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8日ぶりの公式戦で“打ち負け” 阪神ファームは4連敗

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

1軍はすごい試合をしていますね。ヤクルト相手に5日は12対11で負け、6日も打ち合って15対8で勝利。合計8時間半の戦いです。6日の試合では6回から出た田上選手が、ヒット2本に果敢な守備でキラリと光る働き!開幕はファームで試合もほとんど途中出場でしたが、しっかり準備できていたということでしょう。

1軍に行ったり来たりを繰り返していた昨年、田上選手は「自分に力がないからです。力があれば落とされないはず」と言っていたんですよね。そんな“入れ替え要員”ではないところを、鮮烈にアピールしました。横浜の実家から神宮に行かれたかなと思い尋ねてみると、5日は球場で、6日はテレビ観戦だったとお母さん。これから関東遠征のたびに元気な様子が見られるといいですね。

さてファームは雁の巣遠征最終日の6日に、ようやく試合ができました。公式戦は先月29日の広島戦以来、8日ぶりです。両チームとも2試合で予定していた投手が投げられなかったこともあり、合わせて13人が登板しています。ただし小嶋投手の2/3回は…おそらく予定よりも短かったでしょう。

《ウエスタン公式戦》4月6日

ソフトバンク-阪神 1回戦 (雁の巣)

阪神 000 010 000 = 1

ソフ 230 000 02X = 7

◆バッテリー

【阪神】●小嶋(2敗)-二神-伊藤和-山本-藤原-鶴-玉置 / 鶴岡-小宮山(7回~)

【ソフ】オセゲラ(4回)-○バリオス(1勝)(1回)-飯田(1回)-二保(1回)-江尻(1回)-星野(1回) / 拓也-山下(8回~)

◆三塁打 緒方、亀澤

◆二塁打 カニザレス、猪本、塚田

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]右:緒方  (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .500

2]二:西田  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 1) .143

3]左:狩野  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .133

〃打左:柴田 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .227

4]一:森田  (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .250

5]捕:鶴岡  (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .200

〃捕:小宮山 (1-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .167

6]指:原口  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .250

〃打指:阪口 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .200

7]中:中谷  (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .207

8]三:陽川  (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .167

9]遊:北條  (3-1-1 / 0-0 / 0 / 0) .120

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

小嶋 0.2回 33球 (2-1-3 / 2-2 /17.18)

二神 2.1回 39球 (4-1-1 / 3-1 / 3.86)

伊藤和 2回 20球 (1-2-0 / 0-0 / 0.00)

山本  2回 14球 (1-2-0 / 0-0 / 3.00)

藤原  2回 16球 (0-0-2 / 0-0 / 1.80)

鶴     2回 19球 (2-2-0 / 0-0 / 0.00)

玉置  2回 23球 (3-2-0 / 2-2 / 9.00)

安打、四球、失策で2回までに5失点

小嶋は1回、牧原のヒットと高田の四球で無死一、二塁とし、カニザレスのタイムリーであっという間に先取点を許します。なおも一、三塁で猪本の犠飛。そのあとは四球、ボーク、四球で1死満塁となり7番の安田から三振を奪ったところで降板。変わった二神が真砂を3球三振!

しかし二神は2回、拓也に四球を与えて牧原の投ゴロで1死二塁。続く高田の二ゴロを西田が捕球エラー…拓也を還しました。さらにカニザレスのタイムリー二塁打、猪本のタイムリーで計3点(自責1)。3回は1安打で2死三塁としたものの無失点です。

以降は1イニングずつの継投。4回の伊藤和は2死から猪本に二塁打されましたが、5番・吉村は角度のある真っすぐで見逃し三振!ちなみにカニザレスからは変化球で空振り三振を奪っています。ついで5回は山本が連続三振のあとに真砂を中前打(自身の足もと)で出すも無失点。6回の藤原はノーヒットながら2四球に盗塁などで1死一、三塁として、でも猪本は遊ゴロ併殺打で0点。

