米国モバイル事情:MetroPCSを巡り揺れるTモバイルとスプリント

2012年10月3日、Tモバイルの親会社であるドイツテレコムは、TモバイルとMetroPCSを合併させることで最終合意に達したと発表した。合併後のブランド名「Tモバイル」で統一される。

2011年3月に周波数不足に悩むAT&TがTモバイルを約390億ドルで買収すること合意していたが、米司法省から独占禁止法訴訟にあい、12月に買収が中止された経緯があった。

第2四半期末時点の契約件数は、業界トップのAT&Tが1億500万件、2位のベライゾンが9400万件、3位のスプリントが5600万件。今回の合併に伴い、新しいTモバイルは約4250万人の加入者となるため、4位のままであることは変わらない。

■スプリントも買収交渉を開始

この合併が成功すれば、3位のスプリントとTモバイルの差は僅差となる。そのため、スプリントがメトロPCSの買収交渉を開始した。ドイツテレコムより高い提示を行っていると予想される。

Tモバイル不振の理由の一つにiPhoneを扱っていないことが挙げられていたが、メトロPCSも扱っていない。このため、TモバイルとメトロPCSが合併しても加入者増を牽引する力のあるiPhoneを持っていないため両者の規模は現状維持に留まる可能性もある。

スプリントはiPhoneを扱っているため、加入者増という観点では効果があると考えられる。既に携帯電話加入者は飽和状態に達しており、人気端末を取り扱い、キャリア間で加入者の獲得競争になっているため、一定のファンが居るiPhoneの存在は重要だ。もし、スプリントがメトロPCSを買収させれば体力も端末のラインナップの面でも他キャリアに劣るTモバイルが草刈場となる可能性も考えられる。