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早くも今週末から大雨の季節始まる

饒村曜気象予報士
土砂崩れ(提供:アフロイメージマート)

日本海低気圧

 令和2年(2020年)3月下旬は、大きな移動性高気圧におおわれての晴天から、一転して大雨の恐れがあります。

というのは、3月26日(木)に東シナ海で発生した低気圧が東進し、27日(金)には、日本海で発達する見込みだからです(図1)。

図1 予想天気図(3月27日9時の予想)
図1 予想天気図(3月27日9時の予想)

 このため、日本海の低気圧に向かって、沖縄の南海上から、暖かくて湿った空気が流入するため、西日本を中心に大気の状態が非常に不安定となり、雷や突風、短時間強雨が降る見込みです(図2)。

図2 雨と風の分布予報(3月27日21時の予報)
図2 雨と風の分布予報(3月27日21時の予報)

 この低気圧と前線により、西日本を中心に大雨となり、地形の影響も加わって、東海から西日本の南東斜面では3日間(72時間)で100ミリ以上、対馬や九州北部で200ミリ前後になる可能性もあります(図3)。

図3 予想72時間予報雨量(3月26~28日)
図3 予想72時間予報雨量(3月26~28日)

 このため、気象庁では、早期警戒情報を発表し、27日(金)には長崎県と石川県、新潟県に、28日(土)には石川県と新潟県に大雨警報を発表する可能性が「中」としています(図4)。

図4 大雨警報発表の可能性(3月27日と28日)
図4 大雨警報発表の可能性(3月27日と28日)

南岸低気圧

 大雨の恐れは、今週末の南岸低気圧だけではありません。

 来週も、週明けには南岸低気圧で大雨の恐れがあります(図5)。

図5 雨の分布予報(3月27日朝の予報と30日夜の予報)
図5 雨の分布予報(3月27日朝の予報と30日夜の予報)

 来週の南岸低気圧については、誤差幅が非常に大きいのですが、3月27日(金)なみの雨が30日(月)に降る可能性があります。

 もし、3月27日(金)に大雨が降った地域で、30日(月)に再び大雨が降れば、非常に大きな災害が発生する恐れがあります。

 令和2年(2020年)は、季節が早めに進んでおり、早くも大雨の季節になりますので、厳重な警戒が必要です。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3、図4、図5の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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