「女性を同じ人間と思っていない」 リアルナンパアカデミー“塾長”裁判、被害者が意見陳述

(写真:アフロ)

 リアルナンパアカデミー(通称RNA)による連続集団レイプ事件。主犯とされる「塾長」渡部泰介被告の裁判が続いている。

 12月23日に東京地裁で行われた公判では、被害者の女性のうち1人が出廷し、「刑務所の中で死を迎えてほしい」と、激しい処罰感情を口にした。

 渡部被告はどの事件についても性交の同意があったと主張している。

 また、11月と12月に行われた公判では「モテ自慢」を繰り返し、さらに検察官から「無意味に被害者のプライバシーに触れるのはやめてください。いいですか?」と厳しく制される場面もあった。

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 出廷したのは、渡部被告が罪に問われている3件の準強制性交等事件のうち、2018年3月の事件の被害者「Bさん」。衝立の奥から、しっかりとした声で意見陳述を行った。

(Bさんの意見陳述の要約)

 この事件が起こるまで私は自分のことは自分で決められると思っていました。自分の意志に反し、よりによって複数の男性からレイプされることは、全く予想していませんでした。

 今でもひとりでいると涙が出ることがあり、心療内科に通っています。

 法廷でも被告に言いたい放題言われ、(事件時の)意識がないときに死んでいれば良かったと思いました。

 (渡部被告はこれまでの裁判で被害者らから好感を持たれており、同意のある性交だったと語ったが)私は被告を「若作りのおじさん」としか思っていませんでした。

 私がシモネタを話していたからセックスにも同意があったかのように語られましたが、シモネタを言うことと、性交に同意することの間には高い壁があります。(被告人がそのように理解していることを)理解できません。

 (被告人や共犯者に対して)魅力を感じておらず、女としてかわいいと思われなくても良かったからシモネタを話していました。

 (被告人がBさんから『Hしたい』と言ったなど、Bさんから誘う言動があったと供述していることについて)被告人は、クラブでの会話から性交時までテープをまわして録音し、一部は録画も取っています。

 (録音や録画をした理由を)「冤罪に巻き込まれないように」と説明しています。そうであるなら、私が「Hしたい」と言ったり、誘ったりする発言の録音が残っていないのはなぜですか。私はそのような言動をしていないからです。

 被告は、私がかまってほしくてわざとドリンクをこぼしたとか、欲求不満で自分から性行為したとか、私のことを頭のおかしい人のように侮辱しています。

 私のことをなぜそのようなキャラクターにしなければいけないか、わかっています。私を頭がおかしくて信用できないような証言をする人にする必要があるからです。

 被告は、私たち(被害者のAさん、Bさん、Cさん)のことを裁判で「女A」「女B」「女C」と呼びました。まるで女性であればそれだけで見下しているように感じました。

 ナルシスト過ぎて気持ち悪い。女性のことを同じ人間と思っていないと感じます。

 できることなら刑務所の中で死を迎えてほしいと思います。少しでも長く刑務所に入れてください。

 渡部被告は法廷で自分が女性から好感を持たれていたかを語ってきたが、Bさん以外の他の被害者も、その印象を「記憶にない。ほとんど喋っていない」などと話し、認識に隔たりがあることが明らかになっている。

 これまで裁判を終えた他の5人のRNAメンバーのうち4人は実刑判決、「未遂」での起訴だった1人が執行猶予付き判決となった。渡部被告への判決は来年言い渡される予定。

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準強制性交等で4度逮捕 ナンパアカデミー塾長・渡部被告の実像(2019年10月2日/高橋ユキ/FRIDAY DIGITAL)

初の単著『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を』(タバブックス)発売中。ライターです。主に性暴力、働き方、教育などの取材・執筆をしています。カウンセラーではないので、ケアを受けていない方からの被害相談は基本的に対応できません。お仕事、講演のご依頼は、info.mapt7@gmail.com ※スタッフが対応します。NAVERまとめへの転載お断り。

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