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阪神ファームは4連勝で5割復帰 隼太に1号!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

ソフトバンク3連戦の最終日、17日は鳴尾浜での試合でした。またもや接戦を制した阪神ファームは引き分けを挟んで4連勝!3タテを食らわせたソフトバンクを首位から引きずり下ろし、その差を0.5ゲームとしています。首位に立った広島とも2.5ゲーム差、射程圏内ですね。試合後、チームは18日から始まる広島3連戦に備えて山口へ移動しました。

先発の秋山投手が不安な立ち上がりで、それでも必死の粘りで6回1失点。登板した4投手全員が計10安打を喫しながら、結局はスミ1で抑えています。こちらは相変わらずのピストル打線で散発4安打のみ、犠飛2本とソロで勝ちました。そういや3連戦とも得点!しかも4安打、5安打、4安打…これでよく3連勝できたものですねえ。

なお玉置投手が3試合連続セーブを挙げ、広島のフィリップス投手を抜いてリーグ単独トップの4セーブとなりました。広島3連戦では、この戦いも楽しみです。

《ウエスタン公式戦》4月17日

阪神-ソフトバンク 4回戦 (鳴尾浜)

ソフ 100 000 000 = 1

阪神 101 000 10X = 3

◆バッテリー

【阪神】○秋山(1勝2敗)-小嶋-渡辺-S玉置(4S) / 小宮山

【ソフ】●東浜(1敗)(8回) / 山下

◆本塁打 伊藤隼1号ソロ(東浜)

◆二塁打 西田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:柴田  (2-1-0 / 1-1 / 0 / 0) .265

2]三:荒木  (2-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .364

3]左:緒方  (2-0-0 / 1-1 / 1 / 0) .300

4]指:森田  (2-0-1 / 0-0 / 0 / 0) .244

5]右:伊藤隼 (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .143

6]一:中谷  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .184

7]捕:小宮山 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .200

8]遊:北條  (3-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .146

9]二:西田  (3-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .116

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

秋山 6回 120球 (7-7-3 / 1-1 / 2.37)

小嶋 1回 11球 (1-1-0 / 0-0 /11.12)

渡辺 1回 17球 (1-2-0 / 0-0 / 0.00)

玉置 1回 14球 (1-1-0 / 0-0 / 5.14)

10安打と4安打、4安打の勝ち

秋山は1回、亀澤と高田の連打で無死一、三塁とし、3番・吉村の遊ゴロ併殺崩れの間に1点先取されます。猪本にも四球を与え一、二塁としたあと福田、塚田は連続で見逃し三振!15分以上かかった初回がようやく終わります。その裏の攻撃は柴田が四球、荒木は左前打、緒方の二ゴロで二塁封殺となり1死一、三塁。森田の左犠飛ですぐに追いつきました。

3回には西田が今月8日以来のヒットとなる左中間二塁打を放ち、柴田の犠打で1死三塁。続く荒木がインコースの球をさばいて技ありの右犠飛!というか長打になったと思われる打球をレフトの塚田がスーパーキャッチしたものです。これで2対1となりました。2回以降も秋山はヒットや四球で走者を出しますが無失点で切り抜け、6回7安打1失点で交代。三振は7つ奪っています。

7回は連投の小嶋が登板。代打・カニザレスの中前打や暴投などで2死二塁、しかし福田をスライダーで空振り三振。その裏に先頭の伊藤隼が今季公式戦1号をバックスクリーン右に放り込み、3点目。そして8回の渡辺がヒットと盗塁で1死二塁としながら連続三振で0点に抑え、9回の玉置は2死からカニザレスの左前打を許すも最後は4番・猪本をスライダーで見逃し三振に仕留めて試合終了です。

