Foxconn Technology GroupのWebサイト
Foxconn Technology GroupのWebサイト

iPhoneの製造を手がける台湾の精密機器メーカー鴻海精密工業傘下のフォックスコン・テクロノジー・グループで5日、工場従業員が大規模なストライキに突入したと、ロイターが報道した。ロイターはこのストライキにより従業員3000~4000人が参加し、iPhone5の生産に遅れが出るとしていた。

しかし、フォックスコン側はその報道を否定。同社によれば数日前に従業員同士の小規模なトラブルが発生したが大事には至っておらず、工場停止の事実はなく、生産の遅れも無いとしている。

■従業員との間でトラブルの絶えないフォックスコン

フォックスコンの就業問題に関する報道は今回だけではない。2010年には僅か半年の間に従業員12人が過労や待遇に耐え切れず自殺した。

自殺を防止するために踊り場にバリケードを設置するフォックスコン
自殺を防止するために踊り場にバリケードを設置するフォックスコン

今回のストライキが報道される僅か数日前にも、中国、中部の山西省太原にある工場で従業員約2000人を巻き込む暴動が発生し、40人が病院に運ばれ、20人以上の逮捕者が出るというトラブルが起きていた。

同社では、週6~7日、一日12時間以上に及ぶ過剰な超過勤務や賃金未払いが度々指摘され、米公正労働協会(FLA)は同社の労働環境を指摘していた。

劣悪な環境は勤務場所だけでは無い、従業員に与えられる寮にも問題があるという。1室に8~10人が詰め込まれ、寮のトイレの床は溢れ出た排泄物で覆われていることもあるという。

職場でも寮でも、おおよそ「人間扱いされない」環境下で働かされる従業員達。同社はストライキを否定しているが、これまでの経緯を考えてみても、「火の無い所に煙は立たず」という諺が頭をよぎる。

※画像はNyTimes

■顧客は一流、しかし社員は四流という経営哲学

アップルのスティーブ・ジョブスが1976年、マイクロソフトのビルゲイツが1975年に創業し、パソコン時代の盟主となった。時を同じくして、もう一人「これからはコンピュータの時代」を予見した創業者が居る。フォックスコンの前身である鴻海工業の創業者で郭台銘氏である。

もし、郭台銘氏が居なければ、ジョブスのアイデアを具現化することが出来ず、私たちはiPhoneやiPadを手にする感動を味わっていなかったかもしれない。

そんな、郭台銘氏の経営哲学として良く語られる言葉が次の言葉だ。

「人材は4流、管理は3流、設備は2流、しかし顧客は1流」

時代を読み、時代を作り上げ、世界の工場と呼ばれるまでに発展したフォックスコンではあるが、中国は経済成長により、以前のように奴隷のような環境で働くことを肯定する若者は減少傾向にあるという。実際同社の離職率や求職に訪れる人は減少傾向にあるという。

その先見性をもって次に行うべきことは、社員は四流という待遇から抜け出し「従業員に愛される」企業に変わる時では無いだろうか。