オスプレイの小型版V-280バローが初飛行

ベル・ヘリコプターよりV-280バロー

 ベル・ヘリコプター社は12月19日、開発中のティルトローター機「V-280バロー」を初飛行させました。この機体はアメリカ陸軍の主力汎用ヘリコプターUH-60ブラックホークの後継機を決める統合多用途機JMR計画の競争試作機の一つで、ライバルのシコルスキー/ボーイング連合の「SB>1デファイアント」と性能を比較し、どちらを採用するか決定します。

※試作機のため可倒式ベベルギアボックスの機構が剥き出しになっている為か、機密保持のために映像にはボカシが入っている。

赤丸の可変機構の部分は写真にボカシが入っている
赤丸の可変機構の部分は写真にボカシが入っている

 ベル社はティルトローター機V-22オスプレイの開発実績を元にV-280バローを開発しました。アメリカ陸軍の要求は中型汎用ヘリコプターの後継であった為、オスプレイより機体サイズは小型化しています。また後部ランプドアから降りるオスプレイと異なり側面ドアからの乗降が要求されたため、ヘリコプターモードでの排気が横に向くようにエンジンを横向きで固定し、その先に可倒式のベベルギア(傘歯車)を組み込んでプロップローターのみが可変して固定翼機モードとヘリコプターモードを切り替えます。エンジンごと可倒させるオスプレイよりもこの部分で部品点数は増えてしまいますが、その他の部分で部品点数を省略しており(主翼を直線翼にして胴体中央のギアボックスを無くしたり、主翼の折り畳み機構を無くしたり)、機体サイズそのものを小型化した事も相まってオスプレイより生産コストは大きく下がる予定です。

 一方、JMR計画のライバルであるシコルスキー/ボーイング連合の「SB>1デファイアント」はヘリコプターの機体後部に推進プロペラを持つ設計で複合ヘリコプターという種類になり、アメリカ陸軍のブラックホーク後継はどちらが選ばれても一般的なヘリコプターとは異なる形態になります。

ティルトローター>複合ヘリコプター>一般的なヘリコプター

 

 特性としては最大速力、巡航速力、航続距離は全て上記のような関係になります。

一般的なヘリコプター>複合ヘリコプター>ティルトローター  

 ただし貨物積載能力、特に吊り下げ能力では一般的なヘリコプターの方が性能は優秀になります。どちらが選ばれるかは、試験期間を経てアメリカ陸軍がどの能力を重視するかで決まることになるでしょう。