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横田は目が点!一二三は目からウロコ? タイガース安芸キャンプだより

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

ことしもタイガースの安芸キャンプ取材に来ました。昨年は急な寒波到来で雪とともに着いたんですが、ことしは雨…どうも歓迎されざる客のようで恐縮しています。第2クールを迎えた安芸では11日の練習試合に向けて、より実戦的な練習メニュー。7日も午後にシートバッティングが予定されていて小嶋、玉置、藤原、伊藤和、田面、島本の6投手が登板する段取りでしたが、9日に延期です。例年の傾向を見ると、このあたりが11日の練習試合に投げるんでしょうかね。

さて、内科的疾患により合同自主トレ途中から別メニューだったルーキー陽川選手が、このクールから本隊に完全合流しました。発熱で離脱していたルーキー横田選手も一部合流。また雨のため安芸ドーム内での練習だったんですが野手はみんなブルペンへ行き、打席に立ちました。それも含めて、まず平田監督の話からご紹介します。

新人野手2人は楽しみ、と平田監督

雨で実戦的な練習ができなかったものの「全然問題ない。シートバッティングは、あした(8日)も雨やから、あさってに延期した」と意に介さず。そして「陽川は本隊に入って元気いいね!背筋力が一番強い。パワーヒッターだけど器用だよ。右にも打てる。ただ上体が強いから下半身が使えるようにすると、もっともっと鋭い打球がいく。外じゃないからパワーは見せられなかったけど予定通り第2クールから合流したし、11日の試合にも連れていくよ。横田もあさって(9日)から合流できるんじゃないかな。11日の試合は、まあサインを覚えたりしないといけないので連れては行く予定」だそうです。

それから、野手がブルペンの打席に立った点は「このクールから実戦に入るので、行かせろと(コーチに)言った。ピッチャーもバッターが立ってくれたら、より試合に近いだろう。普段はメーングラウンドで練習しているのでブルペンが遠いけど、雨でこういう時ならちょうどいいかなと思ってね。あしたもやるよ」と平田監督。その“初打席”に堂々と立った横田選手を見て「構えた姿が大きく見えていいねえ!」と楽しみな様子でした。

完全合流で元気ハツラツの陽川

フルメニューをこなした陽川選手は「第1クールも個別ながら結構、振り込んでいたので影響なくできました」と言います。朝6時半から宿舎で行われている素振りには第1クールからずっと参加しているそうです。本隊での練習を見て、平田監督が元気いいねと。「自分は割と元気がないと言われるので…」。あら、そうなの?「はい、元気がないように見られがちなんです」と苦笑。「でも褒めていただいたので、これからも元気出していきたい」とニッコリ。

「今までは個別練習で、キャンプという感じがしなかったんですけど、全体でやってキャンプしてるという気がしました」と陽川選手。ブルペンで岩貞投手の投げている打席に立ったのは?「同期が投げていたので、そこにと思って。他のピッチャーはこれから徐々に見ていきたい。きょうはまだ目が慣れていなくて球が速く感じた。勢いがありました」と話しています。練習試合に連れて行くと監督が言っていましたよ。「行くからには途中からでも出て、プロ野球を味わいたい」と張り切っています。

横田「玉置さんのチェンジアップはすごい」

横田選手は「バッティングは1時間ちょいやりました。最近では長いですね。自分でも納得の練習ができたかなと思う」と振り返ります。右手の人差し指つけ根にテープを巻いていて「あんまりマメはできない方なんですけど」と。1時間バットを振ると、さすがに?「はい、きますね(笑い)」。外で打つのは9日からの予定で「体力的には全然問題ないです。早く全部合流できるように頑張ります」とのこと。

初めてブルペンの打席で見たのは伊藤和投手と玉置投手の球でした。「速いとは思っていたけど、それ以上にキレもあって、打てるかなという心配もちょっと…。ただプラスの面もあったのでよかったです」という横田選手が、度肝を抜かれたのは玉置投手のチェンジアップ。「真っすぐの軌道で来て落ちる。高校であんな球を投げる人はいない!プロだなあと思った」と目を丸くしながら感想を述べました。

陽川選手を打席に迎えてピッチングをした岩貞投手は「バッターが入った方が投げやすかった」と言います。「大学は毎年オープン戦で何度も対戦したし、3年の冬に松山であった代表合宿も一緒で、それから仲良くなりました。きょうは、逆にインコースとか遠慮なく投げられたのでよかったです」。フリーバッティングで登板する際にはどの辺を意識?「自分の持っているボールに対して、どういうのをスイングされるか、フルスイングされる確率が高いのは何か、少しでも試合に生かせるような経験が得られれば、と思います」

一二三は掛布さんからマンツーマン指導

掛布DCは、安芸ドーム内でもアクティブに動いていて、大きな声が活気を倍増させています。この日は練習の後半に「一二三を借りてもいいかな?」と監督やコーチ陣に声をかけ、約40分の個別指導を行いました。「踏み込む左足の体重移動の仕方が違だろ?って。左足の体重のかけ方が真逆だったから、ちょっと借りた。ゆるいボールを打てばそれがわかるので」と、自らトスを上げて打たせたものです。

練習を終えた一二三選手に聞いてみました。「トップの位置が作れていないと。マシンの速い球を打っていると、始動が遅いからついていけていない。緩い球で確認しながらやろうと言われた」そうです。体重のかけ方、移動については「僕ピッチャーやっていたので、投げるのも捕るのも、かかとから地面につくんですよ。バッティングはつま先からで。そんなこと気にしてなかった。きょう初めて言われました。なぜ打つ時にひざが伸びて後ろ体重になるのかな、と。かかとから入ったら、ひざを曲げても後ろに体重がかかるので」

それでも去年は打っていたよね?「調子いい時は体が反応できていた。疲れてくるとスイングスピードも弱まってくる。下半身を使うことの意味がわかってきました。できそうです。ひざがロックされるというか、足を着いた時に突っ張って伸ばしてしまっていたので、ひざを柔らかく使えるとバットがスムーズに出る」。まさに目からウロコの指摘だったようです。もちろん意識せずにやれている時もあるんでしょうけど、これがもし外の変化球をさばけなかった原因だったとしたら…楽しみになってきますねえ。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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