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中谷、北條のアベック弾など今季最多の10得点!阪神ファームは1日で3位へ浮上

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
順調に今季3号を放った中谷選手。ただし写真は昨年のフレッシュ球宴でのものです。

小虎の試合結果の前に。残念ながら今季ワーストの13失点と大敗してしまった1軍ではありますが…5日に昇格したばかりの柴田選手が8回、ゴメス選手の代走で今季初出場。マートン選手の併殺打で終わってしまったけど、守備にもつきました。また9回には荒木選手がプロ初ヒットとなる中前打!すぐに返ってきたボールを、ベンチ前で柴田選手がしっかり確保してくれましたね。おめでとう!

しかし負の連鎖というのでしょうか、ことごとく打たれてしまった投手陣。金田投手や伊藤和投手がファームに戻ってきそうな雰囲気です。代わって鳴尾浜の守護神、玉置投手が1軍へ行くみたいですよ。5日はセーブのつかない場面ながら最後に投げた玉置投手。連敗中でなかなか出番がなく、12日ぶりの登板でした。次は1軍で0をつけてきてください!

“5点”の呪縛から解き放たれた?

さて5日のオリックス戦は阪神にとって今季初となる、あじさいスタジアム北神戸での開催。前夜からの雨で試合は無理かと思われたのですが、無事に行われました。私は欠席してしまったので、わかる範囲で書かせていただきます。

勝っても負けても、今季はなぜか5点までしか取れなかった打線でした。6点以上取ったら何か起きるのかというくらい、4日の試合もピタッと5点で攻撃が終わってしまったんですよね。しかも1イニングに集中して得点し、他は音なしとか。

でも5日は違いました。今季4度目の2ケタとなる12安打を放ち、6点どころか10点!ピンポイントだった得点回も、1回から9回まで6イニングにわたっています。ちなみに残塁は4。無駄なく加点したようですねえ。打率1割台で苦しむ一二三、中谷、西田、北條(私は“ビッグ4”と呼ばせていただいています)に揃ってヒットが出ました。西田選手と北條選手はマルチですね。

今季初スタメンの岡崎選手が2点タイムリー、4番の伊藤隼選手も後半に2打席連続タイムリー、緒方選手は二塁打を含むマルチヒット、またルーキー・横田選手は公式戦初の二塁打を放っています。

これでリーグ最後ながら2ケタの10勝に到達。試合のなかった中日と、その上のオリックスも抜いて3位に浮上しました。とはいえまだ借金が4つ。これからです。

《ウエスタン公式戦》5月5日

阪神-オリックス 7回戦 (北神戸)

阪神 102 031 102 =10

オリ 001 010 300 = 5

◆バッテリー

【阪神】○歳内(1勝2敗)-筒井-渡辺-小嶋-西村-玉置 / 小宮山

【オリ】●伊原(1敗)(5回)-戸田(2回)-柴田(1回)-甲藤(1回) / 若月

◆本塁打 北條2号ソロ(伊原)、三ツ俣2号ソロ(歳内)、中谷3号2ラン(伊原)

◆三塁打 三ツ俣

◆二塁打 緒方、丸毛、北條、横田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:緒方  (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0) .308

2]二:北條  (4-2-1 / 0-1 / 1 / 0) .160

3]指:岡崎  (3-1-2 / 0-0 / 0 / 0) .300

〃打指:横田 (2-1-0 / 1-0 / 0 / 0) .235

4]右:伊藤隼 (5-2-2 / 0-0 / 0 / 0) .292

5]一:中谷  (5-1-2 / 1-0 / 0 / 0) .188

6]三:陽川  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .140

〃打遊:阪口 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 1) .300

7]左:一二三 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .186

8]捕:小宮山 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .130

9]遊三:西田 (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .190

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

歳内  5回 91球 (6-2-3 / 2-2 / 3.38)

筒井  1回 14球 (0-1-0 / 0-0 / 4.50)

渡辺 0.1回 24球 (0-0-3 / 3-0 / 0.00)

小嶋 0.2回 15球 (1-1-0 / 0-0 / 8.71)

西村  1回 14球 (0-1-0 / 0-0 / 5.14)

玉置  1回 14球 (0-2-0 / 0-0 / 3.27)

前半で6点!さらに後半も

得点内容です。まず1回は北條のソロで先制。3回は西田の左前打と緒方の二塁打、北條の四球で1死満塁として岡崎が2点タイムリー。5回は1死から北條が二塁打、岡崎の打球をレフト・丸毛が逸らすエラーで北條は生還、岡崎も二塁へ。2死後に中谷の2ラン。ここまでで今季チーム最多の6得点となりました。

しかしまだ続きます。6回は一二三が左前打、中継ミス(レフトの丸毛にエラー)で二塁へ進み、小宮山の犠打などで2死三塁となって緒方の右前タイムリー。7回は1死から代打・横田がライトフェンス直撃の二塁打を放ち、伊藤隼のタイムリーで7点目。そして9回は西田が左前打、緒方の犠打で1死二塁。続く北條の打球をショート・東が捕球エラーし、西田が生還。さらに横田の三振で北條が二盗、伊藤隼の右前打でホームイン。以上10点です。

投手陣は、先発の歳内が1回に2番・三ツ俣の三塁打を浴びますが後続を断ちました。ところが3回2死から、また三ツ俣に今度はホームランを打たれて1失点。5回には三ツ俣への四球などで2死二塁として宮崎のタイムリー。歳内は5イニングを投げて6安打2失点です。6回は連投の筒井が、この日は下位打線ながらキッチリ三者凡退に切って取りました。

7回は渡辺が登板。2四球で1死一、二塁として宮崎の遊ゴロを阪口が捕れず(記録はエラー)満塁となります。次の武田にも四球を与え押し出し…ここで渡辺が降板。なおも1死満塁で代わった小嶋は堤から空振り三振を奪って2死としながら、ルーキー若月に2点タイムリーを許しました。8回の西村は1三振などで三者凡退。9回の玉置も4番の宮崎、5番の武田から連続三振を奪うなど三者凡退で締めて試合終了。

いつか1軍で、そのために

ほんの少しで、しかも短めですが選手のコメントをご紹介します。まず先制の2号ソロに二塁打、今季初盗塁も決めた北條選手。「ホームランは高めの真っすぐ。入るとは思わなかったです」。開幕戦でいきなりエラーしてしまった神戸サブ球場は「守りにくくて苦手」だと言っていました。6日からは神戸サブ球場に場所が変わります。頑張ってね。「忘れてた…」。思い出させてすみません。

チームでも、自身でも最多の第3号を放った中谷選手は「インコース、真っすぐです」と言っていました。こちらは手応えを聞くと「当たりもよかったです!」と納得の一打。ことしは何本打ってくれるのかと楽しみになりますね。

最後は緒方選手。2安打で打率を.308まで上げてきました。「まあこれからですね。ヒットは2本ともよかったです。盗塁失敗はめっちゃ悔しい」。再昇格に向けて汗を流す毎日。そんな中で柴田選手が1軍に上がったことは「めちゃくちゃ悔しかった」そうです。「でも、しっかりやっておきます!」と前を向きました。チャンスは訪れます。きっと。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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