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両軍合わせて22四死球!3時間55分のウエスタン・中日‐阪神戦

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

数日前の雨予報から一転、12日の名古屋は朝から青空が広がったようですね。気温もぐんぐん上がり、あとから見た一日の気温では13時あたりに30度を超えていました。そんな真夏日となったナゴヤ球場で行われたウエスタン・中日‐阪神戦は、ともに5回まで投げた吉見投手が101球で6四球、伊藤投手が102球で7四球と2死球。1試合の両チーム合計は20四球と2死球でした。そりゃあ3時間55分もかかるはずです。

ヒットは阪神10、中日12ですが、11対5で阪神が勝ち4連勝!貯金1となりました。ちなみに今季最長試合かと思ったら、5月31日の中日‐ソフトバンク戦(ナゴヤ)は、やはり伊藤投手の先発で4時間2分というのがあります。そしてウエスタン・リーグの1試合最多四球(死球は別)が24、今回は20四球。そこまではいきませんでしたね。

なお今季全試合に出場していた中谷選手と北條選手ですけど、中谷選手が残留(荷物だけナゴヤに来ていたとか。体調不良だったみたいです)。そして北條選手が12日の試合を欠場。全試合はいなくなりました。北條選手は練習中に右手の人差し指を負傷したとのことです。でも「骨折してないので、すぐ治ります!」と本人は言っていました。突き指みたいなものだとか。いや~おおごとでなくてよかったですよ。代わりに2番・セカンドで先発出場した阪口選手が2年ぶりの3安打をマーク!それから森田選手は満塁で走者一掃のタイムリー二塁打と“らしい”仕事ぶりを見せています。

《ウエスタン公式戦》6月12日

中日-阪神 14回戦 (ナゴヤ)

阪神 004 021 220 =11

中日 030 000 011 = 5

◆バッテリー

【阪神】○吉見(2勝)-榎田-高宮-西村-久保田 / 岡崎

【中日】●伊藤(1敗)(5回)-阿知羅(1回)-川崎(1回)-岸本(1回)-祖父江(1回) / 桂-杉山(8回~)

◆三塁打 伊藤、藤井

◆二塁打 堂上剛、桂、森田、横田、岡崎、藤澤

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]左:荒木   (5-2-2 / 2-1 / 0 / 0) .338

2]二:阪口   (5-3-0 / 0-1 / 1 / 0) .255

3]中右:伊藤隼 (5-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .250

4]三:陽川   (4-0-1 / 0-1 / 0 / 0) .216

5]右:福留   (2-0-1 / 0-2 / 0 / 1) .222

〃中:横田   (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .207

6]一:森田   (3-1-3 / 0-2 / 0 / 1) .255

〃投:西村   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃投:久保田  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

7]遊:西田   (3-1-2 / 0-1 / 0 / 0) .245

8]捕:岡崎   (3-1-1 / 0-2 / 0 / 0) .314

9]投:吉見   (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .250

〃投:榎田   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打:原口   (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .323

〃投:高宮   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) ―

〃打一:黒瀬  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .174

◆投手 (安-振-球/失-自/防1御率) 最速キロ

吉見  5回 101球 (7-2-6 / 3-3 / 3.24) 138

榎田  1回 21球 (0-1-2 / 0-0 / 1.45) 140

高宮  1回 18球 (1-0-1 / 0-0 / 0.50) 142

西村  1回 23球 (2-2-0 / 1-1 / 7.20) 142

久保田 1回 21球 (2-0-1 / 1-1 / 8.53) 142

森田が満塁の走者一掃二塁打で逆転

吉見は2回1死から堂上剛と桂の連続二塁打で1点を失い、続くピッチャー伊藤の左中間タイムリー三塁打。吉川には四球で1死一、三塁で藤澤は二ゴロ。これを阪口が捕り一塁へ送って2死。吉川が挟まれている間に伊藤が生還し、そのあと森田の送球ミスも出たようですが追加点はなし。この回3点を先取されました。

