接近戦で死角の存在しないF35戦闘機の目

F-35が実用戦闘機として世界で初めて装備する事になる種類の光学センサーが「AN/AAQ-37 EO DAS」です。電子光学分散開口システム(Electro Optical Distributed Aperture System, EO DAS)と呼ばれる非常に革新的なシステムで、機体に6台の赤外線カメラを固定式に装着し、各カメラが捉えた映像を合成処理して継ぎ目を無くして一つの映像として統合、全球状の視界を得られます。つまりF-35戦闘機には光学的な死角が存在しません。

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開発元のノースロップ・グラマン社が「AN/AAQ-37 EO DAS」の解説動画で日本語版を新しくUPしたのでご覧ください。英語版は以前からありましたが、2013年2月1日に日本語版と韓国語版が追加されました。

AN/AAQ-37の画像はHMD(ヘルメット・マウント・ディスプレイ)のバイザーに投影され、パイロットは透明なキャノピーではない機体フレーム部分の方向を真下だろうと真後ろだろうと見る事が出来ます。更に目標を自動で警戒探知する機能を持ち、兵装と連動する事で死角に居る敵を攻撃可能です。短距離空対空ミサイルを前方に発射して180度旋回させて真後ろの敵を攻撃する事すら可能です。このセンサーは近接格闘戦の戦い方を根本的に変えてしまう事になるでしょう。もはやドッグファイトと呼ばれる戦闘機の接近戦は、機体の機動性の高さだけでは優位性は決まりません。F-35戦闘機は先進的な光学センサーにより、有視界戦闘で従来型の戦闘機を凌駕する能力を持っています。センサーは自動で敵味方を識別する事も可能で、お互いの編隊が接近して入り乱れた戦闘でも効果を発揮します。

F-35はステルス戦闘機でありレーダーに見付かり難く、レーダーを用いた視界外戦闘で従来型の戦闘機を圧倒する事が出来ます。一般的にはステルス戦闘機は視界内戦闘に持ち込めば従来型の戦闘機でも対等以上に闘えると言われていましたが、F-35は革新的な電子光学分散開口システムにより視界内戦闘でも死角が存在せず、何処からでも攻撃が可能で、従来型の戦闘機に対して主導権を握り続ける事が可能です。視界外でも視界内でも従来型の戦闘機を圧倒する事が可能なF-35は、全く新しい次元にある戦闘機であると言えるでしょう。