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首位の広島に打ちのめされた阪神ファーム 今季ワーストの17安打12失点

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
3日、阪神の2002年ドラフト同期で入団した3人が甲子園に集結!説明は本文で。

1軍が遠征中とあり、このところ甲子園での試合が続いている阪神ファーム。3日の広島戦は先週末の巨人戦に比べると観客数は978人と激減しています。まあ平日だから仕方ないですね。予報通りお天気は下り坂、どんどん雲が増えて肌寒いくらいでした。おまけに序盤から打たれまくり…後半に入ってまた追加点を与える試合展開。珍しく途中で帰られるお客様も多かったですよ。

2回を除く毎回、登板した6投手全員が浴びたヒットは今季ワーストの17本に及びました。そして今季4度目の2ケタとなった失点もワーストの12点。こちらの打線は5安打で3得点だったんですがタイムリーはなく、今季9度目の2ケタ三振を喫しています。広島はこれで30勝到達!もちろんリーグ一番乗りです。

《ウエスタン公式戦》6月3日

阪神-広島 11回戦 (甲子園)

広島 303 002 220 =12

阪神 200 010 000 = 3

◆バッテリー

【阪神】●白仁田(1敗2敗)-小嶋-山本-久保田-藤原-島本 / 小豆畑-岡崎(4回~)-原口(8回~)

【広島】○福井(6回)(4勝2敗)-江草(1回)-河内(1回)-横山(1回) / 磯村

◆三塁打 中村憲

◆二塁打 岩本、高橋、迎

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:柴田   (2-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .261

〃打捕:原口  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .167

〃打:田上   (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .000

2]二:北條   (2-1-0 / 1-2 / 0 / 1) .230

3]遊:西田   (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .242

4]右:伊藤隼  (3-0-2 / 1-0 / 0 / 0) .243

5]一:森田   (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .253

6]三:陽川   (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .230

7]左:中谷   (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .183

8]指:一二三  (2-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .168

〃打指中:横田 (1-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .163

9]捕:小豆畑  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .125

〃打捕:岡崎  (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .240

〃投:島本   (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000

〃打:阪口   (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .222

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ

白仁田 3回 62球 (7-0-1 / 6-4 / 3.89) 144

小嶋  1回 14球 (1-0-0 / 0-0 / 5.19) 138

山本  1回 13球 (1-0-0 / 0-0 / 2.45) 138

久保田 1回 24球 (3-1-0 / 2-2 / 6.00) 145

藤原  1回 19球 (1-0-2 / 2-2 / 3.77) 135

島本  2回 25球 (4-0-0 / 2-2 / 3.93) 140

白仁田は1回、1死をとったあとセカンド北條の捕球エラーからヒットと四球で満塁として、岩本と高橋のタイムリーで3失点。3回は先頭から連打を浴び、岩本のタイムリー二塁打や犠飛などで3失点。ここでバッテリーごと交代となりました。小嶋と岩本は1安打ずつ許しながらも無失点。6回の久保田はヒット2本などで2死二、三塁として天谷に2点タイムリーを打たれます。

7回の藤原は連続四死球のあと1死は取りましたが高橋のタイムリー二塁打でやはり2失点。ついで島本が8回に天谷のタイムリー二塁打とロサリオのタイムリーで、これまた2点を失います。9回は2死から高橋の右前打があっただけでした。

打線は1回、連続四球と犠打で1死二、三塁として伊藤隼の二ゴロの間に1点。続く森田がセカンド東出のエラーを誘ってもう1点。次は5回、柴田と北條の絵連続左前打で無死一、三塁(柴田ナイスラン!)となり、1死後に伊藤隼が左犠飛。この3点のみです。

エラーからの失点で負けた…

試合後のベンチで「きょうはあのエラーで負けた。ピッチャーの立ち上がりでね。うまくなりかけているときにエラー。確実に捕っていかなあかん」と、平田監督は北條選手の捕球ミスを敗因に挙げました。また「白仁田はよくないねえ。抑えきれない。小豆畑も」と先発バッテリーに苦い顔です。

「カープはバッティングの質がいい。ピッチャーにとってはいい勉強になるが、うちのバッターとは全然違うよ。うちで、カープに行って出られる選手がいるか?謙虚に力のなさを見つめ直さないと。振りが違う。打球が違う。積極性がある。この経験を自分で生かしていくしかないよ。まあ勘違いしそうになる時にカープと当たって、よかったんじゃない?」と平田監督。

