弾道ミサイルで原発を狙う意味は存在しない

北朝鮮、ノドン弾道ミサイル(日本攻撃用)(写真:ロイター/アフロ)

原子力規制委員会の田中俊一委員長が6日、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に付いて「(原発を狙うより)東京の真ん中に落とす」と発言しました。不謹慎だと批判されて発言は撤回されましたが、軍事的に見れば田中委員長の発言は全く正しいものです。

・北朝鮮のノドン弾道ミサイルに建造物を狙える命中精度は無い

・核弾頭を持っているなら人口の密集している東京に落とす

弾道ミサイルとは一般的に命中精度の低い兵器です。一部に高精度な誘導機能を持つものもありますが、少なくとも北朝鮮が保有する日本攻撃用のノドン弾道ミサイルでは建造物を狙って当てるような命中精度は有りません。現状では「弾道ミサイルによる原発への攻撃」は全く無視して構いません。例え狙われても当たりようがなく、市民への心理的な圧迫を加える効果しか期待が出来ません。

そしてそもそもの話になりますが、私たちが北朝鮮の弾道ミサイルに警戒しているのは大量破壊兵器である核弾頭が装備されている可能性に付いてだった筈です。北朝鮮の立場になってみれば直ぐ分かりますが、核弾頭を持っているなら人口が最も密集している東京の真ん中に落とすのが最も効率よく即座に大量の人を殺せます。例え数km外れてしまっても目的は達成できます。一方、弾道ミサイルで原発を狙ってもほんの少し外れただけで無意味なものとなります。

以上の通り、弾道ミサイルで原発を狙う意味が全く存在しないのです。そんな心配をするくらいなら特殊部隊による原発の占拠を心配した方が現実的でしょう。原子力規制委員会の田中俊一委員長が原発への弾道ミサイル攻撃に付いて一笑に付したのは当然の態度だと言えます。弾道ミサイルの特徴と大量破壊兵器の使い方を理解していれば誰でも辿り着くことが出来る結論だからです。