ロシアのステルス無人攻撃機「オホートニク」が初飛行

ロシア国防省公式動画より初飛行を行うステルス無人攻撃機S-70オホートニク

 8月3日、ロシア軍が開発中のステルス無人攻撃機「S-70オホートニク」が初飛行しました。そして8月7日、ロシア国防省は飛行動画を公開しています。開発担当はスホーイ社です。

 オホートニクは単発エンジンの全翼機で高いステルス性能を狙っています。初飛行なので脚は出したままで機首には観測データ取得用のセンサーアンテナが付いていますが、実用化された場合はアンテナは取り外されるでしょう。

 現在、世界で実戦に使われている無人攻撃機はアメリカの「MQ-9リーパー」が代表的ですが、これは遠隔操作式でステルス性能は無く、プロペラ式で約重量5トンの軽攻撃機に過ぎず偵察やゲリラ掃討などが任務であり、強力な国家の正規軍を相手に攻撃用として投入することは考えられていませんでした。オホートニクはそういった軽攻撃機級の無人攻撃機とは一線を画した重量20~25トンの大型無人機で、ステルス性能を有し、限定的な自律行動能力を備えて敵の正規軍相手に投入可能な性能を目指した無人攻撃機です。ロシアは以前に「MiGスキャット」というステルス無人攻撃機を計画していましたが中止され、オホートニクで再始動しています。

 同様のコンセプトのステルス無人攻撃機は既に各国で試作研究中です。ただしアメリカのステルス無人攻撃機「X-47B」は2013年に空母への発着艦まで成功済みですが、採用は中止されて無人艦載給油機「MQ-25スティングレイ」に計画が差し変わりました。これは攻撃機としては限定的でも自律的な行動能力を付与することが難しく、実用化の目途が立つのはまだ先の話だと判断されたためです。遠隔操作型では帯域の問題で同時投入数に制限がある上に、正規軍が相手だと強力な電子妨害で通信コントロールが不能になる可能性があるので、自律行動能力が無いと無人攻撃機はまともに戦えません。現在の技術力ではこの分野で最も開発が先行しているアメリカでさえ容易に実現できていませんが、将来の戦場を一変させる可能性を秘めたステルス無人攻撃機についてアメリカ、ロシア、中国、欧州は研究を続けています。