子供をSNSやスマホの犯罪から守るには?ペアレンタルコントロール活用のススメ

大阪で起きた不明女児保護事件は、SNSで言葉巧みに誘いだされたことがわかった。(写真:アフロ)

 今月17日から行方の分からなくなっていた大阪市住吉区で起きた小学校六年生(12歳)の少女の行方不明事件は、23日に少女が自ら交番へ駆け込み無事保護された。行方不明時に少女はスマートフォンと千円程の現金を持っていると考えられていたが、保護された時点ではスマートフォンを保持していなかった。

 少女を連れ去っていた男は逮捕されており、SNSのメッセージ機能で「別の女の子のしゃべり相手になってほしい」といったやりとりで、少女を誘い出していたという。現時点ではどういったSNSを利用していたか等の情報は発表されていない。

 

 幼い子供を親の目の届かない場所で、言葉巧みに誘い出そうとする行為から子供を守ることは出来ないのだろうか?ペアレンタルコントロールという機能を紹介したい。

■小学生になると約6割が自分専用のスマートフォンを与えられる

 ペアレンタルコントロールの説明に入る前に、現在小学生がどの程度自分専用のスマートフォンを与えられているのか見てみよう。

 内閣府の調査によれば、10歳から自分専用のスマートフォンを与えられる世帯が現れ始め、12歳時点では約6割が自分専用のスマートフォンを与えられ、15歳時点で99%に到達し、高校生になれば自分専用スマートフォンが当たり前の状態になるという。

 

青少年のスマートフォン所有状況。12歳時点で約6割が自分専用のスマートフォンを与えられている。出典:内閣府「平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」より
青少年のスマートフォン所有状況。12歳時点で約6割が自分専用のスマートフォンを与えられている。出典:内閣府「平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」より

 同調査によれば、子供達は与えられたスマートフォンで動画視聴やゲームに大半の時間を費やしているが、年齢が上昇するにつれSNS等のコミュニケーション系サービスの利用が増加してくるという。

 年齢が上昇といっても9歳程度からである。警戒心もそれほど発達していない幼い子供がスマートフォンを利用して、親は心配では無いのだろうか?同調査には、親がスマートフォンやインターネットを安全に利用させるためにどういった対策を取っているか?も記載されているが、視界の届く範囲で利用させているが9割で、あとは普段から口頭で注意している等が続くが、有害なサイトへのアクセスをブロックする「フィルタリング」は低年齢層に限れば9.4%しか利用されていない。

 例え目の届く範囲でスマートフォンを利用していても、SNSで誘い出されているかどうかまで保護者が把握することは難しい。今回のような犯罪に巻き込まれることを予防するという意味では十分な対策が取られていない実態が読み取れる。

 

スマートフォンでのインターネット利用における保護者の取組状況。出典:内閣府「平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」
スマートフォンでのインターネット利用における保護者の取組状況。出典:内閣府「平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」

■犯罪者から子供を守るペアレンタルコントロールとは?

 最近のスマートフォンには、ペアレンタルコントロールという機能が利用出来るものがある。これは子供によるスマートフォン等の利用を、親が監視して制限する取り組みのことである。例えばiPhoneであればApp Store等でのアプリ購入等を制限したり、成人向けのサイトへのアクセスや、年齢制限のあるアプリのインストールを制限したりすることが出来る。

 また、iPhoneには「家族と位置情報を共有する」という機能も有るので、もし家族の誰かが行方不明になってもiPhoneの電源がオフになっていなければ、家族が今どこに居るのか位置情報から知ることが出来る。

 ・iPhoneのペアレンタルコントロール

 ・iPhoneで家族と位置情報を共有する

■携帯電話会社各社もペアレンタルコントロールを提供している

 家族が全員iPhone同士なら、上記のiPhone標準の機能である程度は十分かもしれない。しかし、家族同士で利用している機種が異なることも有る。そういった場合には、契約している携帯電話会社のペアレンタルコントロールを利用する方法も有る。

 ドコモ、au、ソフトバンクであれば無料で利用することが出来る。また、SNS等のアプリ利用を制限することも出来る。

 ・あんしんフィルター for DoCoMo 無料(申し込み不要)

 ・あんしんフィルター for au 無料(申込み不要)

 ・あんしんフィルター for ソフトバンク 無料(但し申込みが必要)

 格安スマホについても、同様のサービスを提供していることもあるので利用している格安スマホ会社に問い合わせてみると良いだろう。なお、Y!mobileは利用料無料で「あんしんフィルター」を利用することが可能だ。

 ・あんしんフィルター for Y!mobile 無料(申し込み必要)

■子供にスマートフォンを与えるときには、まずはペアレンタルコントロールの設定を

 ペアレンタルコントロールは、主要なスマートフォンメーカや携帯電話会社で有れば無料で利用することが出来る。こういった機能を使いSNSの利用を禁止する、あるいは位置情報で家族の位置を随時共有していれば、今回の大阪の事件は予防あるいは、早期に解決することが出来たかもしれない。今回の事件は幸いなことに少女の命にこそ影響はなかったものの、別の事件が起きた場合には、命の危険も有ったかもしれない。

 連絡手段として子供にスマートフォンを与える親は増えている。しかし、スマートフォンを買い与える時には同時にペアレンタルコントロールの設定を子供に手渡す前に設定して手渡すことで、子供が犯罪に巻き込まれるリスクを低下させることが出来るようになるだろう。