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沖縄梅雨明け 週明けから沖縄と北海道を除いて本格的な梅雨の始まり

饒村曜気象予報士
部屋干し(写真:アフロ)

梅雨の晴れ間

 令和4年(2020年)は、6月13日から15日にかけて、梅雨前線が北上し、四国から東北まで一気に梅雨入りし、梅雨がないとされる北海道を除く全国で梅雨入りとなりました(表1)。

表1 令和4年(2022年)の梅雨入りと平年の梅雨入り
表1 令和4年(2022年)の梅雨入りと平年の梅雨入り

 しかし、週末は前線が沖縄付近まで南下しました(図1)。

図1 地上天気図(6月19日15時)
図1 地上天気図(6月19日15時)

 このため、沖縄や九州南部では所により雷を伴った強い雨が降りましたが、西日本から東日本、北日本の広い範囲で晴れた所が多く、強い日射で気温が上昇したところが多くなりました。

 このため、アメダスで気温を観測している913地点のうち、最高気温が25度以上の夏日を観測したのは724地点(約79パーセント)と、5月25日の723地点を上回り、今年最多でした(図2)。

図2 全国の夏日と真夏日の観測地点数の推移(令和4年(2022年)5月~6月)
図2 全国の夏日と真夏日の観測地点数の推移(令和4年(2022年)5月~6月)

 また、最高気温が30度以上の真夏日は233地点(約26パーセント)と、5月29日の261地点(約29パーセント)に続く、2番目の記録でした。

 このように、地上付近が暖められたため、午後は大気が不安定となり、急な雨や雷雨になる所がありました。

 6月20日(月)は九州付近で梅雨前線が北上して、前線の活動が活発になりそうです。

 西日本の太平洋側で雨となり、九州南部では午前中を中心に激しい雨の降る所がありますが、東日本から北日本は晴れて気温が上昇する見込みです。

 東京や仙台も気温が30度まで上がるなど、各地で蒸し暑さが続きますので、熱中症に注意が必要です。

 ただ、北海道上空約5500メートルには、氷点下12度以下という寒気が入っていますので、地上付近が暖められることによって大気が不安定となりますので、北日本を中心に激しい雨や、落雷、竜巻などの突風やひょうに注意してください。

沖縄・奄美の梅雨明け

 西日本から東日本の梅雨が本格化する頃、早めに梅雨入りしていた沖縄・奄美地方は梅明けになります。

 平年の梅雨明けは、沖縄で6月21日、鹿児島県奄美大島の名瀬で6月29日です(表2)。

表2 平年の梅雨明け
表2 平年の梅雨明け

 ウェザーマップの16日先までの天気予報よると、傘マーク(雨)はなく、黒雲マーク(雨の可能性がある曇り)があるのが6月21日までです。

 6月21日以降は、お日様マーク(晴れ)の日が続きます(図3)。

図3 那覇の16日先までの天気予報
図3 那覇の16日先までの天気予報

 また、6月22日以降は、白雲マーク(雨の可能性がほとんどないくもり)の日が続きます。

 しかも、降水の有無の信頼度が5段階で一番高いAが多い予報です。

 沖縄では、夏空が広がる見通しで、ほぼ平年なみの梅雨明けになりそうです。

【追記(6月20日12時)】

 気象庁は、沖縄地方が6月20日に平年より1日早く梅雨明けしたと、6月20日11時に発表しました。

図4 鹿児島県・名瀬の16日先までの天気予報
図4 鹿児島県・名瀬の16日先までの天気予報

 また、鹿児島県奄美大島の名瀬の16日先までの天気予報によると、6月22日以降は、お日様マークと白雲マークだけの日が続きますが、この予報は、降水の有無の信頼度が5段階で一番高いAが続く予報です。

 したがって、奄美地方も沖縄地方とほぼ同じ時期に梅雨明けしそうです。

 もし、奄美地方が6月22日に梅雨明けしたとすると、平年より7日早い梅雨明けということになります。

図1、表1、表2の出典:気象庁ホームページ。

図2の出典:ウェザーマップ提供資料により筆者作成。

図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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