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阪神の最年長ルーキー・山本翔也投手が制球力アピール!

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター

鳴尾浜で行われている新人合同自主トレは、22日から第4クールに入りました。体調不良で16日から静養していたドラフト1位の岩貞投手は午前に診察を受けGOサインが出たようです。ただし、この日は屋内でのトレーニングのみ。同じく20日に体調を崩したドラフト3位の陽川選手も練習を再開していますが、やはりまだ別メニューです。とはいえインフルエンザやノロウイルスなどが心配な季節、2人とも快方に向かっていて何よりです。

またドラフト5位の山本投手、6位の岩崎投手は揃って合同自主トレ2度目のピッチングを披露しました。この日は秋山投手や松田投手、それに白仁田投手、DeNAから移籍した吉見投手など先輩投手陣も続々とブルペン入り。そのうえ和田監督や平田監督も見守る中で、かなり緊張したのではないでしょうか。

高橋由伸さんから見逃し三振を

20日の初ブルペンでも、立ち投げはやらない主義と言っていた山本投手。この日もすぐに原口捕手を座らせて計44球を投げました。「まだまだ自分の投げ方ができていなかったり、思うところにいけていなかったりしたので」と少し不満な口調です。ギャラリーが多かった点は?「前回も人が多く、きょうは監督が来られていて、緊張というよりはアピールしないと、という感じでした。前よりはまとまったピッチングができたと思います」

和田監督から「左打者に嫌がられるピッチャー」と好評だったそうで、それについては「都市対抗本大会のJR東日本戦で左を全部抑えたのが評価されたと思うので、しっかり抑えていきたい。外の球がちょっとシュートしてしまうとこがあるので、そこは気をつけます」と話していました。筒井投手が先発に転向すれば、中継ぎに空きができますね。「もちろんドラフトで指名された時から、そういうつもりでした。毎年毎年そんなチャンスはないので。1年目であれ、しっかりそのポジションを確立したいなと考えています」。さすが社会人、頼もしい言葉でした。

セ・リーグにはいい左打者も多いですが、誰と対戦したい?「入団発表会でも言いましたが、小さい頃から高橋由伸さんに憧れて野球をやってきたので、勝負したいと思います。攻め方ですか?状況にもよりますけど…三振を取りたいという気持ちがあるので、内か外かの真っすぐで。手の出ないとこに投げて見逃し三振とか。左打者のインコースに投げるのもそんなに苦ではないです。社会人では、そこに投げないと抑えられないということがありましたから。しっかり練習していきたい」

なお山本投手の球を初めて受けた原口捕手は「コントロールいいじゃないですか!全然高めに浮かなかったですねえ。ボールもしっかり指にかかっていたし。でも本人はまだ納得していないみたいですよ。僕はいいと思いますけど。試合にも投げられそうで」と絶賛でした。ちなみに44球のうちカーブが2球、あとは真っすぐだったそうです。

岩崎も「まだまだ納得いかない」

岩崎投手は19日に次ぐブルペン入りで、真っすぐのみ30球。そのうち10球は捕手を座らせました。「まだまだ納得いかないところが多いですね。最後の方は座ってもらったけど、立っている時も感覚がずれているところがあるので」と言います。具体的には「リリースが一番で、あとは体の使い方や開きなど。まだできていないので調整していきたい。ブルペンもですが、キャッチボールをもっと大事に、意識を持って」とのこと。

今後のピッチングについて「あすは予定なし、あさって(24日)投げて様子をみて、いけたら次の日も。連投は大学で当たり前にやっていたので問題ないと思う」と意欲的でした。次回あたりから変化球を少しずつ入れていくようです。それにしてもブルペンは人が多かったですね。「この前は1人で投げたんですけど、きょうは周りにいて…ちょっと力が入ったところもあると思います」。それはあるでしょう。隣で山本投手もバンバン投げていたし。「あまり意識せずにやりました」。なるほど。

そうはいっても、沖縄・宜野座の1軍キャンプに召集されるかどうかは意識してしまうところ。ルーキー6人のうち、高校生の横田選手はやっぱり安芸スタートですかねえ。既にブルペンで投げてアピール中の山本投手、岩崎投手は沖縄に行けるでしょうか。発熱で1週間近く休んだ岩貞投手がどうなのか、また梅野選手が沖縄へ行くとなれば他の捕手陣の振り分けはいかに。気になる沖縄キャンプ参加メンバーの発表は23日、合同コーチ会議のあとに行われます。

白仁田は充実の安芸自主トレ

最後に、22日がことし鳴尾浜初登場だった白仁田投手の話です。年明けは9日から19日まで清水選手、田上選手とともに高知県安芸市で自主トレをしてきたようで、この日はさっそくブルペンに入って立ち投げを40球。「安芸でもずっと投げていたので。キャッチャーを座らせたり、バッティングで投げたり。他にも走ったりと総合的にやってきました。施設が揃っていたし、清水さんや田上がいてやりやすかった。コンディションはいいです」

昨年は清水選手の誘いで田上選手が参加した安芸自主トレに、ことしは白仁田投手も加わったわけですね。これで投手、捕手、野手が揃い、練習の幅も広がったと思います。この3人とは関係のない話ですが、以前に「同じポジションの選手はライバルなんだから、仲良く一緒に自主トレをするのはいかがなものか」という先輩選手からの意見がありました。実情は違ったのかもしれないけど、そう見えてしまったとしたら残念ですね。もちろん1人ではできることも制限されますし、合同でやるメリットは大きいはず。ただし「互いを甘やかす馴れ合いではなく、切磋琢磨しあう関係であるべき」ということでしょう。その成果が出るのは、まもなくです。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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