F35戦闘機が任務に就く時期とソフトウェアの書き換え

アメリカ空軍、エグリン空軍基地より

F-35A戦闘機が日本への納入までに完成型のソフトウェア「ブロック3F」の開発が完了していないという問題がクローズアップされています。日本が受け取るのは前段階の「ブロック3I」であり、短距離空対空ミサイルが使用できない(中距離空対空ミサイルは使える)ので実戦配備できないという主張が一部で為されています。しかしそれは戦闘機に付いて納入、配備、投入といったスケジュールをよく理解していないのではないかと思います。実は機体納入=実戦配備ではないのです。

  • 日本へのF-35A最初の4機の納入期限は平成28年度(2016年4月~2017年3月)
  • 日本へのF-35A配備は青森県三沢基地に平成29年度(2017年4月~2018年3月)

配備が納入の1年後になる予定ですが、これはF-35の開発遅れが影響したわけではありません。もともと、最初の4機は1年間はアメリカのフロリダ州にあるエグリン空軍基地で訓練を受ける予定だったからです。他のF-35購入国も同様に、最初はエグリン空軍基地で訓練を受けてから本国に機体を持って帰ります。買って直ぐに実戦で使えるわけでは無く、きちんと訓練を受ける必要があります。そしてソフトウェアは書き換えが可能です。ブロック3Iの状態で引き渡されてアメリカで訓練を受けている間にブロック3Fに書き変えてしまえば、日本に持って来る時には問題無くなっています。

また実戦配備=スクランブル発進を行うアラート任務(領空侵犯警戒任務)開始でもありません。機体数がある程度揃わないと戦力としては投入出来ないからです。機体整備の関係上で予備機も要りますし、実戦部隊以外にも飛行開発実験団へ機体を回さないといけません。実戦部隊は数が揃って編隊訓練を十分にこなすまではアラート任務には出しません。例えば航空自衛隊のF-15J戦闘機の場合は、1980年にアメリカで引き渡されて訓練を受けています。日本にやって来たのは1981年になってからで、正規のF-15飛行隊として発足したのは1982年から、アラート任務に就いたのは1983年からです。つまりF-15戦闘機は初号機が納入されてからアラート任務に就いたのは3年後です。F-104戦闘機でも初号機納入からアラート任務に出るまで3年の間があり、F-2戦闘機では4年掛りました。だからF-35の場合でも初号機納入から3年後にアラート任務に就くスケジュールになるでしょう。2017年3月までにアメリカで引き渡されて訓練開始、2018年3月までに日本にやって来て、2019年に飛行隊を立ち上げて、アラート任務に出るのは2020年です。つまり言ってしまえばブロック3Fソフトウェアの完成が遅れても2020年までに出来上がれば別に構わないのです。ソフトウェアの書き換え自体は直ぐに済みます。

故に「2017年3月までに間に合わないじゃないか!」と焦る必要はまだありません。