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阪神ファーム 広島との2試合で28安打20失点 今季は小鯉が苦手な小虎です。

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
先制の今季1号2ラン、黒瀬選手。笑顔のVサインですが…左足に死球の跡がクッキリ。

ウエスタン広島戦が行われた4日の甲子園球場は、どんよりと曇った空が広がり途中から雨が降り出しました。7回ウラの攻撃中だった14時45分頃、少し強くなったようでスタンド前列のお客様が屋根のある場所へ移動。それでも試合には支障なく、最後まで行われています。近畿も梅雨入りしました。どの席でも屋根のない鳴尾浜は辛いですね。

試合は1回に黒瀬選手の2ランで先制!3回にもう1点追加し、歳内投手もいい感じで抑えていたのですが、中盤に追いつかれてしまいます。同点のまま試合は進み9回、玉置投手が味方のエラー2つも重なって2点を失い降板。代わった山本投手も失点して5点の勝ち越し点を与え、反撃できずに敗戦。この広島戦2試合で28安打で20失点となりました。広島戦は早くも10敗目(2勝)です。

《ウエスタン公式戦》6月4日

阪神-広島 12回戦 (甲子園)

広島 000 210 005 = 8

阪神 201 000 000 = 3

◆バッテリー

【阪神】歳内-西村-小嶋-渡辺-●玉置(2敗9S)-山本 / 小宮山

【広島】戸田(6回)-○今村(2勝3S)(2回)-フィリップス(1回) / 上村-倉(7回~)

◆本塁打 黒瀬1号2ラン(戸田)、天谷2号2ラン(歳内)

◆二塁打 鈴木誠、栗原

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:北條   (2-0-0 / 2-2 / 0 / 1) .227

2]一:黒瀬   (2-1-2 / 0-2 / 0 / 0) .111

3]右:狩野   (3-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .257

〃打右:伊藤隼 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .241

4]三:陽川   (4-1-1 / 1-0 / 0 / 1) .231

5]指:高山   (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .167

〃打指:柴田  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .257

6]中:中谷   (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .178

7]遊:西田   (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .244

8]捕:小宮山  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .120

〃打:原口   (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .200

9]左:一二三  (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .171

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

歳内  5回 81球 (6-1-1 / 3-3 / 3.16) 143

西村  1回 18球 (0-0-1 / 0-0 / 4.73) 138

小嶋 1.1回 24球 (2-1-0 / 0-0 / 4.82) 140

渡辺 0.2回 3球 (0-0-0 / 0-0 / 0.00) 144

玉置 0.1回 29球 (2-0-1 / 5-1 / 3.50) 145

山本 0.2回 12球 (1-0-0 / 0-0 / 2.25) 136

最後に痛いミスが重なって敗戦

先取点は阪神。1回に先頭の北條が死球を選び、黒瀬がライトへ今季公式戦第1号の2ラン!3回には一二三の左前打と北條の犠打、黒瀬は左足への死球、狩野の左前打で1死満塁として陽川の左前タイムリーで1点追加しました。先発の歳内は3回まで岩本の1安打のみで無失点。しかし4回、先頭・庄司の中前打に続き天谷にライトへの2ランを浴びます。さらに5回は9番・鈴木誠の二塁打(サード陽川がグラブに当てるもボールはファウルゾーンへ)などで2死三塁として、庄司に右前タイムリー。追いつかれました。

そして3対3のまま迎えた9回。玉置が1死から鈴木誠に中前打、安部は四球、庄司の二ゴロを北條がエラーで満塁。天谷に左前打されて2人を還してしまいます。次のロサリオの三ゴロを捕った陽川が一塁へ送球するもセーフ。送球が乱れた陽川のエラーとなり、またも満塁。ここで玉置が降板しました。代わった山本は岩本にピッチャー返しを浴び、足に打球を当てながらも一塁へ送ってアウト。1点追加され、2死二、三塁となって栗原に右中間への2点タイムリーを許します。

打線は4回から8回までで、ヒットは狩野の中前打1本のみ。四死球はあったもののチャンスらしいチャンスが作れません。5点を勝ち越されたあとの9回裏、現在10セーブと玉置を抜いてトップのフィリップスが登板。先頭の西田が中前打、代打の原口が右前打で続きましたが…一二三は遊ゴロで併殺。2死三塁となるも北條は三振に倒れて試合終了。

まず平田監督の歳内投手評からご紹介します。「二回り目だなあ。カウントが悪くなるところ。一回り目は真っすぐで打ち上げたりさせているのが、二回り目になると狙われて。向こうは打ち損じがない。カープのバッティングはいいから。ボールはよかった。カウント負けしてる。精度を高めていかないと。(5回の庄司選手の同点タイムリーは)真っすぐ、真っすぐで追い込んでフォークが甘くなった。あそこで踏ん張れるかどうか」

また1日の巨人戦(1点リードの9回に追いつかれる)に続いて、救援失敗となってしまった抑えの玉置投手については「四球絡みになるなあ。キレ、コントロールともに悪い。エラーもあったけど、ボールの精度もよくない」と話す平田監督でした。

