昨年末から急に「パケ詰まり」という聞き慣れない単語をネットで目にするようになった。いつ頃から使われだした言葉なのかと思い、グーグルトレンドでここ三年間の状況を調べてみると、2012年12月から急に使われ出した言葉であることがわかった。

グーグルトレンドで昨年12月から急増した「パケ詰まり」検索数
グーグルトレンドで昨年12月から急増した「パケ詰まり」検索数

この聞き慣れない「パケ詰まり」が原因でネットでは、iPhone5の解約が殺到していると思わせる話題も出回るようになった。

そこで、そもそも「パケ詰まり」とは何なのか、本当にiPhone5の解約が殺到しているのかをKDDI広報部に話をうかがった。

「iPhone5の解約は殺到しているのか?」

Q1 現在、ネット上ではauのiPhone5で「パケ詰まり」が発生し、解約祭りだといったような噂があるが事実でしょうか?

“確かに「パケ詰まり」に対する問い合わせは昨年末から受けるようになりましたが「殺到」というレベルではありません。他の問い合わせと比べても多いというレベルでもありません。解約が殺到しているという事実もありません”

Q2 「パケ詰まり」とはどのような症状なのでしょうか?

“そもそも、弊社としても困惑している状況です。弊社もTwitterで「パケ詰まり」という語句を検索して症状などを把握するように努めていますが、事象がバラバラなのです。例えば、LTEが使えない地域では、確かに一度3Gになり、それも使えない場所では1X接続となりますがこの切り替えの時に通信速度が遅いといったご意見や、都内等の利用者が多い地域で通信が混雑しているケース、端末が故障しているケースと、通信が出来ない状態を全て「パケ詰まり」と表現されてしまっているような状態です”

Q3 「パケ詰まり」に対する対策は検討されているのでしょうか?

“弊社では「パケ詰まり」に限らず、通信品質の改善に努めています。ですから、LTE/3G/1Xの回線切り替えや、輻輳状況などを確認出来た場合には原因を特定し改善するように努めています。しかし、今ネットで「パケ詰まり」と呼ばれている事象は、どのような状況を「パケ詰まり」と言われているのかを特定することが出来ておらず、弊社内でも「パケ詰まり」という定義が存在していません。特定出来ていないが故に「パケ詰まり」対策は行えておりません。しかし、回線切り替えや輻輳など症状が具体的なケースにおいては品質改善の努力は行っております。”

Q4 「一部ではクアルコムチップの不具合という噂もありますが、その可能性はあるのでしようか?

“アップル製品の仕様等については、弊社からお答えすることは出来ません”

Q5 「端末交換で治ったという事例もあるようですが」

“端末については弊社からお答えすることは出来ませんが、端末自身が故障しておりそれを交換したら治ったという事例は無いとは言い切れません。しかし、それは単に故障していただけであり、こういった故障も含めて「パケ詰まり」と表現されており、困惑しています”

通信不具合を「パケ詰まり」と一言で表現しては原因が解明出来ない

KDDIとしても通信品質の改善には努めているが、今回の「パケ詰まり」騒動は、「パケ詰まり」というキーワードだけが一人歩きしてしまい、全ての通信トラブルを「パケ詰まり」と表現する流れになっていて、事象の特定に困っている様子がうかがえた。

一般的に通信速度が遅い、繋がらないという場合には下記の事象が考えられる。

1) LTE-> 3G、LTE-> 3G-> 1Xの回線切り替え時に、回線切り替えが上手くいかない

2) 音声通話からデータ通信へ戻る時の、CSフォールバックが上手くいかない

3) 利用者が多い場所、時間帯で輻輳している

4) LTEの回線が輻輳している

5) 端末の故障

KDDIではTwitterで「パケ詰まり」に関する呟きをチェックしているため、もし通信に関する不具合を感じたら「パケ詰まり」と一言で表現するのではなく、場所や時間帯、具体的な症状を付け加えて呟けば、KDDIに限らずキャリア側も対策を検討しやすい。

「パケ詰まり」と一言で表現して具体的な症状を呟かなければ、結局事象を特定することが出来ず早期の改善に繋がらない。別の例に置き換えれば「インターネットが繋がらない」とだけ呟いて、パソコンの調子が悪いのか、LANケーブルが刺さっていないのか、無線LANのパスワードがわからないのか、DNSがおかしいのか、ISPに契約していないだけなのか、考えられる要因と対策は無数にあるが「インターネットが繋がらない」とだけしか答えなければ改善に要する時間は長くなる。

早急に品質改善を希望するためには、出来るだけ具体的に症状を呟いてみることをお勧めする。

原文:ASSIOMA(アショーマ)