前打で1死二、三塁とするも還せず。4回には2死から緒方と小宮山の連打がありましたが、やはり無得点。4回まで5安打しながら篠田に0点に抑えられます。しかし5回、北條の三ゴロが相手エラーを誘い、暴投で2死二塁として4番・原口が左越えのタイムリー二塁打!4試合ぶりに先制しました。

一方の二神は3回までパーフエクト!4回は先頭の安部に右前打と盗塁を許し、2四球などで2死満塁にピンチを作ったものの無失点で切り抜け、5回は篠田の中前打のみ。ここまでわずか2安打で無失点という好投です。ところが6回、先頭の中村憲に左中間二塁打、土生の中前打で無死一、三塁として4番・岩本に中犠飛。追いつかれました。2死後に四球を与え、続く7番・庄司に中越えのタイムリー三塁打を浴び2人を還します。

3対1と逆転され、なおも2死三塁で二神は降板。代わった鶴は中村亘を敬遠し一、三塁。9番・篠田はピッチャーゴロでしたが当たりが強く鶴は弾きます。サード陽川が捕ったものの一塁への送球が逸れて…三塁走者だけでなく一塁走者も生還。打者走者も三塁へ進みました。この回、打者9人で3安打ながら5失点。二神は4失点(自責3)、鶴が1失点(自責0)です。

7回に登板した高宮は代打の下水流に左翼線二塁打、ボーク、死球で無死一、三塁として岩本に左中間タイムリー二塁打。ついで迎の中前タイムリーでもう2点。そのあとは3人で片づけますが、この回も3点を追加されました。

6回が三者凡退、7回は1四球のみで反撃できなかった打線は8回、陽川が右中間三塁打を放って、続く中谷の遊ゴロで生還。1点を返しました。その裏は松田と原口のバッテリーに代わり、松田はわずか8球で三者凡退!今季初の連投をクリアしています。しかし9回の攻撃は、2死から代打の阪口が右中間へ二塁打を放つも得点ならず。そのまま試合終了です。

原口が85日ぶりに実戦マスク

27日の広島戦では先制適時二塁打に加え、最後はマスクをかぶった原口選手。
27日の広島戦では先制適時二塁打に加え、最後はマスクをかぶった原口選手。

試合結果に久しぶりに「キャッチャー原口」という文字を見つけたので、ちょっと話を聞いてみました。「淡路以来かなあ」と原口選手。5月24日の中日戦(淡路佐野運動公園)で7回に今季初マスクがあったけど、そのあと6月3日の広島戦(甲子園)で8回から2イニングというのもありますよ。公式戦では今季3度目。「じゃあ2ヶ月ぶりですね」。ほぼ3ヶ月かも。

キャッチャー道具は?遠征ではやらないのかな…と。「僕もそう思ってました(笑)。でも道具は常に持っていっていますよ。久しぶりで違和感?それはないです」。やっぱりキャッチャーはいいなと思った?「わからないです。どこでも、とにかく出たいので」。そうですね。松田投手はわずか8球だけで、受けるには物足りなかったかなと思ったら「ナイスボールでしたよ!」と“原口捕手”としての感想が返ってきました。

ちなみに唯一のタイムリーとなった二塁打は「捕られたかなと思った。レフトオーバーというか、ちょっとグラブに当てていたみたいなので」とのことです。久しぶりの4番で仕事ができましたね。「でも試合展開が…」と喜びはできなかったようですけど。

スタメン復帰で2安打を放ったものの、2点を失うエラーがついてしまった陽川選手。ヒットは「まあまあです」、エラーは「送球の時に引っかかってしまった」と言います。まあ果てしなく感じるくらい広い、由宇のファールゾーンならではの出来事だったかもしれません。

2試合が無事に行われたため、チームは試合後に帰ってきました。きょう28日は練習をして、あすから中日3連戦(鳴尾浜、鳴尾浜、姫路)です。

最後に、8月初旬から発熱など体調不良で戦列を離れていた一二三選手が、きのうユニホーム姿を見せました。中旬にはウイルス性髄膜炎との診断で入院したと聞き、心配されていた方も多かったでしょうね。退院後は静養に努め「まだ外には出てませんよ」と言っていた翌日だったのでビックリ。でも元気に走ったり、レフトの位置で打球捕をしていたとのこと。お昼前には「一日でも早く戻れるよう、これから徐々にやっていきます」とコメントして引き揚げたそうです。あとで尋ねてみたところ「体調は大丈夫です!」と言っていました。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事