平成30年は昭和42年と似ている 寒波・豪雨に台風も

秋雨前線と台風21号の衛星写真(平成30年8月31日16時)

 今から51年前の昭和42年(1967年)は、平成30年(2018年)の今までと、非常によく似ています。

昭和42年(1967年)の気象

 昭和42年(1967年)の気象は、くり返しの厳しい寒波による寒冬で始まりました。

 このため北陸を中心に大雪となり、太平洋側は前年12月いらい引き続いて雨が降らず、「東京砂漠」などと騒がれました。1月中旬の寒波は、奄美大島まで雪をもたらし、東京では寒さで5000件の水道事故がありました。

 関西以西では、5月から6月にかけて干天が続いて、7月に入るまで空梅雨でした。その間、北海道は頻繁に低気圧が通過し、平年の2倍の雨量を観測しました。

 梅雨末期は一転して激しく降りましたが、梅雨入りは平年より10日遅れ、梅雨開けは平年並で、全体的には空梅雨でした。

 7月3日から10日にかけて、台風7号から変わった熱帯低気圧による暖湿気流によって梅雨前線が活発となり、長崎県佐世保市で1時間に125ミリの記録的な雨を観測しています。佐世保市、広島県呉市、神戸市などでは2日間で300ミリを超える大雨となっていますが、これらの三市は、背後に山地がある都市部で、大雨によって土砂崩れや鉄砲水が多発し、多くの犠牲者がでました。

 このため、気象庁は「昭和42年7月豪雨」と命名しました。

 8月は典型的な猛暑の夏となり、西日本と関東付近では月平均気温が記録的な高さになったところが多くでています。

 しかし、8月末になると本州に秋雨前線が停滞して新潟・山形・福島方面に大雨が降っています。

 8月28日から29日にかけての新潟県北部と山形県の一部に豪雨、通称「羽越水害」では、新潟県の加治川の堤防が決壊したり、中小河川にそう山々の山腹が各所で崩落したことによる土石流で、多くの死者を出しています。

 盛夏期の台風発生数は、7月7個、8月9個の計16個と活発な発生数でした。

平成30年(2018年)との比較

 平成30年(2018年)のこれまでの気象をみると、昭和42年(1967年)とほぼ同じです。

 厳しい寒さの冬と福井県を中心とした北陸の豪雪に始まり、6月の北海道の長雨、全国的に早い梅雨明け(空梅雨)と気象庁が命名した「平成30年7月豪雨」、通称「西日本豪雨」がありました。

 記録的な猛暑に盛夏期の多い台風発生(14個)、そして、現在(8月末から9月の初め)の秋雨前線による山形県・新潟県を中心とした日本海側地方の大雨です。

 昭和42年(1967年)当時、気象庁では気象レーダーを全国に展開していましたが、気象状況をきめ細かく、迅速に把握できるアメダスを持っていませんでした。アメダスの運用開始は、昭和49年(1974年)11月です。

 また、広い範囲を連続的に観測する気象衛星「ひまわり」も持っていませんでした。「ひまわり」が最初に打ち上げられたのは、昭和52年(1977年)7月14日です。

 このため、「平成30年7月豪雨」との比較はできないのですが、当時刊行された気象庁技術報告第63号「昭和42」には次の記述があります。

梅雨期の200ミリから300ミリの大雨は他に例がないことではないが、今回のように東西約1000キロにわたる広範な地域に大雨が降り、しかも時間的・空間的に集中度が強かったこと、さらに、強雨時に強雷を伴ったことは大きな特徴があります。

 「平成30年7月豪雨」が発生したとき、このような大雨は過去に例がないという防災関係者の発言が相次ぎ、マスメディアもそう報じています。

 半世紀がたつと、災害の経験が薄れてきたのです。

平成30年(2018年)9月の台風

 盛夏期に台風発生が多かった年の9月は、台風の発生が多い傾向があります。

 昭和42年(1967年)の9月は9個発生しています。

 つまり、平成30年(2018年)9月は、台風に警戒が必要な月ということになります。

 また、昭和42年(1967年)の台風の年間発生数は、台風の統計がとられている昭和26年(1951年)以降で最多の39個で、一番遅く上陸した台風は、10月28日に東海地方に上陸した台風34号です。

 台風に対して、最後まで警戒が必要な年でした。

 平成30年(2018年)、まずは、日本の南海上を北上中の台風21号です。

 台風21号の眼は、小さくてはっきりしています。猛烈な台風にまで発達し、来週の中頃には、本州にかなり接近し、上陸の可能性もあります。

 最新の台風情報の入手に務め、早め、早めの防災対策をお願いします。

タイトル画像の出典:ウェザーマップ提供。