「しんどかった…」と秋山

まず秋山投手は「カットボールが全部抜けていたから…しんどかった。しんどい中でも1点で終われたけど、たまたまです」と、6回で120球を費やした疲れがにじむ言葉。4回、5回は球数も減っていますね。「序盤はフォームがしっくりこなかったので、無駄な動きを減らすために4回からセットポジションに変えました。安定してワインドアップで投げられないとだめ。今週はずっと練習でもよくない状態ではいましたが、もっといい球を投げないとしんどいですね」。この“しんどい”は疲れでなく、1軍で戦うにはということ。

久保投手コーチも「本人には言ったけど、きょうは上から叩けていないから、あれでは低めに強いボールがいかない」と話しています。それから「次のゲーム。甲子園ですよ」と。来週、甲子園で行われる中日3連戦で課題をしっかりクリアした秋山投手を見せてください。

連投の小嶋&玉置、1号の伊藤隼

引き揚げてくるなり「ワイルドピッチ、特に意味はありませんよ」と小嶋投手。へ?そこですか。7回2死一塁で福田選手をカウント2-2と追い込んでからの暴投でした。しかもあれ140キロで、この日の最速では?「時に何もなく、ただ抜けただけ」。真っすぐでも抜けることあるんですねえ。ところで連投は問題ない?「はい、2連投なら(笑)」と言って由宇へ向かいました。まだ投げますよ、きっと。

玉置投手は、3連投に「そんなの全然平気です。仕事ですから。野手の皆さんが作った試合なので最後をきっとりと締めないと。仕上げをさせてもらっているわけですからね」と意気に感じている様子。おまけに3試合とも競った展開でした。気持ちも体もたいへんでしょう?「そこで僕を信用して、使ってもらっているのは本当に嬉しいです。ありがたい。頑張りますよ~」。さらに気合を入れた玉置投手も、もちろん遠征参加です。

次に、今季公式戦1号の伊藤隼選手。公式戦復帰初日だった前日は3三振でしたが「終わってから掛布さんに“形は悪くない”と言われました。ヒットもいつか出るだろうと。ホームランは高めの真っ直ぐ。たまたまです。右手は気にせず、思いきり振れています」とのこと。

18打席ぶりのヒットが二塁打!

西田選手は本当に久しぶりのヒット、それも左中間二塁打を放ち、犠打と犠飛で勝ち越しのホームを踏みました。4月8日のオリックス戦(鳴尾浜)の2打席目に中前打してから、4試合17打席ノーヒットだったんですね。その間にあった育成試合も紅白戦も打っていないので…合わせると6試合22打席。でも西田選手は「17打席ですか?もっと、30打席くらいいってるかと思いました」と言います。それだけ悩みや焦りがあったのかもしれませんね。

ちょっと上がってきた?「はい」。きっかけになる?「はい、なると思います」。これは語りにくかったというより、西田選手が大急ぎで遠征の荷造りをして、締切ギリギリに荷物を積み込み、バスに乗ったからです。試合後に「まったく荷造りできてない。間にあわへん」と真顔でつぶやいていました。北條選手も「ちょっとしかできてない。やばいです」と焦っていたけど。しっかり2人とも時間前には出てきています。

最後に、ことし初めて“同級生”のソフトバンク・東浜投手と対戦した緒方選手は、二ゴロ、空振り三振、四球という結果に「悔しいです!」と言っていました。昨年は1試合の対戦でヒットを打ち、大学時代も打っていた相手ですからね。次は高田選手も一緒に、1軍の交流戦でぜひ。そして、この日は3番を打っていますが「特に変わらないです。どんな打順でも結果を求めてやることに変わりはないので」という感想でした。

あまりに慌ただしく出発したので、誰が遠征に参加したのか正確にはわかりませんが…確認できた選手だけ書いておきます。渡辺、藤原、小島、高宮、西村、鶴、山本、玉置、日高、小宮山、清水、岡崎、北條、西田、陽川、荒木、森田、阪口、柴田、一二三、伊藤隼、中谷、緒方、狩野。抜けていたらすみません!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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