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阪神ファームはオリックスに逆転勝ち 上本がシートノックとシート打撃に参加 

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

16日はウエスタン・リーグの阪神-オリックス戦が行われました。久しぶりに鳴尾浜でのゲーム、白いホーム用ユニホームを見るのも今月2日以来です。阪神は吉見投手、オリックスが近藤投手とベテランの投げ合いで始まった試合は、先制した直後に逆転を許すも中盤に再逆転。追い上げられたあと1点差で逃げ切っています。オリックスとはもう10回戦だったんですね。早いなあ!対戦成績は6勝2敗2分けとなりました。

《ウエスタン公式戦》5月16日

阪神-オリックス 10回戦 (鳴尾浜)

オリ 020 000 010 = 3

阪神 100 021 00X = 4

◆バッテリー

【阪神】○吉見(1勝)-渡辺-筒井-S玉置(8S) / 日高-小宮山(8回~)

【オリ】●近藤(1勝3敗)(5回)-山崎正(1回)-古川(1回)-平井(1回) / 若月

◆二塁打 丸毛、若月、堤

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]二:荒木  (3-0-0 / 2-1 / 1 / 0) .360

2]三:西田  (3-2-1 / 0-1 / 0 / 0) .254

3]捕:日高  (2-1-1 / 1-0 / 0 / 0) .250

〃打:狩野  (1-1-0 / 0-0 / 1 / 0) .203

〃捕:小宮山 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .100

4]右:伊藤隼 (4-0-1 / 1-0 / 0 / 0) .289

5]指:森田  (2-0-1 / 2-0 / 0 / 0) .256

〃打指:高山 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .000

6]一:陽川  (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .217

7]遊:北條  (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .190

8]中:中谷  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .172

9]左:一二三 (4-1-0 / 3-0 / 0 / 0) .183

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

吉見 6回 92球 (4-5-3 / 2-2 / 2.16)

渡辺 1回 23球 (2-1-0 / 0-0 / 0.00)

筒井 1回 17球 (2-1-0 / 1-1 / 3.00)

玉置 1回 15球 (0-1-0 / 0-0 / 3.00)

三振、四球、相手エラーの前半

まず1回、ショート堤のエラーで出た荒木が今季8個目の盗塁(リーグ単独2位、トップはソフトバンク福田の12個)を決め、西田の一ゴロで三塁へ。続く日高の左犠飛で早々に1点を先取します。ところが2回、吉見は1死から伏見に中前打され三ツ俣が四球、若月の二ゴロで2死一、三塁となって丸毛に左翼線への二塁打を浴び2人を還し、逆転されました。

以降はヒットや四球で走者を出しながら、6回まで追加点を与えなかった吉見。その間に打線が反撃します。5回、先頭の荒木が四球で出て西田はサード内野安打、日高の中前打で無死満塁として、伊藤隼の二ゴロの間に同点。なおも1死一、三塁で森田の左犠飛で逆転。さらに6回は山崎かや北條が左前打、中谷の犠打に続き一二三が左前打して1死一、三塁のチャンスを迎えます。

荒木は三振に倒れたものの、西田が右前タイムリー!西田、一二三と塁間で挟まれ、一二三がアウトになって1点止まりでしたが、4対2と少しリードを広げます。7回は阪神・渡辺とオリックス・古川がともに走者を出しながら無失点。

8回に筒井が先頭・堤の右翼線二塁打を浴び、1死後に高橋の中前タイムリーで1点差とされます。その裏の攻撃は平井に三者凡退。そして9回、15日に抹消されたばかりの玉置が登板してキッチリ3人で片づけました。

スコアを見ると前半が青い「K」のマークがいっぱい!オリックスの近藤投手に、4回までで8三振を喫したんですね。その間、ヒットは4回2死から中谷選手が放った中前打だけ。エラーは2つ。だから三振か四球かエラーって感じの4イニングだったわけです。

試合後のシート打撃

なお、この日は試合後にシートバッティングが行われ、久保田投手、伊藤和投手、金田投手が登板しました。バッターは右手親指骨折から復帰を目指す上本選手を含む7人で、途中から陽川選手が加わって合計8人。キャッチャーは小豆畑選手です。結果は以下の通り。ヒットかアウトかはスタンドでの判断ですのでご了承ください。

【久保田】

横田 三ゴロ

上本 四球

高山 左前打

狩野 右直

黒瀬 見逃し三振

阪口 空振り三振

原口 右前打

【伊藤和】

横田 二ゴロ

上本 右飛

高山 左本塁打

狩野 中飛 (渡辺ナイスキャッチ!)