7回は鶴が登板して捕手も小宮山に代わります。内野安打で出た李杜軒の盗塁を小宮山が阻止、続く塚田には二塁打されるも後続を連続三振で片づけます。そして8回は玉置。山下から三振を奪ったあと牧原にヒットと盗塁、高田は三振で2死。しかし途中出場の亀澤に三塁打を浴びて2点を追加されてしまいました。

打線は2回に原口、3回に緒方がヒットを打っただけで4回まで得点なし。チャンスすらなし。5回は2人目のバリオスから中谷の内野安打と陽川のヒットで1死一、三塁として北條がタイムリー。1点返したものの以降もチャンスは少なく、7回に2死から中谷が低めの球をうまく打ったけれど後が続きません。8回に緒方が江尻から三塁打を放って1死三塁としますが、西田は三振で代打・柴田も倒れ無得点。9回は小宮山の内野安打があっただけ、星野に2三振を喫して試合終了。阪神は公式戦4連敗となりました。

公式戦初の伊藤和、急きょ遠征の原口

伊藤和投手は安芸キャンプの練習試合、教育リーグ、オープン戦、1軍の練習試合、そしてファーム公式戦と合わせて12試合に投げて、今季はまだ無失点。しかも計20回1/3で被安打7、奪三振36という内容です。「いつ支配下登録するの?」「今でしょ!」と、もはや懐かしさの漂うフレーズでしか表現できない安定感ですね。

2日の遠征荷物出しの時に、今回は残留と確認した原口選手が試合に出ていました。一二三選手が行かなくなった(そのあたりについては後日)ため、急きょ自分で荷物を持って福岡入りしたそうです。野手の荷物はバットケースもあるし、もしかしてキャッチャー道具も持っていったんでしょうか。そりゃあ大変だっただろうなあ。でも原口選手にとって雁の巣は、昨年行っていないので2012年9月末以来。その時は確か2試合で4安打5打点の大当たりでした。きのう6日も1打席目でヒットが出たんですが、本人は「もう1本ほしかった…」と悔しがっています。

寂しいチーム打率と勝率…

これでウエスタン・リーグは、ひと通りの対戦を終えました。成績はこちら。( )内はチーム打率とチーム防御率です。

1 ソ   9試合 6勝3敗 .667 (.262 2.03)

2 広 10試合 6勝4敗 .600 (.234 2.33)

3 中 10試合 5勝5敗 .500 (.264 3.54)

4 オ 11試合 5勝6敗 .455 (.264 4.50)

5 神   8試合 2勝6敗 .250 (.205 3.84)

ちなみに失策数は阪神が2ケタの10個になってしまいました。でもワーストではありません。いつの間にか(?)中日が12個もやっています。まあ阪神は2位ですけど。ついで広島とソフトバンクの9個、オリックスの8個という順。ホームランはソフトバンクの8本がダントツ!広島が5本、オリックスが3本、阪神と中日は1本。まだ中谷選手の1号だけです。そろそろ森田選手の豪快な1発を期待してもいいかな。お願いします。

最後にかなり余談ですが、今回もソフトバンクの配信画像で試合を見ていました。すると1回裏が始まる時のこと。「1番セカンド牧原、背番号…」というアナウンスのかぶってチャイムが鳴り、なぜか男性の声で場内放送が!パソコンのスピーカー音量を上げてみたところ「カレーライス、焼きそば、唐揚げ」と聞こえます。もう小嶋投手は牧原投手に投げているのに。しかも「繰り返します」ともう一度同じことを言ったんですよ。もちろんプレーは進行中でした。

どういうことやねん!と思いましたが、もしかして球場ではなく雁の巣レクリエーションセンター全体に流れた放送だったんでしょうか。きっとそうですよね。いやービックリしました。なんせ見事に試合とかぶっていたもので。そういえば鳴尾浜でも、臨海公園野球場で行われている試合のアナウンスが風向きによっては大きく聞こえる日があります。気づいてよかった~。もう一度聞こえたら「どういうことやねん」と電話していたかも…。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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