この週末に日本を襲った豪雨災害。各地で大規模な水害が起きてしまいました。

 災害時にアクセスが集中するサイトの一つが、気象庁の公式サイトです。

 気象庁のサイトには、雨や前線に関する情報、水害情報など、さまざまな情報が集約されているからです。

 ただ、豪雨や台風、災害発生時のアクセスは、通常時よりも跳ね上がります。今回の豪雨では、気象庁のサイトへのアクセスが集中しすぎて、14日昼ごろから15日にかけ、一時閲覧しにくい状態になってしまったと、15日、気象庁が声明を出しました。

気象庁の声明より
気象庁の声明より

 その後気象庁は、「緊急的にシステムを増強」して、ほぼ平常通りアクセスできる状態に戻したそうですが、声明では、「再びアクセスが集中すれば、また閲覧できなくなる可能性がある」としています。

 そうなった時、情報を得るには、どうすればいいか。今回の声明では、国土交通省の防災サイトに加え、NHKの防災サイトを見るようにすすめています。国の機関が公式の声明で、外部の情報サイトから情報を得るようすすめるのは、異例と言えるでしょう。

 なぜ、そうせざるを得ないのか。

 今後も豪雨が予想される中、サーバ増強は一朝一夕にはできない、という時間的な事情もあるでしょう。

 それに加えて、気象庁のサーバの増強に、予算的限界があることが、大きな理由だと考えられます。予算の制約上、十分なアクセスに耐えられるサーバを確保できないため、アクセスを“他に流す”しかない、ということです。

 NHKの昨年7月の記事によると、気象庁は、Webサイトでの情報発信や、気象関連のシステム維持費など、経費が増加する中、予算は増えず、財政がきわめて厳しい状態にあるといいます。

 このため、昨年9月から、国のサイトとしては異例の、広告掲載を開始しました。当初は、見た人の行動履歴と連動して広告が変わる「運用型広告」仕組みを導入していましたが、これだと「不適切な広告が出る」と批判があったため、内容を事前に審査する固定のバナー広告に切り替えました。

気象庁の昨年0月のニュースリリースより
気象庁の昨年0月のニュースリリースより

ITmedia NEWSの記事によると、運用型広告では、2021年度2億4000万円の収入を見込んでいましたが、固定のバナー広告だとわずか800万円程度の見通し。アクセス集中時のサーバを支えるだけの収益は得られそうにありません。

 異常気象が続き、豪雨や台風による災害が増える中、気象庁の台所事情が苦しく、サイトの増強にすらお金をかけられないこの状況は、国民にとってもデメリットしかないように思います。何とかならないものでしょうか。