北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイルに潜む脅威

(写真:ロイター/アフロ)

8月24日午前5時半ごろ、北朝鮮は潜水艦発射弾道ミサイル「KN-11(北極星1号)」を発射。500km飛行し日本海に着弾しました。KN-11は今年6月に発射に成功したムスダンと同じく山なりの軌道で発射された模様で、射程をわざと抑えてあり、最大射程で発射した場合は1000km飛行できる能力があると推定されています。

KN-11は対アメリカの核抑止力としては道半ば

KN-11は潜水艦発射弾道ミサイルとしてみた場合、射程が短く、周辺国には脅威ですが遠いアメリカには大きな脅威ではありません。アメリカ本土沿岸まで接近してから攻撃しようにも、接近前に潜水艦は強大なアメリカ海軍に捕捉されて発射可能点に辿り着くことすらできないでしょう。もしアメリカに対抗するつもりであるならば、KN-11をさらに発展させて大型化と長射程化を図る必要があります。潜水艦もさらに大型のものを用意する必要があるので、核抑止力として機能するためにはまだ道半ばです。

KN-11は固体燃料式の準中距離弾道ミサイル

しかし、周辺国である日本と韓国にとってKN-11は非常に脅威です。海中に潜み捕捉し難い潜水艦発射弾道ミサイルとしての有効性もさることながら、車載移動式の弾道ミサイルに転用され量産化される可能性があります。KN-11はこれまでの実験で公開された写真から、噴射炎の色が固体燃料式のものであると推定されています。射程1000kmの固体燃料式の準中距離弾道ミサイルなのです。これはノドン弾道ミサイルの射程に近く、もしも将来、液体燃料式のノドン弾道ミサイルやスカッド弾道ミサイルを固体燃料式のKN-11の派生型で置き換えていった場合には、発射準備に時間が掛かる液体燃料式の弾道ミサイルが即時発射できる固体燃料式の弾道ミサイルに更新されることを意味し、発射前に空爆によって破壊することが著しく困難になってしまいます。