あそこからの12失点と言ってもいいくらいだと風岡守備走塁コーチは言っていたそうで、北條選手は「距離が近かったんで、打球が死んでいてもシングルでなく正面でいこうと。そう思ったけど距離が合わなかった…。安部さんの時(先頭で二ゴロ)、ゆっくりしてギリギリのアウトやったので、ちょっと慌てたのもあったから。でもイージーです。反省します」。打撃は1安打と2四死球ですが「最後は真っすぐで見逃し三振。見逃しはアカン。反省します」と繰り返しました。

今季ワーストの17被安打

白仁田投手は前回の中日戦(淡路)に続いて大量失点となり、この日は言葉も少なめ。「原因は…いろいろあります。やっぱりコントロールミスですかね」。しかも前回と同じくエラーからだったわけで、そこを抑えきれなかったことも悔しいでしょう。

最後2イニングを投げた島本投手も8回に失点したものの「打たれたけど球自体は悪くなかったので」と言います。ここ2試合は先発で投げていて、2試合目となった先月28日のソフトバンク戦は5回8安打8失点(ただしこれも味方のエラーが3つも絡んでいて自責は5)でした。でもまだ先発のチャンスはもらえるようで、リベンジを誓っています。

なお島本投手をリードした原口選手も「ボールは良かったですよ。あとは考えようですかね。ストライクかボールか自分で考えること」と言っていました。っていうか原口くん、きょうの試合前のシートノックはファーストしかやっていませんよね?「はい(笑)。でもやります。僕は何でもやりますよ~!」。元気な声を出して帰っていきました。

3回の第1打席で代打を送られ、白仁田投手とともにベンチへ下がった小豆畑選手は「風を気にしすぎたかな。もうちょっとインコース突っ込んでおけばよかったのかな」と反省しきり。「とにかく結果がすべてなので。次にチャンスをもらえたら頑張ります」

山本「ケガは予想外。早く戦力に」

4月下旬に発症した背中の痛みで戦列を離れていたルーキー・山本投手が、この試合で復帰。5回に登板し、先頭のロサリオ選手に左前打を許すも後続を断って無失点です。「間隔が空いたってことで全部が全部、自分の思った通りに投げられていないのが正直な感想。追い込んでからの球が甘くなったりとか。中継ぎは1人1人が勝負なので、1球1球の感覚をつかまないと、と思いました」

ホッとした気持ちは?「多少ありますが、キャンプから1軍を目指してやってきて、ケガは予想外。投げたといってもファームですし、1軍の力にはなれていない。まだ1試合だけなので安心してはいけない」と、表情を引き締める山本投手です。ただ「試合のメンバーに入っている以上は痛くても…と思っていましたが、問題なく投げられた。終わった後も大丈夫です」と、これは少しだけ顔が緩んでいます。

「中継ぎとして先頭を出したのは反省。でも一塁から進めなかったので、最低限のことはできたかなと。迷惑をかけているから1日も早くチームに貢献できるように」と、ここからアピールして早々に1軍へ!という意気込みでした。

同期入団の3人が揃いました!

最後に、冒頭の写真について少し。なんせ試合前に撮ったもので、この日の試合内容や結果とそぐわない笑顔が並んでいますね。右から株式会社オフィスs.i.cの杉山直久さん(33)、広島の江草仁貴投手(33)、株式会社ハタケヤマの松下圭太さん(29)。3人は2002年のドラフトで阪神に入団した同期です。龍谷大学の杉山投手と専修大学の江草投手は自由枠で、愛媛県立三瓶高校の松下外野手は最後の12位で入りました。他に中村泰投手や久保田投手、三東投手、林威助選手、田村投手、そしてローソン3人衆の新井投手、伊代野投手、萱島選手が入団した年です。

試合前、杉山さんと一緒に三塁ベンチへ行ったものの見つけられず、後ろの通路をウロウロしていたら偶然、江草投手を発見!「スギは?」「ベンチ横で探してます。オスギさ~ん!」「おーい、スギ!」。やがて遭遇できたので記念撮影を、と構えたところに「おはようございます」と現れた松下さん。「おおー同期がまた1人来たよ(笑)」「一緒に入れ」てなわけで、くだんのスリーショットと相成りました。それにしてもオスギさん、笑いスギ!……おあとがよろしいようで。

ちなみに、偶然会えた江草投手ですが「自販機はどこ?」とキョロキョロしています。通路をただ真っすぐに行けばすぐわかるはず。「どこまで真っすぐかわからなくて、このまま言ったらどこへ出るんやろ?と不安になって途中で戻ってきた」そうです。まあ三塁側だから仕方ないかな?でもファン感謝デーとかで通路は何度も通っていたでしょうにね。迷子にならなくてよかったです。不安な様子を想像して…笑っちゃいました!昨年5月に左ひじを手術して、復活を期する今季。活躍を楽しみにしています。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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