3回の攻撃は荒木がセカンド内野安打、坂口は四球、陽川の死球で2死満塁となり、福留が押し出しの四球。続く森田は伊藤の初球、真ん中へ来た真っすぐを左中間へ!満塁の走者を一掃する逆転のタイムリー二塁打です。久しぶりに、というと怒られるかもしれませんが…いい仕事ができましたね。5回にはまた3四死球などで2死満塁として西田が、やはり初球を打って右前へ。本人は「詰まりましたけど」というものの2点タイムリー!中日・伊藤はこの回だけで4四死球と3暴投、大荒れのまま終わった感じです。

6回は1死から阪口と伊藤隼が連打して一、三塁となり、陽川の中犠飛で1点追加。7回は川崎から3四球を選んで1死満塁、荒木が中前タイムリーで2人を還します。さらに8回、1死から横田が左翼線二塁打を放って森田の二ゴロで横田が生還、森田も二塁へ(ファースト福田にエラーがついているので捕球ミスのようです)。西田の二ゴロで2死三塁として、岡崎が中越えタイムリー二塁打!

吉見も5回で7安打6四球という内容ながら、2回の3失点のみでした。6回は榎田が2四球、7回は高宮が1安打1四球でともに無失点。8回の西村は1死から藤沢に左翼線二塁打、暴投で三塁へ進めたあと藤井に一塁線を破るタイムリー三塁打を浴びます。4番の高橋周と古本は連続三振で1失点のみ。9回は久保田が登板し、堂上剛に左前打(これで5打数5安打!)、代打・中田は四球、代打・井藤の右前打で1死満塁として吉川の三ゴロで1点を失いました。

2年ぶり2度目の3安打を放った阪口

きょうは阪口選手の話をご紹介しまします。ナゴヤは暑かったでしょう?「はい、めちゃくちゃ暑かった!試合も長くて…やばかったですよ」。そうですよねえ、疲れたはず。そんな中でフル出場して、2年ぶりの1試合3安打でした。「え、初めてじゃなかったんですか。前にもありました?あ、ソフトバンク戦」。その通り、2年目の2012年9月25日、雁の巣で行われたソフトバンク戦です。公式戦初となるサードでの先発出場だった阪口選手は、3打席連続安打で勝利に貢献しています。

写真は2年前の阪口選手ですが、それ以来の1試合3安打で、こんな笑顔だったかも?
写真は2年前の阪口選手ですが、それ以来の1試合3安打で、こんな笑顔だったかも?

「大場さんが先発の!」と思い出してたきたみたいですね。その大場投手から2本、有馬投手から1本。中、左、右と打ち分けましたよ。公式戦ではそれ以来の3安打。「みんな同じような当たりですけど、自分としてはよかったと思います。でも3本も出てビックリしました!自分でも(笑)。あんまり最近打てていなかったんで」。そういえば「守備はよくても…バッティングが全然」とため息ついていた日もありましたっけ。

「今日はしっかりボールが見えていて、これはいけるかなって。練習の時からいい感じの打球が何本かあったんですよ。このまま打てたらと思って、試合の打席に立っても感覚は続いていました」。予感はあったわけですね。確か、2012年も開幕カードが中日戦で、1戦目はスタメンで2安打1打点と公式戦プロ初マルチ。2戦目は途中出場ながら2安打2打点で、打率が.800になったのを思い出しました。ナゴヤ球場は好き?「はい。ナゴヤは相性いいなって思います。でも鳴尾浜で打てませんねえ」と苦笑い。

ただし、この日は守備で反省の阪口選手。2回の3点目を許した1死一、三塁で藤澤選手が二ゴロを打った場面は「ダブルプレーは取れんかったので、ホームでアウトにせなあかんとこ。他にも色々あった」と、へこんでいます。今季はここまで全試合ベンチ入りして遠征もすべて帯同中、残留はありません。出場試合数は38と多いけど、打席数がまだ60。とはいえ打率も.255と上昇してきましたね。「使ってもらっているのに結果が出てなくて…やっとです」。これからどんどん感謝のヒットを打ちましょう!

きょう13日からは甲子園でのソフトバンク戦で、故障明けの西岡選手が出場します。話はしたことありますか?「納会とかで少しだけなら」と阪口選手。一緒に練習をして何か感じてきてくださいね。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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