Yahoo!ニュース

鳴尾浜のタイガース合同自主トレ打ち上げ

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

1月9日から鳴尾浜で行われていた、新人選手や強化選手による合同自主トレが30日に終了。沖縄組も宜野座での先乗り合同自主トレを打ち上げました。休みを挟んで、ついにキャンプインですね。さて午前中に練習を終えた鳴尾浜では、午後に安芸キャンプ用の荷物出し。この日は雨だったこともあり、早めにトラックへの積み込みが始まったようです。やがて関本選手や安藤投手、渡辺投手、加藤投手、日高選手、岡崎選手、田上選手らが次々に荷物を持って鳴尾浜へやってきました。監督、コーチ、選手は揃って31日午前に高知入り、1日からの安芸キャンプに備えています。

では新人合同自主トレを打ち上げた4選手の話です。

岩貞はキャンプに不安なし

最終日に2度目のブルペン入りをした岩貞投手。今年初めてキャッチャーを座らせ、真っすぐにカーブ、スライダー、カットボールを交えて27球を投じました。「もちろん完成にはほど遠いですが、現状を把握できました。休んでしまったけど、そのあとやった分はできている。悪くはない。それなりだと思います。もう少し、チェンジアップなども投げてみたい気持ちはあったんですが、まだ焦る時期じゃないと思ったので」

大学3年の時に覚えたというカーブは、結構スピードがあるもので「大学時代はだいたい110キロの後半は出ていた。自分としてはもっと遅くて変化の大きいものを目指したいんですけど」と言います。キャンプ中の実戦ではどうするのか聞かれ「これまでやった方と、いま取り組んでいる方を比べて、その精度の高い方を投げたい」と答えました。

いよいよ始まるキャンプに「まずはケガせずやるのが一番。3月下旬の開幕に向けて戦力となれるような体作りをしていかないといけない。沖縄に早く行くこともですけど、自分の体をケアして、呼ばれた時にしっかり結果を出すことが大事だと思います」との抱負。第2クール最終日に体調を崩し、復帰してからの日々を「そんなに体がなまってしまったなという感じはなかった。だから焦らずやれたんだと思う」と振り返りました。最後に「キャンプの練習量についても、今のところ不安はありません」とコメント。よかったですね。

打撃をアピールする、ケガせず乗り切る

横田選手は高校生らしく、とても謙虚に「初めてなので不安は結構あります。ついていくのが精いっぱいだと思いますが、ひとつひとつメニューをこなしていきたいです」と言っていました。また「バッティングに一番自信があるので、そこをアピールしたい。木のバットにもだいぶ慣れてしました」とのこと。鳴尾浜の自主トレでも一二三選手や北條選手と一緒だったし(多少、いじられているという感は否めませんけど)、みんな優しいから大丈夫ですよ。“1年生の仕事”については、北條先輩にしっかり教えてもらってください。

体調を考慮して自主トレ途中から別メニューとなった陽川選手は「自分なりの練習ができず、遅れてしまった分はキャンプでカバーしていければと思います。予定では初日からフルメニューいけそうなんですが、トレーナーの方と相談しながらです。体はもう大丈夫。しっかりここから上げていかないと。遅れているけど焦らず、一日一日やっていきたい」と話しました。体はもう大丈夫とのことで安心しました。キャンプも問題なさそうですね。くれぐれも焦ってマイナスにならないよう、お願いします。

岩崎投手は自主トレ最終日の30日もピッチングをしました。ブルペンで50球、全球種を投げたそうです。「キャンプはケガせず乗り切る、それが一番だと思います。きょうのピッチングは、コースのコントロールはあくまでアバウトなんですけど、それなりにいい感じになっていた。キャンプでしっかり詰めていきたい。低めにボールはいっていたけど、その球威はまだまだ弱いなと思いました。変化球はシンカーとフォークが、まあまあいいかなと。ボールのキレを大事に調整していきたい」。ルーキーでは一番にブルペン入りして、最後まで順調に投げてきました。キャンプの実戦でも早くに登板機会があるでしょうね。

「いよいよ競争が始まるよ!」

最終日も視察に訪れ、自身のキャンプ準備も整えた平田監督。帰り際に話を聞きました。ドラ1ルーキーのことを聞かれ「岩貞、間に合ったね。きょうはキャッチャーを座らせて、力強いボールを投げていた。何の問題もなくキャンプに入れる。カーブの腕の振りもよかったし、スライダーもいい。思ったよりボールに力があったよ」と明るい表情です。体力的な遅れは?「問題ないですよ。あさってから、みんなと一緒に競争できる」。そのあと「いよいよ競争が始まるね。これから誰が沖縄に呼ばれるかの競争。野手も含めてだよ。楽しみだねえ」とニヤリ。早くも、戦いに向かう監督の顔でした。

改めてキャンプと、キャンプ中に行われる練習試合の日程を書いておきます。

◆日程【沖縄、安芸共通】2月1日~26日

◆休日【沖縄、安芸共通】6日、12日、17日、21日(天候等で変更あり)

◆練習試合

【沖縄】

11日 日本ハム(宜野座)12:30~

14日 韓国・三星(宜野座)13:00~

16日 DeNA(宜野湾)13:00~

19日 楽天(宜野座)12:30~

25日 韓国・LGツインズ(宜野座)13:00~

【安芸】

11日 西武(春野)12:30~

15日 韓国・高陽(安芸)12:30~

16日 西武(安芸)12:30~

22日 韓国・高陽(安芸)12:30~

23日 四国銀行(安芸)12:30~

25日 四国IL・高知(安芸)12:30~ 

※高陽は韓国の独立プロ球団・高陽ワンダーズ

1軍は昨年同様に『高知県プレシーズンマッチ』として次の2試合を行います。

3月1日 阪神‐ロッテ(安芸)13:00~

3月2日 西武‐阪神(春野)12:30~

まだ出場選手登録も始まっていない時期ながら、あえて“1軍は”と書かせていただきました。ファームは同じ3月1日と2日に鳴尾浜球場で、ウエスタン春季教育リーグのオリックス戦ですからね。この時にもう一度高知へ行けるかどうか…すべてはキャンプ次第と言ってもいいでしょう。平田監督の言葉通り、競争の日々が始まります。負けるな小虎!

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

岡本育子の最近の記事