北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ムスダン」発射成功か

中距離弾道ミサイル「ムスダン」(写真:ロイター/アフロ)

北朝鮮は今年4月以降、4回連続で失敗していたムスダンの発射を6月22日に2回行い、2回目の発射で成功させました。北朝鮮の東海岸から発射されたムスダンは400kmの距離を飛行し、1000kmを超える高度に達しています。ムスダンは5回連続失敗後の通算6回目の発射で成功したことになります。

1.本日8時3分頃、北朝鮮東岸より、1発の弾道ミサイルが北東方向に発射され、約400km飛翔し、日本海上に落下したものと推定されます。

2.詳細については現在分析中ですが、これまでの北朝鮮の弾道ミサイル開発動向に加えて、我が方のレーダー情報によれば、弾道ミサイルが1,000kmを超えた高度に達していることも踏まえれば、今般発射された弾道ミサイルは中距離弾道ミサイル(IRBM)「ムスダン」と推定されます。

3.今般、中距離弾道ミサイル(IRBM)「ムスダン」と推定されるミサイルが発射され、中距離弾道ミサイルとしての一定の機能が示されたことは、我が国の安全保障に対する深刻な懸念であると考えます。

出典:北朝鮮による弾道ミサイルの発射について 平成28年6月22日 防衛省

ムスダンは最大射程3000~4000kmと推定されているため、東に向けて最大射程で発射した場合には日本の上空を飛び越えて太平洋に着弾する事になってしまいます。そこで今回の発射試験で北朝鮮は日本をあまり刺激しないように、ムスダンをロフテッド軌道(山なりの弾道)で発射し、到達高度と引き換えに飛行距離を落として日本海に着弾させることを選んだのだと思われます。

しかし短期間のうちに6回も発射試験を行い5回連続で失敗という経緯は、通常のミサイル開発ではありえない流れです。一回失敗したら期間を掛けて不具合を究明し直してから再挑戦を繰り返していくのが通常で、それが出来ない北朝鮮の何らかの国内事情で再発射が急がれたのかもしれません。成功率は低くまだ兵器として完成されていないムスダンですが、とにもかくにも飛べることが実証されてしまいました。これでムスダンに核弾頭を搭載しグアムが狙われる可能性が現実的な脅威として認識しなければならなくなりました。それはアメリカの領土を守るために日本のイージス艦が迎撃を実施するという、集団的自衛権の発動を考えなければならなくなったことを意味します。

北朝鮮が発射準備を行う中距離弾道ミサイル「ムスダン」と日本の集団的自衛権(2016年4月14日) - Y!ニュース