防衛省資料よりオスプレイ事故率データ(2012年版)

アメリカ軍の全軍種で見た場合の事故率(FY02~FY12)

※この記事は2012年9月22日に書かれた「防衛省資料よりオスプレイ事故率データ決定版」の再掲載です。

防衛省・自衛隊の「オスプレイについて」・「MV-22オスプレイの沖縄配備について」に、とても興味深い資料の追加があります。 

別添5:MV-22オスプレイ 事故率について(PDF:294KB):防衛省・自衛隊

アメリカ軍(陸軍・海軍・空軍・海兵隊)全軍の主な航空機の最近10年間の事故率(FY02~FY12)、全軍の主な航空機の初期10万飛行時間での事故率、オスプレイのクラスA,B,C事故の個別詳細(和訳済み)、といったデータが掲載されています。

全軍種で見た場合の事故率(FY02~FY12
全軍種で見た場合の事故率(FY02~FY12

全軍種の主な航空機の飛行時間当たり事故率が載っています。事故率の全般的な傾向として「長時間飛行が多い大型機の事故率は低く、戦闘機やヘリコプターの事故率は高い」という事が見て取れます。また同系統の機種でも任務が異なると事故率が極端に違ってくる事も見て取れるでしょう。特殊作戦機や救難機は任務が過酷で事故率が高くなります。大型機なのに事故が多いB-1戦略爆撃機は空軍の悩みの種ですし、F-22戦闘機は不具合の問題がなかなか解決せず、最近ようやく解決の目処が立ったばかりです。ヘリコプターでは海兵隊のUH-1ヒューイ、AH-1コブラ、陸軍のAH-64アパッチ、CH-47チヌークが事故率3前後と高く見えますが、全軍のヘリコプターとしては平均レベルです。「もしも海兵隊がCH-46シーナイトの代わりにMV-22オスプレイではなくCH-47チヌークを採用していたら」という提案をたまに聞きますが、実際には事故率の面ではチヌークよりもオスプレイの方が優秀な数字を示しています。

導入当初10万飛行時間におけるクラスA飛行事故の件数
導入当初10万飛行時間におけるクラスA飛行事故の件数

どのような機体でも開発中や導入初期は事故が頻発し、運用実績が積み上がっていくと事故が少なくなる傾向があります。しかしオスプレイは導入初期の段階で既に事故率が低く、巷で言われている「開発段階から事故が多い」イメージとは逆である事が分かります。

追記:オスプレイは2015年5月17日に新たにハワイで3年ぶりとなる墜落死亡事故を起こしましたが、これに加えてこの3年間に発生したその他のクラスA事故を入れたとしても、運用機体数が200機以上になっている為に飛行時間当たりの事故率は大きく変動せず、依然として海兵隊平均以下のままです。その為、この2012年時点での事故率の表も参考になるでしょう。