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令和初上陸台風、平成初上陸台風はともに台風6号

饒村曜気象予報士
北上中の台風6号による雲(7月26日15時)

北上中の台風6号による雲

 台風6号が発達した雨雲を伴って北上中です。

 一般的な台風は、中心付近に発達した積乱雲の塊があり、雨や風が強いのですが、台風6号の中心付近には発達した積乱雲はそれほど多くはありません(タイトル画像参照)。

 台風の東から北東側にあった発達した積乱雲の塊が近畿南部から東海にかけて大雨をもたらしているのですが、台風本体が近づくにつれ、さらに雨が強まるという単純なものではありません。

 台風本体が近づくと、一時的に雨が弱まることもあり、油断できない降り方をする可能性があります。

 台風6号は、進路を次第に東よりに変え、東海地方にかなり接近、あるいは上陸する可能性があります(図1)。

図1 令和元年台風6号の進路予報(7月27日3時の予想)
図1 令和元年台風6号の進路予報(7月27日3時の予想)

 (台風予報は最新のものをお使いください

 もし、台風6号が上陸すれば、令和初上陸台風となります。

【追記(7月27日10時30分)】

 台風6号は、7月27日7時頃、三重県南部に上陸しました。令和初の上陸台風です。

 これで、平成初の上陸台風と令和初の上陸台風は、ともに、台風6号となりました。

平成初上陸台風

 平成初上陸台風は、平成元年(1989年)6月24日5時30分頃に鹿児島県薩摩半島に上陸した台風6号です(図2)。

図2 平成元年(1989年)の台風6号の経路図
図2 平成元年(1989年)の台風6号の経路図

 沖縄の南海上で発生したのは、上陸の約27時間前の6月23日3時でした。

 そして、上陸の約6時間後には温帯低気圧に変わるというあわただしさでした。

 令和初上陸台風になるかもしれない台風と、平成初上陸台風には、台風番号(年ごとに発生順につけられる番号)が、ともに6ということだけではなく、東海地方で大雨が降るという共通点があります。

引用:朝日新聞(平成元年6月24日名古屋版夕刊)

東海各地に大雨、尾鷲は200ミリ超す 台風6号の影響

 台風6号の影響で、梅雨前線の動きが活発化、東海地方では23日夜から24日朝にかけて大雨となり、尾鷲では降り始めからの雨量が200ミリを超した。このため、一部で土砂崩れなどの被害が出た。

 名古屋地方気象台によると、この雨は、台風で南の湿った空気が流れ込み、前線を刺激したため。台風6号は、24日午前6時ごろ、薩摩半島に上陸した。同日正午ごろ日本海に抜け、温帯低気圧になった。

台風6号の雨と北海道の雨

 関東から近畿南部にかけては台風6号により大雨の可能性がありますので、雨の降り方には注意してください。

 ニュースでは、東から西日本を襲う台風6号が中心になると思われますが、北海道も前線活動が活発となり、大雨の可能性があります(図3)。

図3 雨と風の予想(7月27日3時の予想)
図3 雨と風の予想(7月27日3時の予想)

 最新の気象情報の入手につとめ、早め早めの対応をお願いします。

タイトル画像、図3の出典:ウェザーマップ提供。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2の出典:気象庁ホームページの図に著者加筆。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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