次々に寒気が南下 注目すべきは北朝鮮の白頭山からの雲の帯
日本海西部で発生する雲の帯
シベリアから南下する寒気は、もともとが大陸育ちであり、乾いています。
寒気が日本海に入ると、日本海から熱と水蒸気の補給を受けて下層から変質して不安定となり、積乱雲が発達します。
そして、2000 から3000 メートルの高さの雲が筋状に何十本も平行にならび、これらの雲が日本海側の地方に大雪を降らせます。
このとき、白頭山など朝鮮半島北部にある2700 メートルを超える高い山で強制的に東西に分流されると、それが合流する場所(日本海寒帯気団収束帯、JPCZ)では、積乱雲が特に発達します。そして、この収束帯がかかる日本海側の地方では、強雪や雷などの激しい現象が起きることがあります。
また、寒気が非常に強い場合は、低い山地を乗り越え、名古屋など太平洋側の地方にも大雪を降らせることがあります。
日本海寒帯気団収束帯は、朝鮮半島北部沖の日本海からはじまって、山口県から山陰地方、近畿北部、北陸地方西部までの日本海側の地方のどこかに伸びます。どこに伸びるかは気圧配置によって違います。
現在の収束帯は、北陸地方に伸びて、北陸地方を中心に大雪をもたらしましたが長続きせず、南下して弱まります。
このため、雪は一旦小休止となります(図1、図2)。
今冬一番の寒気?
今冬は、これまで強い寒気が南下しても北海道付近まででした。
今回は、寒気の中心はそれほど低い気温ではないのですが、寒気全体は大きく南下します。
北海道には氷点下39度以下の寒気が、北陸地方には氷点下27度以下の寒気が流入してきますので、1月9日朝の最低気温は、今冬一番を争う寒さです(図3)。
また、次の寒気の南下は1月13日頃というように、強い寒気がこれからも周期的に南下してきます(図4)。
このため、気温が高い日と低い日が交互に現れます。
年末寒波や年始寒波により気温が大きく下がったと感じる人が多くても、実際は、平年値を挟んでの暖かい、寒いという話です(図5)。
平成30年(2018年)夏の記録的な猛暑から暖かい秋、12月上旬の暖かい初冬と長期間にわたって暑さが続いたため、12月中旬からは気温が大きく下がったと感じるのですが、実際は、平年なみの寒さにもどったとも言えるでしょう。
タイトル画像、図1、図2、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図5の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ資料をもとに著者作成。