【久保田】

黒瀬 右飛 (中村コーチ背走)

阪口 中飛 (またも渡辺が激走)

原口 中前打

横田 一ゴロ

上本 左前打

高山 左本塁打

【金田】

狩野 四球

黒瀬 右前打

陽川 中前打

阪口 右前打

原口 二ゴロ (右前打?)

横田 中前打

陽川 二ゴロ (中前打?)

「もう大丈夫です!」と上本

交流戦から1軍に復帰?練習中の表情も明るい上本選手です。
交流戦から1軍に復帰?練習中の表情も明るい上本選手です。

まず上本選手の話から。実戦から離れていたブランクは「特に感じなかった」そうです。患部の痛みについて「ないことはないですが、(直接)ボールが当たらなければ問題ない」とのこと。この日は試合前のシートノックにも参加していて「守備ももう大丈夫。難しい打球が来たときはわからないけど、イージーなボールは大丈夫です。実戦はいろんなことがあるから、その中で」と話していました。

上本選手は「先のことはわからない。今日シートを打たせてもらった野江、あすはあすでまた」と言うにとどめたものの、平田監督が17日のウエスタン・オリックス戦で復帰すると明言しています。シートノックも問題がなかったため守備にもつく模様。ちょうど帰りかけていたところで監督から「あしたのポジションはキャッチャーだよ。な、上本」と振られ、楽しそうに笑って引き揚げていきました。守備はセカンドです。

2月に右ひじの手術を受けた久保田投手は、前半と後半に分けて2度登板。合計13人にあらゆる球種で40球を投げてヒットは5本、高山選手には左前打とホームランを打たれています。もうゲームに入れそうな感じですね。タイミングが合わず話は聞けませんでした。すみません。

伊藤和投手は、6日に登録抹消されてから平田監督いわく「リフレッシュ期間」とのことで試合では投げていません。シートバッティングを終え「全然だめですね…」と冴えない表情。1軍でのことを聞かれ「1軍では毎日試合があるわけですし、コンディションを保つのが難しかった。肩を作るのに、多い時は20~30球くらいブルペンで投げていたので、それを減らすことがシーズン通してやるなら大事だと思いました」と答えています。

シートバッティングでは打者4人に17球を投げ、ヒットは高山選手のホームラン。最速138キロ止まりで「球速は全然足りない。まだ(球が)いっている感覚はないですね。バッターの振りを見ても」と伊藤和投手。「春先に比べて?今は…よくないですねえ」。やはり表情は少し暗いままでした。

早く1軍へ戻れるように

最後に投げた金田投手は、打者7人に対して37球。安打4、四球1という内容で「残り2つはセカンドゴロかヒットか迷った」と告げると「全部ヒットですよ。みんなに打たれたでしょう?」と苦い顔。実は最初の狩野選手は見逃し三振だと思っていたんですけど、金田投手が「フォアボールですよ」と申告してくれたので、そうしました。これまた納得いかないという面持ちですねえ。

同じく6日に抹消され、先週末の広島戦(由宇)遠征に参加した金田投手。9日は2死一、三塁の場面で吉見投手をリリーフし打者1人を2球で打ち取りました。翌10日は2対2に追いついた直後の8回に登板。四球、犠打などで2死二塁としてから4連打(タイムリー三塁打、タイムリー、ヒット、そして安部の3ラン)で5失点。何があったんでしょう?「…力が足りないからです」

その後、平田監督がフォーム調整中だと話していたんですが、どのような?「インステップがきつすぎたようです。由宇で打たれたのは、そこに原因があったんだろうということで、ここ3日間やってきました。プレートの立つ位置も変えてみて、バッターとの距離を縮まるのも」と言います。シートバッティングでヒットは許したものの、球速は144、145キロを連発。最速147キロでした。1軍ではまだまだ出ていますけどね。

「きょうは真っすぐでファウルを打たせることができた。今まではなかったので、ちょっと前進したかな」。そういえば最後の陽川選手は6球くらいファウルでしたね。今後は「バッターとの距離はもっと詰められる。これからやっていきたい」と金田投手。もちろん、ファームで長居はしていられませんよね。「はい。まだ前半は終わっていないので、早く戻れるように頑張ります」

そうそう、高山選手の2本のホームランを目の当たりにした横田選手。練習後に感想を聞いたら「あれはエグイっすねえ!」と目を見開いて答えてくれました。横田選手も早く、大きなホームランを放り込みたいですね。

16日も平日にかかわらず相当なお客様が来られた鳴尾浜球場でした。土日はもっと増えそうです。甲子園の1軍戦がデーゲームなのでダブル観戦は少ないかもしれませんが、上本選手を見に来られる方は多いでしょう。皆さん、日焼け対策をお忘れなく。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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