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バレンタインデー(2月14日)に向けて気温上昇、その後は

饒村曜気象予報士
地球と太陽(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

立春寒波の後退

 令和2年(2020年)の冬は記録的な暖冬となっていましたが、立春(2月4日)頃から寒波が襲来し、西高東低の冬型の気圧配置となって、冬らしい天気と気温になりました。

 しかし、この立春寒波は長続きせず、2月11日の週は北へ大きく後退しています。

 このため、気温が日ごとに上昇し、週末には大きく気温が上昇します。

 14日(金)はバレンタインデー、大切な人に愛や感謝を伝える日と言われていますが、このバレンタインデーに向けて気温は大きく上昇します。

 恋人たちの熱気かもしれませんが、全国的に3月下旬から4月の気温となります。

 この日の天気予報は、北日本では晴れる所が多いのですが、そのほかの地方では雨が降り易い天気となっています(図1)。

図1 バレンタインデー(2月14日)の天気予報
図1 バレンタインデー(2月14日)の天気予報

 特に九州では、大雨の可能性もあります。

 気象庁が2月10日夕方に発表した早期警戒情報では、2月14日に大雨警報を発表する可能性は「中」です(図2)。

図2 大雨警報の可能性(2月14日の予想)
図2 大雨警報の可能性(2月14日の予想)

 これは、東シナ海で低気圧が発生して南から暖かくて湿った空気を持ち込み、強い雨雲を伴って九州の北部に大雨を降らせると考えられるからです(図3)。

図3 風と雨の分布予報(2月14日9時の予想)
図3 風と雨の分布予報(2月14日9時の予想)

 東シナ海で発生した低気圧は日本海に進む見込みで、今のところ大きく発達はしないと思われますが、もし、日本海で大きく発達して強い風が吹くようであれば、立春も過ぎていますので、「春一番」ということになります。

東京の16日先までの予報

 立春寒波が今冬一番の寒さということになりそうですが、このまま4月の気温が続くということはありません。

 来週の2月19日(水)は暦の上で「雨水(うすい)」、空から降るものが雪から雨に変わり、氷が解けて水になるとされる日です。

 また、雛人形を飾る日として良いとされる日、農耕の準備を始める日とされてきた「雨水」ですが、この頃にちょっとした寒気が南下してきます。

 東京の2月の気温の実況と予報をみると、最高気温の予報の下限は、雨水の頃に南下してくる寒気によって平年値を下回りますが、予報の上限は20度を超え、立春寒波のような寒さにはならないと思われます(図4)。

図4 東京の2月の最高気温と最低気温の推移(2月11~17日は気象庁、18~26日はウェザーマップの予報)
図4 東京の2月の最高気温と最低気温の推移(2月11~17日は気象庁、18~26日はウェザーマップの予報)

 とはいえ、雨水の頃の最低気温は平年値位まで下がる予報ですので、南下してくる寒気の強さによっては、16日夜から17日朝にかけて雨ではなく雪が降る可能性もあります(図5)。

図5 東京の2月16日~17日の天気予報(ウェザーマップによる)
図5 東京の2月16日~17日の天気予報(ウェザーマップによる)

 3月下旬から4月の気温になっても、そのまま春本番へは行きません。

 春は一進一退です。

図1、図2、図3、図5の出典:ウェザーマップ提供

図4の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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