北朝鮮がミサイル発射、準中距離弾道ミサイルか

2017年、北朝鮮の軍事パレードに登場した潜水艦発射弾道ミサイル「北極星1号」(写真:ロイター/アフロ)

 10月2日午前7時ごろ、北朝鮮が東部の元山から日本海に向けて1発の飛翔体を発射しました。弾道ミサイルと推定され、韓国軍の発表では水平距離450km、最大到達高度910kmの極端なロフテッド軌道(山なりの高い弾道)となっています。これを通常軌道で発射した場合の推定最大射程は2000km弱となり、日本まで届くがグアムまでは届かない準中距離弾道ミサイルとなります。つまりこれは日本の安全保障に対する直接の脅威となるミサイルです。

 発射されたミサイルの種類は韓国軍の推定では潜水艦発射弾道ミサイル「北極星」と見られています。韓国軍だけでなく、事前の9月27日にアメリカの北朝鮮分析サイト「38ノース」が衛星写真の分析から北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイルの試験を準備中と警告しており、その通りになりました。また10月1日は韓国軍の記念式典でF-35戦闘機をお披露目しており、韓国軍のF-35戦闘機の配備に激しく反発していた北朝鮮がこのタイミングで何かするのではないかと警戒されていた最中でのミサイル発射です。

 なおミサイルは日本海の日本のEEZ(排他的経済水域)に着弾しました。EEZに着弾しそうだと自衛隊から情報提供を受けた海上保安庁は海上の船舶に対しミサイル警報を午前7時16分に出しています。韓国軍の発表ではミサイル推定発射時刻は午前7時11分だったので、海上保安庁がミサイル警報を出した時点ではミサイルはまだ上昇中でした。

 北朝鮮は今年5月4日から9月10日まで短距離弾道ミサイルと大型ロケット弾を10回2発ずつ合計20発を発射してきました。これらのミサイルは韓国攻撃用の射程でしたが、今日発射されたミサイルは日本攻撃用の射程となる準中距離弾道ミサイルです。アメリカのトランプ大統領はこれまで「短距離ミサイルは問題にしない」という態度を取って来ましたが、これはもはや短距離ではありません。しかし一方でアメリカの領土、グアムまでは届きません。北朝鮮はアメリカの反応を見ながら「どこまで大丈夫なのか」とミサイル発射実験の射程をじわじわと伸ばす、危険なチキンレースを始めました。