警視庁の迎撃ドローン部隊IDT

参考画像:東京マラソン財団に協力する警視庁のドローン迎撃ドローンのデモ飛行(写真:アフロ)

 新しい天皇陛下の即位礼が行われる22日、首都の警備は厳戒態勢になります。過激派の迫撃弾や火炎瓶の投擲などへの対処の他に、近年普及した新たな脅威であるドローンによるテロ攻撃の対策も取られ、2015年に発足した警視庁の無人航空機対処部隊(IDT)がこれを担当します。IDTとは Interceptor Drones Team の略で「迎撃ドローン部隊」を意味し、ドローン迎撃ドローンを使用して不審なドローンを無力化します。

 このドローン迎撃ドローンはヘキサローター(6枚ローター)型の遠隔操作型ドローンに大きな網を付けて不審なドローンを絡め捕る方式です。市街地の中で散弾銃などを発砲する迎撃方法は取れないので、穏便な対処方法として採用されました。

 なおIDTのドローン迎撃ドローンの他にも、地上部隊に電波妨害を行う「ジャミング装置」やネットを打ち出すランチャー「ネット発射装置」を配備して周囲に被害を出しにくい複数種類の阻止手段が準備されています。

 またドローンによるテロを未然に防ぐには飛んで来た不審ドローンに直接対処する以前に、周辺の警戒を厳重に実施することが重要です。遠隔操作型ドローンは衛星通信を行う特殊なものでない限り、見通し線内での無線通信が要求されます。一般的な市販ドローンは操縦が可能な無線通信の最大伝送距離は数kmがせいぜいです。つまり数km圏内の警戒を厳重に実施することにより不審者の発見に努め、操縦者が利用するおそれのあるビルの屋上などの敷地の施錠を徹底するなど、地道な警戒が効果を発揮します。警戒すべき距離と範囲は迫撃弾(過激派の手作り迫撃砲)への対処に近いものになります。

 なお警視庁のドローン迎撃ドローンの能力で対処できる相手は一般的な市販の小型ドローンまでが限界です。

  • 民間衛星通信を用いた遠隔操作型ドローンを使用された場合は?
  • 高速で飛ぶ固定翼プロペラ推進型ドローンが使用された場合は?

 ただし上記のような特殊なドローンは取得の難易度が高くなる上に値段が対戦車ミサイル並みになるので、個人レベルでは用意はできません。過激派組織の不審な動きを普段から追っていればこのような機材を取得する段階で摘発することができるのと、警備現場で兵器クラスの機材への対処を際限なく考えていくのは限界があるので、式典の警備で直接阻止する事態を想定しなければならないのは入手の容易な市販ドローン対策までとなります。

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