歳内“うまく拾われた”同点打

歳内投手は、力強いピッチングだったと振られ「真っすぐで結構押せていたので」と感触はよかった様子。天谷選手に許した2ランは「要求は外のシュート。それが中に入ってしまった」そうです。やはり二回り目が課題?「配球を変えてみたり、やれることは色々あると思うので」。同点にされた場面は追い込んでから焦った?「焦ってはいない。高さ、コースは良かったけど、うまく拾われた。見送れば多分、ワンバウンドしたボール」

「あそこで真っすぐを投げていたらどうか、など考えることはいっぱいありますが、小宮山さんと決めたので。もっとキレを上げるとか常にやっていかないといけない。ただ、現時点ではできる限りのことをやって打たれたと思います」とのこと。3球勝負にいったのは?「見送られてもまだノーボールだったので、振らせにいきました。それがボールでも、そこからまた勝負と。見せ球ではなく。うまく拾われたと思います」

次につながる?「3回くらいまではよかったし、あとはランナーが出てからもっと粘れたかなというところ。ホームランとか四球とかもったいない。きょうはスライダーで結構カウントを取れました。シュートがあるので、その反対のボールということで練習してきた。よくなってはきたけど他のボールと比べて信頼度はまだ低いですね。もう少し簡単に投げられるようになれば。今はまだ真っすぐを待っていて対応できる程度の曲がり方なので、追い込んでから投げる球じゃないですね」。収穫も多いマウンドでした。

「勝負する限りは抑えないと」山本

5対3と勝ち越し点を与えて降板した玉置投手に代わり、9回1死満塁で登板した山本投手。まず連投については「大丈夫です」という答え。そして、投ゴロで2死としたあと栗原選手に2点タイムリーを許してしまい「一塁が空いていて、ベンチからもそう言われて、自分としてはそれをわかった上で勝負にいったんですが、甘く入って打たれた…。勝負する限りは抑えなければいけない」と痛感したそうです。

1球ごとに雄叫びが聞こえました。「きょうはコントロールが良くなかったので、勢いでいこうと思ってしまった。いい時は声も出ない。力みが出ていたということでしょう。調子が落ちた時にどうするか考えないと。それに全部が全部、おりゃおりゃと全力で抑えられないというのはわかる。そう思います」と山本投手。前日よりも球速が落ちた点も挙げ、今後に向けての課題を口にしました。

満身創痍?だけど笑顔の黒瀬

教育リーグ初戦の3月1日、オリックスの佐藤峻投手から打って以来のホームランで今季公式戦1号だった黒瀬選手は「追い込まれていたので、とにかくつなぎたいという思いだけです。逆方向を意識していましたが、いくとは思わなかった。抜けたとは思ったけど」というコメントです。右ふくらはぎ痛から復帰して12試合でまだ1安打。これが今季公式戦2安打目だったんですね。

「調子は悪くなかったけど、変な球ばかり打って凡退して…打率がねえ。1軍?いやいや行けないでしょう。ヒット2本じゃ」と苦笑い。ここまでを自己分析して「ヒットが出ていなくて、打ちたい打ちたいとなると体が前へ、前へといってしまう。それで体勢を崩していたのかも。打ち終わってから気づくんですよ。アホやな~、またやってしもたな~と。でも今日は凡退した(5回の二ゴロ)のもよかったです。距離も取れていたし」。

この日は1本塁打と2死球で、打率も1割に乗りました。その2死球ですが、3回は左ひざ横を直撃!2つ目はどこ?ユニホームをかすったくらい?「いや、それが…僕はわからなかったんですよ。でも当たったって言われたので」。あ、そうでしたか。なのに「体中が痛い」と言います。死球の左足は当たった個所がまあるい円になって残っていて、他は「守備で胸に当てて打球を止めたから」と体をさすりさすり帰っていきました。なお写真は、負けた試合で申し訳なかったのですが先制ホームランってことで…こんないい笑顔と、そのうえポーズまでしてくれた黒瀬選手に感謝です。

陽川 初の4番も守備で反省

最後に、初めて4番を打った陽川選手。「高校も大学も打っていたので特には。久々だなと思いました」。3回に左前タイムリーを放ち「簡単に追い込まれてしまったけど(3球目を)粘って打てたし、ああいう結果につながってよかったです。今ヒットが出ているので、打順にはこだわらず結果を出していきたいと思う」と話しています。9回のエラーは「(捕球後)一度セカンド方向を向いてしまって。ゲッツーは無理やとわかっていたのに二塁を見てしまった」と反省。それでワンテンポ遅れた分、焦ったのでしょうね。

あと5回の守備でグラブに当たって三塁ベンチ方向へ転がった打球(記録は二塁打)を追いかけ、最後にすってんころりんとコケてしまいましたよね?「見ました?人工芝のとこで滑ったんです。尻もちなんて久しぶりで、メッチャ恥ずかしかった!」と、思い出して耳まで真っ赤にする陽川選手。録画したのをもう一回見ようっと(笑)。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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