北極上空の寒気が分裂して日本へ 東京でも最低気温5度

寒さ(写真:アフロ)

久しぶりの寒気の南下

 日本列島には久しぶりに寒気が南下し、西高東低の気圧配置となって朝晩を中心に寒さを感じる季節となりました(図1)。

図1 予想天気図(11月14日21時の予想)
図1 予想天気図(11月14日21時の予想)

 しかし、北海道上空に南下している寒気は平年並みで、気温も全国的に平年並みのところが多くなっています。

 殺人的と言われた猛暑、記録的な暑さの秋のあとですので、寒く感じますが、平成31年寒候年(2019年寒候年)の本格的な冬の寒さはこれからです。

北海道の遅い初雪

 札幌など北海道平野部では、いまだ積雪が観測されておらず、主要8都市では、いずれも平年の初雪日をすぎています(表)。

表 北海道の初雪の平年値と過去の記録
表 北海道の初雪の平年値と過去の記録

 北海道北端の稚内での最も遅い初雪(最遅)は11月10日ですので、現在も記録を更新中ですし、札幌の最も遅い初雪は11月20日ですので、これも更新するかもしれません。

11月14日10時追記:北海道の稚内、旭川、網走では、11月14日は初雪を観測しました。

 ただ、初雪は同じ場所にたって、人間の眼で見て判断していますので、無人の観測所の初雪の観測はありません。

 明治初期から続いている気象観測所というと、明治6年(1873年)の函館、明治10年(1877年)の札幌、明治22年(1889年)の旭川、明治23年(1890年)の網走しかなく、100年ぶりの遅い初雪かどうかとなると、個々の地点では言えても、北海道ではどうかということは言えません。

 ただ、そのようなことが議論になるほど、北海道の初雪は遅れています。

 ちなみに、札幌管区気象台の前身の札幌測候所は、札幌農学校(現在の北海道大学)の教頭で「青年よ大志を抱け」で有名なクラークの協力者として来札したホイラーによって、明治9年(1876年)9月1日より観測を開始していますが、明治13年(1880年)に最も早い初雪を10月5日に観測し、その10年後の明治23年(1890年)には最も遅い初雪を11月20日に観測し、ともに、現在まで続く記録となっています。

 今から120年以上前の北海道は、年による気象の変化が大きく、多くの入植者が大変な目にあっていたことがうかがえます。

北極付近の寒気が南下

 季節が進むと、北極上空など高緯度の上空では太陽が全くあたらなくなり、非常に冷たい寒気の塊ができます。そして、この寒気の塊から寒気が周囲に流出(寒気の南下)し、日本など中緯度の国で厳しい寒さとなります。

 北極付近の強い寒気の塊が2つに分裂し、アメリカ大陸東部とシベリア中部に南下する兆しが見え、強い寒気の南側にある、上空約5500メートルで氷点下24度というやや強い寒気が南下しているというのが現状です(図2)。

図2 北半球の寒気南下(11月13日夜の予想)
図2 北半球の寒気南下(11月13日夜の予想)

 来週は、北極付近の寒気塊の分裂が大きくなり、強い寒気がアメリカ大陸東部とシベリア中部に南下します。そして、北極点の上空は、周囲より暖かくなるという逆転現象もおきます。

 それだけ、来週の寒気の南下は大規模です。

 北海道上空の約5500メートルには、氷点下36度以下という、非常に強い寒気が南下します(図3)。

図3 北半球の寒気南下(11月22日夜の予想)
図3 北半球の寒気南下(11月22日夜の予想)

 

東京でも最低気温5度

 来週の日本列島には強い寒気が南下しますので、各地で本格的な寒さとなり、遅れていた初雪のたよりや、木枯らし1号がふくかもしれません。

 遅ればせながら、来週は本格的な冬が到来します。

 各地の10日間の天気予報によると、多くの地方で、晴れの日が週末まで続き、低気圧の通過で全国的に雨となる週末をはさんで、来週は晴れて気温が低くなります。

図4 各地の10日間の天気予報(上段が最高気温、下段が最低気温)
図4 各地の10日間の天気予報(上段が最高気温、下段が最低気温)

 東京や名古屋でも最低気温が5度まで下がる見込みですので、少し早いのですが、早めの大掃除を考えてみては、いかがでしょうか。

図1、表の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。