タイガースの熾烈な捕手争いに参戦するため、支配下復帰を誓う原口文仁選手

2月11日の練習試合でホームランを打った原口選手。肩越しに顔を出すのは阪口選手。

5年目を迎えた原口文仁捕手(22)が元気です!もともとバッティングのいい選手なので、今季初実戦だった2月11日の練習試合(西武)でホームランを放った時も「不思議でも何でもないよ。原口なら普通」と首脳陣に言われるほどでした。ただ腰痛を抱えていたため育成契約となって2年目。昨年のキャンプは別メニューで、ことしと同じ2月11日にあった西武との練習試合は安芸に残留。キャンプ中はブルペンでのキャッチングも「投手1人まで」に限定されていたくらいです。

腰は大丈夫!と笑顔全開

でも、ことしは違います。「ブルペンで180球受けても、次の日なんともない!」と、それはそれは嬉しそうに言っていました。吉田バッテリーコーチは「痛みがまったくなくなったわけじゃないだろうけど、練習も全部こなせている。去年のシーズン後半も、ひと通りのメニューは消化できても“いじめ抜く”まではいかなかった。でも今はガンガン鍛えていますよ」と何だか楽しげです。動きがキレていると言ったら、原口選手は「わかりますか?」とニヤリ。本人も手応えを感じているのでしょう。

キャンプでのバッティングは「休みを挟んだら落ちてしまう」と不満顔でしたが、最終クールの2月22日と23日の練習試合(安芸)では続けて二塁打を放っています。安芸キャンプでの練習試合は、5試合に出場して17打数5安打1打点(本塁打1、二塁打2、三振3、四球1)、打率.294という成績でした。

2月23日の四国銀行戦は「1打席目(遊飛)がよくなかったので、次はスイングの軌道をちょっと変えてみようと思って。そしたら2打席目(三ゴロ)はいい感じだった。で、3打席目の二塁打になったと思います。打球はどこに当たったんですか?」。ネットまで飛んで、レフトがフェンスに激突して捕っています。ガンッ!とすごい音がしましたよ。

「彼にとってバッティングは課題じゃない」

「後ろの2打席がいい感触で終われたところへ、特打に入れてもらった。僕はめったにないんですよ、特打って。ありがたいことです!しかも感じがいい時に。ほんと感謝しています」。この点を八木打撃コーチに聞いてみました。「練習の日の特打は前もって参加選手が決まっているけど、試合があった日は変更もしますね。試合の内容がよかった選手は、いい時にやらせてあげたいって場合もあるし、逆に悪かったから打たせることも」

原口選手について「ふみは打とうと思ったら打てる選手だからねえ。バッティングに何の心配もしてもないし、十分通用すると思っていますよ。むしろキャッチャーとしての練習を優先させることもあって、あまり特打には入れていないけど。バッティングは彼にとって課題じゃないから」と八木コーチ。なるほど、そういう理由でしたか。本人としては常に「キャッチャーの仕事が一番」と言っていますが、やはり打つことも大きなアピールポイントなので、集中してやれたのは有意義だったようです。

今まで秋山投手と2人だけでしたが、一気に増えて6人になった同級生。岩貞投手や岩崎投手の球を受けるのは、格別な思いがありますか?「それは特にないかな。でも賑やかになっていいですよね。同級生たちとは(キャンプ中も)一緒にメシ行ったりしましたよ。よく話もしています」

自分のやるべきことをやるだけ

沖縄には、その同級生でも同じポジションの梅野選手が打っているようで…。「意識はしないです。いや、もちろん気に留めはしますけど、それはどうしようもないことで。あ、そうなんだなっていうくらい。気にしても仕方ないですから」。原口選手にこういう質問をしたら、いつもサラッとかわされることが多いのですが、しつこく聞いたので特別サービス(?)してくれたのかもしれません。

「気にしても仕方ないですよね。僕は自分のやるべきことをやるだけ。アピールするしかないんです。アピール!アピールあるのみ!」。そう言ってバッグの中から、ホテルのルームキーを出しました。ファームのキャンプでは、本隊と育成選手が別の宿に分けられています。今は育成選手の宿舎ですが、すぐに本隊の…いえ、一気に1軍選手が泊まるホテルのキーを持てるようにしましょう。「そうですね。そうなるように頑張ります!」

昨年は「1年で支配下に戻る」とシーズンに臨んだ原口選手でしたが、不運にも4月11日の鳴尾浜残留練習中に死球で左手首を骨折。実戦に復帰したのはもう夏の気配が漂う頃でした。ことしはケガなく、2ケタの背番号を取り戻してほしいですね。キャッチャーが9人というチームでの厳しい戦いですが、とにかく腰痛に悩まされず野球ができることに笑顔も多くなった気がします。根気よく治療やリハビリを続けてきた原口選手自身と、支えてくださった方々のおかげ。ことしこそ、そのご褒美がもらえますように。