オスプレイが寒さに弱いという誤解

2020年2月5日、米海兵隊の撮影。北海道大演習場で訓練中のMV-22オスプレイ

 1月22日から2月8日まで北海道で陸上自衛隊と米海兵隊の共同訓練「ノーザンヴァイパー」が行われました。この訓練で海兵隊のMV-22オスプレイ輸送機が初めて北海道に飛来しています。

  • 2020年2月5日、北海道大演習場で訓練中のMV-22オスプレイ

 悪天候の影響でオスプレイの飛来は遅れ、3日間のみ訓練に参加して沖縄の普天間基地に帰って行きました。この事から一部の報道ではオスプレイは寒さに弱いのではという憶測が流れましたが、実際には吹雪の影響を避けていただけでした。むしろオスプレイは欧州配備機が毎年のように北欧ノルウェーでの雪中訓練に参加しており、寒さに強いことを以前から実証し続けています。

  • 2019年、ノルウェーで訓練中のCV-22オスプレイ

 なお筆者はオスプレイの飛行マニュアルを持っていますが(古い版なら誰でも入手可能)、防氷装置の項目など関連のありそうな部分を読み返しても、他の航空機と比べて低温に弱いという箇所は全く見当たりませんでした。

アメリカ海兵隊MV-22オスプレイ飛行マニュアルより主翼の防氷装置。左が非作動、右が作動。
アメリカ海兵隊MV-22オスプレイ飛行マニュアルより主翼の防氷装置。左が非作動、右が作動。

 そもそもオスプレイに限らず全ての航空機にとって機体への着氷は事故の原因となり得るものなので、他の航空機と比べて明確な差が無いならそれはオスプレイ固有の問題とは言いません。

[PDF]:国土交通省安全リーフレット「航空機への着氷」

 なお今回のノーザンヴァイパー演習の最中に陸上自衛隊のUH-1ヘリコプターが横転事故を起こしています。これは回転ローターの噴き下ろしで雪が舞い上がり視界を失ったホワイトアウトが原因でした。